「私は少し、慎重かも…」非常にきまじめな深田恭子さん 2017年のときめき

話題の写真集
深田恭子さん写真集「palpito」から

 女優の深田恭子さん(35)が、2017年も写真集を出した。「palpito」(講談社、2500円+税)。イタリア語で「ときめき」を意味する題名。イタリアの小さな町を舞台に、かわいらしさと大人らしさとが交錯する姿を見せる。ページを繰るごとに、胸がときめく1冊に仕上がった。

街の中での撮影

 1996年に新人発掘オーディションである「タレント・スカウト・キャラバン」(ホリプロ主催)でグランプリを獲得。翌97年に女優デューだから、ちょうど20年だ。

 その間、ほぼ毎年のように写真集を出してきた。2016年は実に3冊。うち7月に2冊同時発売した「This Is Me」と「AKUA」は、かたや女性、かたや男性とそれぞれの目線で楽しめるよう編集され話題になった。

 調査会社オリコン(東京都港区)は16年の写真集のトレンドは「女性目線を意識した写真集」であり、その代表例が深田さんの「This Is Me」だった、とした。

 大胆な水着姿が目立った昨年の3冊に比べると、今回の「palpito」は、露出を抑えてシックな印象だ。

 「うーん。まあ、その…撮影は、状況や場所で意味がある格好をしています。今回は、泳ぐ状況がなかったから水着じゃない。逆にハワイの海での撮影なのに着込んでいたらおかしい。なぜ、この状況でこういう衣装なのか、ということは常に考えています」

 そう。今回はイタリアの小さな町の中での撮影が中心。撮影期間は5日間。スタッフらとそぞろ歩きながら、ここぞという場所を見つけたら「撮影しよう」。リラックスした雰囲気での作業だった。

 「すごく楽しい撮影でした。イタリアは、私にとって身近な街というわけではありませんが、それでも、とても自然な自分を撮っていただけました」

言葉を慎重に選ぶ女優

 青いシャツに濃紺のサロペット。かわいらしいいで立ちは、テレビで見る深田さんのイメージにぴったりともいえる。が、35歳。大人の女性だ。

 あらゆる質問に対して、極めて慎重に言葉を選ぶ。まず、発せられるのは「うーん」だ。

 「うーん」

 視線は宙に向けられ、次に手元に落とされる。思考が天を駆け、吟味されて地に足が着いた言葉が発せられる。声音は少し低く、静かだ。

 たまらず、いつも、そこまで考えてからしゃべるのですか、と尋ねた。

 「そうですね。昔はもっと素直に答えられていたかもしれませんが、私の言葉を人が読むのだと考えると、自分の気持ちをどういう言葉で伝えるべきか、すごく考えてしまいます」

 普段、友人と話すときでも、そうなのだ、という。

 「意外ですか?」

 ドラマ「神様、もう少しだけ」(1998年)では、エイズウイルス(HIV)に感染した女子高生という難しい役を演じた。最近、テレビ画面の向こうで会う「女優、深田恭子」は、たいてい元気で明るい印象が強い。だから、「意外です」。

 「私は少し、慎重なのかもしれませんね」

いちばん大人

 18年1月18日から放送されるドラマ「隣の家族は青く見える」(フジテレビ系)の撮影中。“妊活”中の夫婦が、さまざまな生き方のカップルたちと“共同生活”する設定だ。それぞれの考え方に基づき生きる人々が交錯する。ドラマについて語る言葉も慎重だ。

 導き出される結論。「女優、深田恭子」は、非常にきまじめな女性である。これにつきる。

 話を写真集に戻せば、こんなふうに話す。

 「若い頃は、自己主張もありましたが、最近は、いい提案があればぜひ、と。そのほうが視野や考え方が広がります。年を重ねると、自分の考えだけでは限界も見えてきます」

 話を写真集に戻せば、こんなふうに話す。

 「若い頃は、自己主張もありましたが、最近は、いい提案があればぜひ、と。そのほうが視野や考え方が広がります。年を重ねると、自分の考えだけでは限界も見えてきます」

 改めて写真集のページを繰って気づいたが、笑顔の写真があまりない。帯のうたい文句は、「今までで、いちばん大人。ドキドキさせてくれる深田恭子」。深田さんが見せているのは、思慮深い表情なのだ。相変わらずあどけなさが残る面差しなのに、確かに「いちばん大人の深田恭子」がここにいる。

 インタビューが終わって写真撮影。ちょっとだけ笑ってみましょうかと声をかけると、ファインダーの向こうで口角を少しだけ上げた。少しだけ。その笑顔は、やはりどこか思慮深く、とても静かだった。(文化部 石井健)

 深田恭子 ふかだ・きょうこ。1982年、東京都生まれ。「第21回タレント・スカウト・キャラバン」(96年)でグランプリ獲得。翌97年ドラマ「FiVE」(日本テレビ系)で女優デビュー。98年の「神様、もう少しだけ」(フジテレビ系)で注目される。2004年、映画「下妻物語」で第59回毎日映画コンクール主演女優賞を最年少受賞となったほか複数の賞を受賞。09年3月公開の映画「YATTERMAN ~ヤッターマン~」で悪役のドロンジョ役。同年、初の大河ドラマ「天地人」(NHK)に淀役で出演。12年には「平清盛」(NHK)で大河ドラマ初ヒロイン・平時子を演じる。直近では「ハロー張りネズミ」(TBS系)。18年1月からは「隣の家族は青く見える」(フジ系)。テレビCMも多数出演。