痛くないし、時間もかからない…唾液でがんリスクが分かる! - 産経ニュース

痛くないし、時間もかからない…唾液でがんリスクが分かる!

「唾液によるがんのスクリーニング検査」は、唾液を採取するだけなので簡単に検査ができる=東京都千代田区の日本生命(油原聡子)
唾液によるがんのスクリーニング検査。ストローを使って、口内に自然にたまった唾液を採取する=東京都千代田区の日本生命(油原聡子撮影)
唾液によるがんのスクリーニング検査は、唾液を採取するためのストローと専用容器を渡される(油原聡子撮影)
 唾液からがんのリスクが判定できる検査がある。唾液によるがんのスクリーニング検査だ。唾液を数滴ほど採取するだけという簡便さで、痛みも伴わない。手軽さが、がんの早期発見につながるとして開発された。どんな検査で、何が分かるのか。
わずか数分の検査、仕事の合間に
 「唾液が自然にたまったら、ストローからチューブにうつしてください」。検査スタッフから説明を受けた受診者らが次々とストローをくわえる。口の中にたまった唾液を、ストローを経由してチューブ型の容器に移す。検査に必要な唾液の量は、0・1ミリリットル以上だという。
 日本生命(本社・東京都千代田区)が1月、社内でこの検査を行った。社員約1000人が対象。
 検査を手がけたサリバテック社(山形県鶴岡市)は、慶應義塾大学先端生命科学研究所の研究成果をもとに起業したベンチャー企業で、唾液に含まれる複数の成分の濃度を検査機器で測定し、がんに罹患(りかん)しているリスクを判定する。説明を含めてもわずか5分程度で検査が終わるという手軽さだ。
 今回、検査の対象となったがんは、肺がん▽乳がん▽膵(すい)がん▽大腸がん-の4種類。
 解析結果は、「リスク値」という数値で示される。0・0から1・0の間で算出。1・0に近いほどリスクが高い。受診者は自身の数値を、非がん患者、がん患者の数値と比較したグラフで提示されるので分かりやすい。
 あくまで、現在がんに罹患しているかのリスクを調べる検査なので、リスク値が最大の1・0だったとしても、がんと診断されたことにはならない。リスクが高いと判定された場合には、提携医療機関が紹介されるという。
 日本生命営業企画部ヘルスケア事業開発担当部長の須永康資さん(36)は「病院でがんの検査をするのは、抵抗があるし、なかなか時間がとれない人が多い。社内で簡単にできるなら、検査ニーズは高いのではないか」と話す。
「尿検査よりも簡単」
 実際に検査を受けた人からは好評だったようだ。
 営業教育部課長補佐の神尾敦子さん(36)は「こんな簡単に検査ができるのかとびっくりしました。病院に行くきっかけが、なかなかないのでありがたかった」と話す。
 「勤務中にちょっと抜けるだけで受診できるのが良かった」と話すのは、営業教育部のみらいのカタチ教育推進チーム担当課長の久保田麻理子さん(45)だ。「子宮がん検査や乳がん検査は痛みがあるし、時間がかかる。症状が出ていないのに病院に行くのはハードルが高い。唾液だけだと受ける方も楽だし、尿検査よりも簡単でした」。
 日本生命はヘルスケア事業を本格展開していくなかで、昨年、サリバテック社と提携。今後、日本生命が契約する企業や健康保険組合の従業員に対し、この検査サービスの提供を検討していく。今回の検査結果は、2~3週間ほどで受診者に報告されるほか、データとして蓄積し、検査技術の向上につなげる予定だ。
医療機関でも受診可能
 サリバテック社によると、この唾液によるがんのスクリーニング検査は、都内など4つの医療機関で受診が可能。費用は2万~3万円程度だという。
 サリバテック社の砂村眞琴社長は「手軽でかつ痛くない、何度でも受けることができるような検査を作りたかった。データが集まれば集まるほど、より正確になっていくだろう」と話し、がんの早期発見や医療機関受診のきっかけになることを期待している。(文化部 油原聡子)