俳優、川原和久 BARレモン・ハートのメガネさん 「すごくいいライブ感が出ている」

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インタビューに答える、俳優の川原和久さん(松本健吾撮影)

BARレモン・ハート クリスマスSP(BSフジ 24日午後9時)

 その男、本名不明、職業不詳。中折れ帽にトレンチコート、そして、瞳を隠す黒いサングラス。物語の舞台となるバーの常連で、メガネさん、と呼ばれている。

 「ある意味、彼とは距離感がありますね。昼も夜も関係なしにサングラスをかけているし、季節感なくコートを着ている。想像力たくましくその日常を思い描いたところで、とても追いつかないですよ」

 演技の“難しさ”に苦笑する。

 視聴者には、テレビ朝日の看板ドラマ「相棒」で演じるこわもての伊丹刑事の印象が強いかもしれない。

 「伊丹もふざけた奴なんですが、メガネさんはね、それよりも飛んじゃっている。たとえば、年上の人にすごく横柄な口をきいたりね。僕の常識よりもはるかに遠くて、自分の中で共存させようがないんです」

 「BARレモン・ハート」は、酒にまつわるハートウォーミングな物語を描いた古谷三敏の人気漫画。平成27年にBSフジ開局15周年記念として連続ドラマ化され、現在も特番枠で続いている。

 今作では、浮浪者のような福顔の男(斉藤暁)をめぐるクリスマスイブの物語を通して、人にとっての「幸せ」とはなにかを伝える。

 ところで、ドラマの舞台となるバーで、マスター(中村梅雀)の背後に並べられたボトルの数々は全て実物。カウンターでグラスに注がれるのも本物の酒だ。収録前には、主演者にそれぞれの回でテーマとなる酒が小瓶に分けて賞味用に配られる。

 番組を手がけるフリープロデューサーの湯谷幸司さんは「メガネさんはマスターも一目置く酒の飲み手。川原さんの演技からも酒に対する尊敬や愛情を感じる」と話す。

 酒にまつわるエピソードを尋ねてみると、「ろくでもないことしかないですね。なぜなら、飲み始めて後半は記憶がないことが多いから」と冗談めかす。自身もこのドラマへの出演をきっかけに、自分には合わないと若い頃から敬遠し続けていたワインを飲むようになったという。

 「見どころは、酒が持つドラマと、現実のドラマが合わさって一つの作品に仕上げられていること。ほかにはないドラマです。今回も、すごくいいライブ感が出ていると思います」(文化部 玉崎栄次)

 〈かわはら・かずひさ〉昭和36年生まれ。福岡県出身。劇団ショーマの看板役者として多くの舞台に出演する一方、個性派俳優として「相棒」(テレビ朝日系)の伊丹刑事役などでテレビドラマや映画でも活躍する。主な出演作に「半沢直樹」(TBS系)、「陰陽師」(テレ朝系)など。