遂に更迭された代表監督まで韓国サッカーを批判 「確実な目標とビジョンない」 

スポーツ異聞
成績不振で韓国代表監督を解任されたウリ・シュティーリケ氏。東亜日報とのインタビューで韓国サッカーの欠点を指摘した(AP)

 サッカーの韓国代表は苦難の末に2018年開催のワールドカップ(W杯)ロシア大会の出場権を獲得したが、最近4試合で2敗2分けと勝利がなく、サポーターからは「この実力でW杯に出るのが恥ずかしい」などと嘆きや酷評がやまない。すると、今度は成績不振で6月に更迭されたウリ・シュティーリケ前代表監督(62)が容赦ない苦言を呈した。韓国サッカー界の最大の問題として将来的なビジョンと明確な目標の欠如を指摘し、熱烈な待望論の出ている2002年日韓W杯で韓国を4強に導いたフース・ヒディンク元代表監督(70)が来ても「成功は難しい」と一刀両断した。

 東亜日報が10月28日、シュティーリケ氏との単独インタビューを掲載した。ロシアW杯アジア最終予選で、今年6月に行われた格下の中国に0-1で敗れると成績不振で更迭された。9月には中国スーパー・リーグ(1部)で降格圏内に低迷する天津泰達の監督に就任し、就任から4連勝で残留に成功させた。

 中国・天津で行われたインタビューで、シュティーリケ氏は韓国サッカーの最大の問題点として「確実な目標とビジョンがない」と主張し、「ドイツ代表は過去20年の間に監督はわずか3人だが、韓国は4年間で3回替わった。このような環境で働くのは難しい。忍耐が必要だが、韓国には忍耐がなかった」と説いた。

 また、韓国内で待望論の根強いヒディンク氏を招聘しても「成功は難しいだろう」と否定的に言及した。というのも、ヒディンク氏が代表監督時代には代表チームは毎日のように練習し、週末だけクラブでプレーした。今では欧州でプレーする選手が長時間の移動で韓国に戻り、2日程度の練習で試合に臨むため、戦術の浸透は容易でなく成功しないとしている。

 シュティーリケ氏は当初、攻撃的なサッカー哲学で臨んだが、韓国は守備中心の戦術を志向したとし、考え方の食い違いがあったとした。さらに1998年フランスW杯から代表に選出されている38歳の李東国がいまだに代表でプレーしている現状を挙げ、若いストライカーがいないことを「韓国の問題点」と強調した。よく組織されているが、創造性が不足し、自由を与えられると、どう活用するかが分かっていないと弱点も指摘した。韓国代表の普遍的な課題である得点力不足の核心を突く指摘に聞こえる。

 東亜日報が更迭されたシュティーリケ氏に取材した背景には、韓国内で今、韓国代表に対する不振が国民的に広がっているからだろう。9月に新監督に就任した申台龍(シン・テヨン)氏(48)はアジア最終予選2試合でスコアレスドロー。10月の欧州遠征でロシアに2分間でオウンゴール2発の2-4で敗れ、主力選手を外した“2軍”のモロッコに1-3で敗れた。最近の不振から国際サッカー連盟(FIFA)の国際ランキングは62位に低下し、格下とみなしていた中国(57位)を史上初めて下回り、国民の間の失望に拍車がかかった。

 中央日報によると、韓国-モロッコ戦の視聴率は6.6%に過ぎなかったという。横浜Mなどでプレーした経験を持つ安貞桓(アン・ジョンハン、41)はテレビ解説で「(W杯出場国で)韓国より劣るチームはないと思えばいい」と酷評したほどだ。

 東亜日報は、シュティーリケ氏の指摘がすべて正しいものではないとしながらも、長期的なロードマップ不足と薄い選手層の克服は以前から指摘されたものだとし、「それでもまだ韓国サッカーは変わらない」と焦燥感を募らせた。