人気低迷の中日 “松坂大輔人気”で集客の挽回なるか

スポーツ異聞
中日・松坂の行くところに人だかりあり。北谷キャンプは大盛況(塚本健一撮影)

 プロ野球中日が、前ソフトバンクの松坂大輔投手(37)を獲得した。1月23日に行われた入団テストで、森繁和監督は松坂の投球を見ただけの簡単な試験で合格させた。推定年俸はわずか1500万円とルーキー並みの安さ。戦力面はともかく、抜群の知名度を誇るだけに、集客面では大きな期待を集めている。

 少なくとも松坂の登板日にナゴヤドームが満員になれば十分。勝ち負けは別にして「元を取った」ということができそうだ。

 中日は2010、11年とリーグ連覇して以降、優勝はなし。チーム成績も昨年は5位と低迷。観客動員数は201万772人。1試合平均だと2万7927人で、阪神(4万2148人)、巨人(4万1675人)、広島(3万670人)に次ぐ4番目だ。ただ、上位とは大きく水を開けられている。

 今のメンバーでは、スターといえるほどの選手がいないのが現状だ。昨年、新人王に輝いた京田陽太内野手(23)は十分なスター候補ではあった。イチローと同じ背番号「51」をつけ、俊足で守備範囲が広く、打撃もまずまず。球団も「次代のスター候補に」と期待していた矢先の今年1月、結婚を発表してしまい、“ドラゴンズ女子”をがっかりさせてしまった。「尾張のプリンス」と呼ばれた堂上直倫(29)も伸び悩んでいる。

 以前は、立浪和義(48)らスターがいたが、すでにチームを去った。山本昌(52)らチームを長年、支えてきた個性派も引退した。

 現メンバーでは、ベテラン岩瀬仁紀投手(43)がいるが、最多登板とセーブの記録を持っているものの、地味な印象を拭えない。ほかは、投打とも外国人選手が主軸を担ってきた。中日ファンが「見に行きたい選手がいない」と嘆くほどだ。

 その点、松坂は「昔の名前」ではあるが、動員力は期待できる。横浜高からの甲子園での熱投から始まって、西武での活躍。レッドソックスなどメジャーでのプレーぶりなど、ファンを熱狂させてきた。

 2月1日の春季キャンプインの前から、松坂は沖縄・北谷で行われていた合同自主トレーニングに参加して順調ぶりをアピール。キャンプインしてからも、松坂目当てにファンが集まってきている。それはそれで“効果”が出ている。

 ここに、米大リーグ、マーリンズを自由契約になり、いまだに去就が定まらない愛知県が生んだ大スター、イチロー外野手(44)が加われば、まさに“鬼に金棒”だが…。

 松坂は話題性だけでなく、実力で復活し、尾張・名古屋を活気づかせることができるか。そうなればハッピーエンドになるが。

 ■松坂大輔(まつざか・だいすけ) 1980年9月13日、東京都生まれ。横浜高3年の98年夏の甲子園、京都成章との決勝戦でノーヒットノーランVを達成、「平成の怪物」と言われた。ドラフト会議で西武に1位指名されて入団。1年目に「リベンジ」という言葉が流行語大賞に輝いた。8年で108勝を挙げてポスティングシステムで米大リーグのレッドソックスに移籍。8年間で56勝をマーク。2015年に日本に戻りソフトバンクでは0勝に終わり、入団テストを受けて18年から中日。同年代には村田修一内野手(FA)、和田毅投手(ソフトバンク)、藤川球児(阪神)ら有力選手が多く、「松坂世代」と称された。