【TVクリップ】元大関、把瑠都「弟の夫」(NHKBSプレミアム 日曜午後10時) - 産経ニュース

【TVクリップ】元大関、把瑠都「弟の夫」(NHKBSプレミアム 日曜午後10時)

連続ドラマに初挑戦する把瑠都(川口良介撮影)
連続ドラマに初挑戦する把瑠都(川口良介撮影)
初めての連続ドラマも「まじめにやれば結果はついてくる」
 「ものすごく深い話なんだけど、テーマをシンプルに、子供からお年寄りまでわかりやすく説明している。最後まで楽しめると思います」
 大きな体、かつて“角界のディカプリオ”と呼ばれた端正なマスクに優しいまなざし。明瞭な日本語でインタビューに答えてくれた。
 大相撲を引退してから、タレントとしてさまざまなことに挑戦している元大関・把瑠都(ばると)が演じるのは、主人公・弥一(佐藤隆太)のゲイの弟・涼二の「夫」マイク。涼二は移住先のカナダで知り合ったマイクと同性婚。しかし若くして亡くなり、マイクが涼二のふるさと日本を訪ねてくる。妻・夏樹(中村ゆり)と離婚、娘の夏菜(根本真陽)と2人暮らしの弥一は、戸惑いながらもマイクを自宅に受け入れ、自分の“無意識の差別”と向き合いながら、疎遠になっていた涼二のことを思い出していく。田亀源五郎のコミックを原作に、同性婚という設定を通じて、家族のあり方を考えさせられるドラマだ。
 「同性愛やいろいろな家族の形を通じて、自分の家族について考え、家族を大事にしてもらえたら」
 原作のイメージ通りの大きな体で日本語が堪能。出演オファーが来たのもうなずけるが、初めての連続ドラマ出演で、せりふも多い。不安で受けるべきか何日も迷ったが、昨年秋に出演した舞台「グリーンマイル」で得た自信が大きかった。
 「ミスのできないステージで、1回もせりふがとばなかった。舞台でできたんだから大丈夫だと。大相撲の時にお世話になったNHKからのオファーだったし」と笑顔を見せる。
 演じて印象に残ったのは第1話のマイクが「ウイスキーにしませんか?ちょっと酔いたいです」と声をかけて弥一と深夜、酒を酌み交わすシーン。
 「それまでマイクの話を聞くだけだった弥一が、初めてマイクに心を開いて自分の家族のことを話す。ドラマの大きなブレークポイント(転換点)だったと思います」
 写真撮影の際、相撲の仕切りポーズをリクエストされると「もう忘れました」と笑うが、異国で打ち込んだ相撲への感謝は忘れない。
 「相撲があったから今の自分がある。相撲で成功していなかったらドラマには出ていない。今ここ(取材の場)にもいない。何事もつながっているんです。まじめにやれば結果はついてくる」(文化部 栫井千春)
 〈ばると〉本名カイド・ホーヴェルソン。1984年生まれ、エストニア出身。平成16年5月場所で初土俵。22年5月場所で大関昇進。24年1月場所で幕内優勝。大相撲の幕内通算成績は330勝197敗88休。25年に現役引退。テレビのバラエティー番組や旅番組など多数出演中。