築地市場跡地利用は「民間の知恵を借りて」コンペ検討

小池知事定例会見録
記者会見する東京都の小池百合子知事=5日午後、都庁

 《5日午後2時から都庁会見室で》

 【知事冒頭発言】

 「それでは、改めまして、皆さん、新年明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いを申し上げます。今年最初の定例記者会見でございます。私の方から、まず3本ご報告等がございますので、お伝えを申し上げます。皆さん、既にお気づきだと思いますけれども、本日から会見室のプロンプター用の台が多摩産材に。これはヒノキでできておりまして、今日の時点では、まだ色が白いのですけれども、これがだんだん時間が経つに従って、落ち着いた色になっていくと。大体、前からある演台に近い色に、だんだんなっていくということでございます。多摩地域には、5万ヘクタール以上の森林が広がっているのは、ご存じのことだと思いますが、その6割がスギ、そしてヒノキの人工林でございます。林業を営む方々が手塩にかけて育んでこられたものでございます。その多くが植林でございまして、50年間の時間を経て、そろそろ更新時期を迎えているということでありまして、この森林が健全に育ち、そして維持されていくというためにはどうするか。要は、『き』を使う、『お気遣いなく』ではなくて、是非『木』を使っていただきたいということで、一つ、その例を示させていただいているわけでございます」

 「都の方では、都営住宅、それから、PR効果が高い美術館など都の関連施設で、できるだけ、この多摩産材を使うように積極的に進めております。また、選手村におきましても、この多摩産材を活用するということでございます。それから、民間での活用を促進するために、都民の皆さんが訪ねられます、さまざまな商業施設などで多摩産材を利用するところには、都からも支援をするということをさせていただいております。それから、今年の秋でございますが、東京で実は初めての全国育樹祭、木を育てる祭り、育樹祭を開催をいたします。この育樹祭を契機といたしまして、森林の魅力であるとか重要性を伝える機会を創り出していきたいと考えております。広く木材利用の機運を醸成していくということでございます。また、多摩産材の利用拡大を含めて、豊かな森林を次世代に継承していきたいと考えております。ちなみに、奥多摩の山火事は、お陰様で鎮火ということでございます。詳細は、産業労働局にお聞きください」

 「それから、二つ目でございますが、小笠原諸島、昭和43年にアメリカから返還をされまして、今年がちょうど50周年という節目の年となります。小笠原村の皆さんにとりまして、次の50年に向けて大変重要な節目になるわけでございますけれども、これを機に、多くの皆さんにも小笠原について、よりよく知っていただきたい、そういう大切な機会にしていきたいと考えております。島嶼地域に関しては、昨年の11月に、ちょうどその日はお天気が良くなくて断念をいたしました神津島の訪問でありますけれども、2回目のチャレンジで、2月5日の月曜日に訪問することとなりまして、これで11ある有人島、人が住んでいる島のうち、10の島を訪れることができることになります。では、『あと、残りはどこ』というのが、小笠原諸島の母島ということになりまして、こちらの方も時機を見て伺いたいと思っております。これについての詳細は、総務局が担当でございます」

 「それから、3番目でございますけれども、これも周年絡みであります。今年、平成30年が江戸が東京になって150年の節目ということでございまして、この節目を記念いたしまして、東京の魅力を内外にPRをしてまいりたいと思います。そして、タイトルとして、『Old meets New 東京150年』という事業のネーミングになっておりまして、東京開府150年という、さまざまなイベントを行ってまいります。まず、この事業のPRを盛り上げるということで、象徴となるロゴマーク、ホームページとかポスターなどで活用するビジュアルのイメージも作ってみました。ロゴマークですけれども、都民の皆さんに伝統と革新が共存する東京の魅力を、この機会に改めて再発見していただくということで、『Tokyo Tokyo』のアイコンと統一感のあるものにいたしております」

 「それから、メインのビジュアルですけれども、東京の玄関として存在感のあります東京駅。先日、行幸通りを含めまして、とても素敵な玄関口ができ上がりました。OldとNewと、それをセットにいたしまして、東京、玄関口、これをモチーフにして、東京のパワー、そして期待感を表現したものとなっております。そのほか、東京150年の歴史や文化をイメージできるさまざまなポスターを順次作成をいたしまして、イベントであるとか事業に幅広く展開をいたしまして、東京150年事業を盛り上げてまいります」

 「それから、この主な事業を紹介する記念イベントを設けておりまして、例えば、今年の秋は、仮称ですが、東京150年祭を浜離宮恩賜庭園におきまして開催を予定いたしております。浜離宮の特徴的なロケーションを活かしまして、『Old meets New』を表現いたしますプロジェクションマッピングなどを行う予定といたしております。そのOldのところで、最新のテクノロジーを使うということで、東京の150年の魅力、文化を実感していただきたいと考えております」

 「それから、この150年祭でございますけれども、江戸東京博物館、東京都公文書館など、東京の150年の歴史を振り返ります企画展、それから、次の世代を担う小学生たちの絵画コンテスト、そして、江戸東京野菜のPRなど、それはそれはいろいろなイベント準備を展開していくことといたします。それから、『カッパのバッジ』なのですけど、昭和30年から40年代に都内で過ごされた方というのは、当時は、都有施設の無料入場の目印として、この『カッパのバッジ』というのが広く親しまれたということでございます。今回もこれを活用して、話題性のある企画を検討いたしまして、東京150年の祝祭感を醸成していきたいと考えております」

 「そして、区市町村、民間団体などの協力も得ながら、多彩な取組を展開いたしまして、都民の皆さんとともに東京150年を祝い、そして、東京への愛着を感じてもらう。そして、それを2020年大会に向けての気運の盛り上げにも活用していきたいと考えております。はい。ということで、お正月物と言ってもいいかもしれません。今年の大きなイベントなどについてもご紹介をさせていただきました。詳細は、政策企画局にお聞きください」

 《質疑応答》

 --幹事社から2点。年頭ということで、今年は市場移転が10月に控え、五輪まで、夏、残り2年ということに。年頭に当たっての所感と抱負があれば

 「今ご指摘のありました豊洲への市場移転、それからオリンピック・パラリンピックの準備、これは、もう既に昨年中、見直しから新しいトラックに乗せるという形で進めております。これは確実なものにしていく。それから、今、予算の知事査定を昨日から始めたばかりでありますけれども、来年度の予算については、やはり待機児童対策、これに加えて高齢化という、東京が必ず2025年をピークというか、2025年からさらに加速度的に進んでいく、この社会の大激動に備えましての、そういった予算編成を行っていくということでございます。要は、人に的を当てた施策を一つ一つ行っていくということでございます」

 「そういった形から、今日も、ここのところ株高でありますけれども、さまざまな経済指標については、ここのところはいい数字が出ておりますけれども、まだまだ実感ということで、大体人は聞かれると、『いや、実感がないんですよね』と答えがちなのですが、この東京においてそれを、実感していただける経済、景気にしていくということだと考えておりますので、集中してそういった点、人に的を当てた施策をしっかり進めていきたいと思っております」

 --次が今朝、築地市場で初せりがあり、計画どおりに進めば、今年が最後の初せりとなり、築地市場自体も最後の年になる。昨年6月に発表の基本方針で築地の再開発について、当時は食のワンダーランドというか、築地の高いブランド力についてかなり強調していた。知事としての築地に対する思いというものがあれば

 「築地は、何度も申し上げていますように、そのロケーションから申し上げまして、最高の場所にあります。そして、築地市場が移転をすることによって、あれだけの大きなスペース、そして隣が今度、東京開府150周年の会場でもあります浜離宮がございます。前には石井さん(朝日新聞都庁担当記者)のところの会社の本社があって、そして日本橋、京橋、そして銀座に近いという、これほど恵まれたロケーションがないわけでございます。そういったことから、本願寺さんもありますし、どうやって地域全体としての、そしてまた東京の宝物としての再開発をどうするかということで、非常に大きなプロジェクトになるかと思います。5月まで有識者の方々の自由なご議論を続けていただいております。また活発な議論が続くことを期待いたしております。そしてその上で、あれだけの大きなプロジェクトになりますと、これは民間の知恵をお借りしてというか、コンペのような形になるのではないかと思いますけれども、いろいろな知恵を出していただいて、そして、あの地域がまた新たな出発ができるようにしたい。その1点でございます。はい」

 --先ほどの小笠原の話に関して、小笠原では空港問題があるが、東京都として、今、空港問題に関してどう動いているか。もう1点、以前、石原都知事は「空港は必要ない」「24時間かけて行ける島が、それが価値がある」というような話もあった。知事自身、小笠原に空港をつくることが必要かどうか

 「私、環境大臣を担当しておりましたころにもエコツーリズムの憲章などをつくり、そして、エコツーリズムのあるべき姿ということをしっかりと整理をしたということがございます。そういった観点から、まだ世界遺産、世界自然遺産に入る前でありましたけれども、どうやって自然を守り、そしてそのために、例えば来訪者の数をどうするであるとか、ガイドの数をどうするであるとか、そういったことなども整理をした記憶がございます。その観点から言うと、自然を守るということは極めて重要であり、自然を守っているからこそ、世界自然遺産に資するものであると思っております」

 「一方で、島に住んでおられる方々の救急の搬送の際というのは、いろいろ消防庁などのヘリを活用して島を乗り継いでいくというような状況になっていることも事実でございます。私は、今後のさまざまな、例えば災害であったり、それから急病人であったり、そういったことを考えますと、足の便の確保というのも必要だろうと。そこで、自然を守りながら何ができるかということを、改めて真剣に考える時期ではないだろうかということでございます。これまで計画されていたのが、滑走路のランウェイが1200メートルということでございますけれども、それより短くても済むようなさまざまな機種なども考えていくこともできるのではないか。そういったことを、昨年7月に小笠原航空路協議会ということで、小笠原村とも確認をしながら、これを開催したわけでございますけれども、村の方とも連携をしながら、どういう形が一番良いかということを考えるために、予算にも盛り込んだところでございます」

 「ということで、命を守るという観点で、先ほど小笠原からの急患については、自衛隊と消防庁、それから病院、広尾病院という、こういう連携で行っているというのは、皆さん、既にご承知のとおりかと思います。さまざまな観点から、飛行場のあり方について、長年、そのままになっておりましたけれども、改めて検討してみるということでございます」

 --築地市場で今日、初せりが、最後の初せりがったが、築地の盛り上がりをどのように豊洲に移していくのか。具体的な考えがあれば

 「今日、今朝、築地市場での最後の初せりが行われて、大いに賑わったこと、大変嬉しく聞いております。また、最後の初せりは3645万円ということで、先ほども『1切れ、いくらだろう』という話をしていたところでございますが、今年の築地における初せりは、これが最後ということでありますが、豊洲に移りましても、初せりは、築地で培われたブランドを、築地を担ってきた方々が、今度は豊洲でそのブランドを展開していただけるように環境の整備であるとか、そういったことに東京都も努めていきたいと考えております。これからも、この築地で行われてきた営みが、さらに豊洲市場に移って、安心で、そしてまた活発に行われることを期待いたしております。今日もまた、関係者の皆様も、『世界に冠たる築地ブランドを豊洲ブランドに変えるのは私たちだ』と、『築地市場で働く1人1人の責務だ』ということを仰っている。そのプライド、その実績、これをしっかりと私は胸に刻みながら、これからの10月11日に向けましてのさまざまな準備を進めていきたいと考えております」

 --都民が今、持っている不安の中に、核戦争の恐怖というものがあると思う。トランプさんが机の上の核戦争の、核ボタンを「お前のところより大きいんだ」と、「俺の方が大きいんだ」というふうなことを述べて、核ボタンについての競い合いみたいなことを言っている。この辺りについて、小池都知事としてどういうふうにお考えか

 「それは、まさしく共有するところでございます。やはり、核に対して日本ほど敏感であるべき国はない。今回、ローマ法王が、長崎の原爆で亡くなった弟を背中に縛り、おんぶさせて、そして起立して、しっかりとした目つきで立ちすくんでいるというか、順番を待っているというか、あのシーンをわざわざポストカードにされるということは、それはローマ法王におかれましても、核ということについての恐ろしさの訴えの一環ではなかったかと思います。昨年の国際的な重大事件、重大な出来事で読者や有識者が選んだのも、やはり北朝鮮問題がいずれもトップになっていたかと思います。そこで、核に対しての問題について、非常に国民の皆さん、都民の皆さんも不安を覚えたということが、それに現れていると思っております」

 「ツイッターなどでのやりとりについては、皆さんと同じような思いを私も抱いています。あまりにも、『そうやって、ツイッターでやりとりをするような事象かな』ということは、ちょっと懸念をするところでございます。いずれにしましても、この核の問題というのは国際的な話でございますので、より政府におかれましてもしっかりと対応していただきたいと思っております。それから、不安ということでいうと、『今日も久しぶりに』と言ったら何ですけれども、急に地震の警報が鳴り響いて、一瞬みんな肝を冷やしたところでございますけれども、いつ何時何が起こるかわからないということ。改めて、都の責任者として、こういったときには何をすべきかということを常に考えながら、都民の命をしっかりと守っていく。そういう1年にしていきたいと考えております」

 --今のことなんですが、対話と圧力ということで、トランプさんが一生懸命、圧力ばっかりをかけてるというふうに見られる。もう少し、安倍政権も、対話を重視するようなことをやっていかないと、都民の核不安というのは、なかなか取り除かれないというふうに考えるが

 「今、それは政府の方でいろいろな動き、情報を基にしてお考えになっていることだと思います。また、安倍総理におかれましては、特に、拉致問題に対しての取組が長いわけでございまして、その二つを常に考えておられるのではないかと思います。『対話と圧力か』と、『AかBか』と言いながらも、国際情勢というのは別の動きがあったりもします。そういう中で、この東アジアが穏やかな新年であり続けることを願っているところでございます。多分、私が想像するに、いろいろなチャンネルが動いていると。単に対話か圧力かという、それだけではないということではないか。そういった、いろいろなチャンネルが複雑に絡み合って、そして正しい方向に進むことを祈っている、心からそういった流れについて応援したいというふうに思っております」

 --具体的にこれだけは今年果たすという知事の2018年の公約があれば

 「そうですね。待機児童対策で補正予算を計上するところから、私の最初の知事の仕事が始まりました。今、待機児童対策というのは大きな国全体の動きにもなっているということ、それから、子供の教育に対しての無料化の動きなども大変良い方向に来ているのではないかと思っております。それから、かねがね申し上げておりますように、私は人に着目をした東京都政を今年改めて進めたいと思っておりまして、そこで欠かせないのが障害者、そして、あとは高齢者でございます。障害者については、パラリンピックを機会にして、以前から申し上げているように、段差であるとか、ホームドアの設置であるとか、そういったことを進めていくことによって、2020年のパラリンピックに間に合うよう、さまざまな作業を続けていきたいと思っております」

 「それから、高齢者でございますが、いわゆる医療の分野、病院であったり、それからもう一つ、介護の分野、これらのことは、それぞれやはりお一人お一人の安心をどうやって確保するかということだと思います。ですから、ご病気になられたり、調子が悪くなったときに、その安全ネットがちゃんとありますよということと同時に、多くのお年を召した方とはいえ、最近の年を取った方といっても、みんなお元気でいらっしゃるので、そういったお元気な方々にやりがいとか社会における居場所であるとか、そういったことを確保できるような、そういう知恵を出すことによって、薬を1日、うちの母もそうでしたけど、亡くなってから箱にいっぱい薬が入ってました。そうやって、薬ばかり飲んだり、もしくは病院ばかり行くのではなくて、必要なときには行っていただく、だけど、普段は会話をしたり、お友達とフラダンスを踊ったりとか、カラオケに興じたりとか、そうやって楽しみを見出していただけるような東京にしたいと思っております」

 「ですから、都政といっても、予算の配分でいうならば、医療費であるとか、病院の施設をしっかりするといったところが予算、数字の規模は大きいのですけれども、実はそういった1人1人の生きていく上での社会での存在を確保するという、そういう心理的な部分なども、実は予算を凌ぐ効果があるのではないだろうかと思っておりますので、そういったきめの細やかさなども盛り込んでいきたいと考えております。いずれにしましても、今年改めて人に焦点を当てた都政をしっかり進めていきたい、このように考えております。ありがとうございました」