301日ぶり実戦のタイガー・ウッズ 「ダーティー」イメージ払拭のためにも“真の復活”待たれる 

スポーツ異聞
301日ぶりに実戦復帰したタイガー・ウッズ。真の復活への道のりは長い(AP)

 男子ゴルフで元世界ランキング1位のタイガー・ウッズ(41)は本格的に復帰を遂げたのか。米PGAなどの動画で、11月30日からバハマで4日間開催されたヒーロー・ワールド・チャレンジ(パー72)に301日ぶりに実戦復帰したタイガーのスイングを見た人は目を見張ったことだろう。

 上腕の筋肉が隆々と張ったタイガーが繰り出すスイングは全盛期を彷彿させるほどスピードに満ちた切れがあった。4度も腰にメスを入れたとは思えない。3日目に同組でラウンドした松山英樹(25)は2年前に回った時よりスイングが安定し、「腰の手術を4回している人じゃない」と驚きを隠さなかった。

 初日に5バーディー、2ボギーで8位発進すると、2日目には1イーグル、4バーディー、2ボギーで5位に浮上してみせた。今年4月の4度目の手術で脊椎固定を施されて痛みが「完全になくなった」と語っていたタイガーは2日目を終えて「手術が成功し、リハビリがうまくいった証し」と体調に問題ないと自信をのぞかせた。

 3日目は75と崩れたが、最終日は1イーグル、6バーディーを奪い、2日目に続いて前半を31の好スコアで回った。その一方で、後半は3バーディー、2ボギー、1ダブルボギーともたつき、“完全復活”にはもう少し時間が必要なのではと思わせた。

 通算79勝、メジャー大会14勝はともに歴代2位をマークするタイガーに憧れてゴルフを始めたプロは多い。昨季の米ツアー年間最優秀選手であるジャスティン・トーマス(24)もその1人で、タイガーの復帰をバスケットボールのスーパースター、マイケル・ジョーダン(54)の復帰になぞらえ、「まったく同じ。誰もできなかったことを成し遂げ、たくさんのファンを魅了してきた」と評価する。実際、米ツアーはタイガーがデビューした1998年以降、歩調を合わせように伸長し、賞金総額を増額していった。

 「金のガチョウ」と形容した米メディアがあったが、米PGAはホームページで今回の復帰を「高度に成功したカムバック」だと称賛した。このままタイガーが順調に復帰を遂げれば、来年のツアーでどれほどの経済効果を生み出すか期待は高いはずだ。

 米経済誌フォーブスが発表した2017年のスポーツ長者番付でタイガーはゴルフ界でジョーダン・スピース(24)に次ぐ2位にランクされた。腰痛でツアー出場がままならなかった中で、3700万ドル(約41億円)を稼いでいる。スポンサー契約などの収入である。現在、世界ランクが1199位まで降格したが、タイガーの“商品価値”が高いことを実証している。米メディアは最近、新たなスポンサー契約を結んだと報じている。

 一方で、タイガーはここ数年、腰などの故障だけでなく、私生活でも騒動を起こし、メディアを賑わせた。今年5月、自宅近くのフロリダ州で路上に止めた車の中で眠っていたのを発見され、飲酒または薬物を使用しながら運転した疑いで逮捕された。強力な麻薬性鎮痛薬など5種類の処方薬を摂取していたことが発覚。海外メディアによると、司法取引で1年間の保護観察処分、250ドル(約2万8000円)の罰金、50時間の社会奉仕活動などを科された。

 2009年末の不倫騒動によって聖人君子のイメージは崩れ、今回の事件でもうらぶれた写真が通信社を通じて世界に配信され、凋落ぶりが刷り込まれてしまった。

 ジャック・ニクラウス(77)の持つメジャー18勝、サム・スニード(1912~2002)が築いた82勝の歴代1位の記録を抜けるかが、負のイメージ払拭と真の復活のアピールに結び付くだろう。タイガーは「復帰したばかりだ。まだ先の道のりは長いけどね」と語っている。12月30日には42歳を迎える。果たして…。