【衝撃事件の核心】女子高生が通行人に胸触らせ撮影…過激投稿、ユーチューバーに潜む罠と危険 - 産経ニュース

【衝撃事件の核心】女子高生が通行人に胸触らせ撮影…過激投稿、ユーチューバーに潜む罠と危険

女子高生が東京・渋谷のハチ公前広場で身に付けていたバニーガール風衣装(警視庁提供)
女子高生が東京・渋谷のハチ公前広場で掲げていたスケッチブック(警視庁提供)
 自分の胸を触らせる動画を撮影していた“女子高生ユーチューバー”らが今月12日、警視庁に東京都迷惑防止条違反の疑いで書類送検された事件が話題となった。女子生徒らがセンセーショナルな行動に至った背景には、“一獲千金”として過熱する動画投稿サイト人気があるとされる。一方で、捜査幹部からは「過激な動画投稿には、リスクもある」との指摘が上がっている。
周囲は騒ぎに
 1月下旬、東京・渋谷のハチ公前広場。肌を突き刺す寒さにもかかわらず、バニーガール姿で街頭に立つ若い女性の姿があった。物珍しそうに眺める通行人らの目に入ったのは「フリーおっぱい」と書かれた刺激的なスケッチブック。さらに女性が「おっぱいさわり放題です」と呼びかける。顔をしかめる通行人も多いが、一部の通行人は足を止め、気恥ずかしそうに女性の胸を触った。それを撮影する男性-。
 異様な光景が広がり、周囲はちょっとした騒ぎとなった。騒ぎは、この行為に気づいた渋谷署員が中止させるまで続いた。
 約1カ月半後の今月12日、警視庁生活安全特別捜査隊は同条例違反(卑わいな言動)の疑いで、「フリーおっぱい」を企画し、実際に胸を触らせた私立高1年の女子生徒(16)=千葉県船橋市=と公立高3年の男子生徒(18)=相模原市=を書類送検。また、通行人が胸を触る動画を撮影して2人を手助けしたとする同法違反幇助(ほうじょ)の容疑で、映像制作会社社員の男性(23)=東京都三鷹市=も書類送検した。
 3人が撮影した動画は、警察が注意したこともあり、インターネット上にアップロードされなかった。
3人の関係性は…
 学校や身分、年齢、住まいもバラバラな3人を結びつけたのは、3人がいずれも動画投稿サイト上で活動する、いわゆる「ユーチューバー」だったという点だ。警視庁によると、女子生徒と男子生徒は音楽イベントで知り合った後、ともに動画投稿を行っていたことから意気投合。男子生徒と会社員は動画サイトの公開撮影で出会っていた。
 フリーおっぱいの企画は、女子生徒から男子生徒に提案し2人で詳細を考え、会社員は直前になって撮影を頼まれたという。
 女子生徒らは企画した理由を「再生回数を増やして広告料収入を得たかった」などと説明している。
 再生回数などに応じて支払われる広告料収入をめぐっては、トップのユーチューバーであれば年間数億円に上ることも珍しくないとされる。また、芸能人級の知名度や人気が得られる場合もある。こうしたことを背景に、「子供のなりたい職業」ランキングに「ユーチューバー」が入る時代となった。
「報酬を増やしたい」
 ただ、ユーチューバーをめぐっては、こうしたチャンスが広がっている一方で、この女子生徒たちのような“お騒がせ”的な過激な投稿も近年、相次いで問題化している。
 昨年9月には、警察官の前で覚醒剤に見せかけた白い粉の入った袋を落として逃げる動画を作成した男と妻が、偽計業務妨害容疑で福井県警に逮捕。
 また同年末には若者に人気の米国人ユーチューバーの男性が、山梨県の青木ケ原樹海で自殺したとみられる遺体の動画を一時投稿。批判が殺到し、この男性は「自殺防止の意識を高めようとした」などと釈明したが、謝罪や動画削除に追い込まれた。
 今月にも大手回転ずしチェーンで、回転レーンに置いたカメラで撮影された動画がサイトに投稿されていたことが発覚している。
 「話題、有名になりたい」「報酬を増やしたい」といった欲求が、一部で歯止めが利かなくなっているのは間違いないようだ。
女子生徒にバッシング
 今回の事件で、ネット上では今回の女子生徒と同様に、ハチ公前広場で女性が「フリーおっぱい」を実施している動画がアップロードされており、「女子生徒らが撮影した動画ではないか」と一部で話題になった。しかし、警視庁によると、この動画に映る人物は女子生徒と別人で、昨年11月ごろに撮影されたものだという。
 ただ、この「フリーおっぱい」動画も、インターネット上でバッシングを受けていた。捜査幹部は「動画を投稿した女性はバッシングで精神的にショックを受けてしまったようだ」と話す。話題になるということは、こうしたリスクも抱え込むことになる。
 また捜査幹部は、今回の事件について、コミュニティーサイトで知り合った男性にだまされ、自分の裸の画像を送る「自画撮り被害」と類似の危険性にも言及している。女子中高生を中心に拡大している自画撮りの被害は、画像が一度ネットにアップロードされ、誰かに保存されてしまえば、元の画像を削除したとしても再びアップロードされてしまい、完全に削除することが難しくなる。
 捜査幹部は「動画投稿は今では学生でも手軽にできてしまう。しかし、『有名になりたい』という一瞬の欲望から、自分の将来をも壊しかねない行為だということを自覚してもらいたい」と呼びかけている。