大野拓朗 役作りのため大阪に引っ越し「それくらいこの役に懸けている」

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NHK「わろてんか」出演中の俳優、大野拓朗(撮影・早坂洋祐)

朝の連続テレビ小説「わろてんか」(月~土午前8時~ NHK総合)

 「将来の目標は、見てくれた人を笑顔にする役者になること。だから芸人役のオファーが来たとき、めっちゃうれしかったです」

 明治後期から第二次世界大戦後までの大阪を舞台に、吉本興業の創業者、吉本せいをモデルにした一代記「わろてんか」で、主人公夫婦を支え、いずれは昭和を代表する漫才師として大成するキースを演じる。

 キースは生粋の大阪弁のキャラクター。役作りの一環として、芸人の雰囲気を体に染みつかせ、大阪弁をマスターするため、撮影に備えてわざわざ自発的に大阪市に移り住んだ。「生まれも育ちも大学も東京なので、周囲にはびっくりされた。でも、それくらいこの役に懸けている」と意気込む。

 引っ越しにあたり、現地の不動産屋には「せっかくだから、大阪のディープな場所、ネタになるところに住みたい!」と伝え、ドラマに登場する芸人長屋のモデルになった地域に住んでいる。「大阪の人は撮影のために引っ越ししたというと、みんな喜んでくれる。いい人ばかり」だと笑う。

 大阪では、お笑いタレントのぼんちおさむら、吉本興業の芸人たちと親交を深める。

 「おさむ師匠の家でお好み焼きしたり、鍋をしたり、バーベキューをしたり、芸人の皆さんに大阪弁をダメ出しされたり…。本当、皆さん良い意味でおせっかいで心優しい。おかげで大阪弁がだいぶ上達しました」

 最近は撮影の合間をぬって独学でピアノを学びはじめた。

 「ミュージカルに出演したとき、音楽的素養が大事だと感じた。良い役者になりたいから、努力しないと」

 尊敬する俳優は北大路欣也。デビュー作品以降、何度か共演している。演技力など役者としての力量もさることながら、「2度目に共演したとき、自分の演技を『(初めて見たときから)短期間でこんなに成長できるんだね』とほめてくださったのがうれしかった。新人のことをちゃんと見て、認めてくれる器の大きさに感銘を受けた」と心酔する。

 役者として、今後は「性格や根性が悪い役にも挑戦したい」と話す。

 「でも、その前に『わろてんか』で毎朝、お茶の間に笑いを提供できるようにがんばります」(文化部 三宅 令)

 おおの・たくろう 昭和63年生まれ。東京都出身。平成22年に映画「インシテミル~7日間のデス・ゲーム~」で俳優デビュー。26年に「Let’s天才てれびくん」(NHKEテレ)などでレギュラー。27年にNHK大河ドラマ「花燃ゆ」、昨年はNHK連続テレビ小説「とと姉ちゃん」に出演。今年末からはミュージカル「池袋ウエストゲートパーク」で主役を務める。