【スポーツ異聞】韓国サッカー、W杯“死の組”で16強という強気の目標 達成できなければ怒り - 産経ニュース

【スポーツ異聞】韓国サッカー、W杯“死の組”で16強という強気の目標 達成できなければ怒り

韓国の申台龍監督はW杯16強を実現させるため、早くも代表メンバーの大半を選定した(AP)
韓国の申台龍監督は、早くもW杯代表メンバーの大半を選定した(AP)
 6月に開幕するサッカーのワールドカップ(W杯)ロシア大会へ向け、32の出場国は準備の最終段階を迎えている。韓国も例外ではない。韓国サッカー協会は3月12日、3月の欧州遠征(24日・アイルランド、28日・ポーランド)代表メンバー23人を発表。申台龍(シン・テヨン)代表監督は今回招集したメンバーの80%がロシア大会に直結すると明言した。
 早い陣容確定だが、申監督は最大の不安要素に挙げた「守備」対策として、守備陣にはKリーグ・全北現代の選手を中心に招集するという大胆な布陣を敷いた。W杯アジア最終予選ではA組ワースト2位と守備が崩壊し、辛うじて9大会連続出場を獲得、サポーターからは「この実力でW杯に出るのが恥ずかしい」と激怒されたほどだ。
 ロシアW杯では前回覇者ドイツなどが入る“死の組”で戦うが、指揮官は「16強以上も可能」と強気。1次リーグ突破の可能性は18%という予想もあり、1次リーグ敗退が現実となれば、結果至上主義の韓国でサポーターの怒りを買うのは必至だ。
 「今回の欧州遠征で(W杯1次リーグで対戦する)スウェーデン、メキシコ、ドイツを相手にして、ある程度の競争力があるかを確認しようと(代表メンバーを)選んだ」
 申監督は会見で欧州遠征メンバー選定の理由をこう説明した。東亜日報によると、申監督は昨年末から「3月の国際親善試合が事実上の最終エントリーシステム」と宣言していた。というのも、6月14日のW杯開幕から逆算し、組織力と合わせて詳細な戦略を固めることに焦点を当てるテストの機会が実質的にこれ以上ないからだ。新たな選手を再び選んで一からチームカラーを習得させるより、既存の布陣の能力を極大化させたほうが最も現実的と判断したとみられる。
 このため、申監督はW杯最終エントリー構想の「80%以上はすでに完了した。所属チームで良い姿を見せている選手たちを選んだ」と説明した。選考過程で最も考慮したのは、最大の不安要素に挙げる守備陣だ。DF登録8選手のうち5選手が全北現代から選ばれた。申監督は「それだけ(全北が)良い選手を保有しているという意味」としたが、考え方の根底にはW杯アジア最終予選A組で6位カタールの15失点に次ぎ、5位中国と並ぶ10失点を喫した結果があるだろう。
 本番では国際サッカー連盟(FIFA)1位のドイツ、17位メキシコ、19位スウェーデンと、59位の韓国より格上を相手にせねばならず、韓国守備陣が「どれだけ耐えられるかが鍵。守備で組織力を作っていくのが優先するだろう」(申監督)とした。Kリーグの最近10年で1位5度、2位2度と絶対的な強さを誇る全北現代の守備ラインを代表に移植する格好だ。
 前回ブラジルW杯で優勝したドイツは、ドイツ1部の強豪バイエルン・ミュンヘンの選手が数多く選出され、Bミュンヘン・サッカーの現出が優勝に結びついたと評された。申監督が期待する組織力を持ち、習熟度をプラスアルファしやすい利点がある。
 東亜日報によると、韓国サッカー協会はまた、64位ホンジュラス(5月28日)、41位ボスニア・ヘルツェゴビア(6月1日)と国内で対戦し、事前キャンプ地オーストリアに移動後、47位ボリビア(6月7日)、27位セネガル(6月11日)と対戦するという日程を明かし、同紙は韓国代表チームが「本大会前に歴代最も多くの実戦の機会を与えられた」と報じた。それぞれがW杯の対戦国を仮想している。申監督は、目標の16強以上に行くためには「最初のゲームが重要だ。スウェーデン戦の前に全てのものを賭けたい」とにらむ。
 できる準備はそろえた印象だが、米スポーツ専門局ESPNが昨年12月、16強進出の可能性に関して報じた際、F組はドイツ82.5%、メキシコ51%、スウェーデン48.2%と予想し、韓国は18.3%にとどまった。韓国ではスポーツの結果と成績に注目する人が少なくなく、注目度の高いサッカーはさらに特別の存在のようだ。
 ブラジルW杯で16年ぶりに1勝もできなかった韓国代表に対し、帰国した空港で侮辱的な意味を込めて飴が投げつけられた。2017年10月の欧州遠征でロシア、モロッコに連敗した際には過激な一部サポーターが「韓国サッカー死亡」などと書かれた横断幕を掲げた。勝利至上主義の韓国国民を納得させられる結果を準備段階の試合から残せるのか注目される。