勝てない韓国サッカー 中国にランクで史上初めて抜かれる体たらく 「恨」が炎上中

スポーツ異聞
韓国サッカー代表の申台龍監督。10月の欧州遠征でロシア戦では守備崩壊で敗れ、苦渋の表情を浮かべていた(AP)

 韓国文化は「恨(ハン)」文化とよく言われる。まさに現在、成績不振の韓国サッカー代表と、それを抜本的に改善できない韓国サッカー協会が「恨」の対象となっている。韓国メディアは体たらくな現状に対する“責任論”を強調し、「誰も責任を取らない」と怒りが収まらない。

 2018年6~7月に開催されるワールドカップ(W杯)ロシア大会に9大会連続で出場を決めた韓国代表だが、アジア最終予選で格下相手に敗戦してウリ・シュティーリケ前監督が更迭され、今年7月に申台龍監督が就任。攻撃的サッカーを信条とし、反転攻勢が期待されたが、残り2試合だったアジア最終予選でいずれもスコアレスドローの結果に終わり、韓国のサッカー・ファンを騒然とさせた。

 さらに拍車を掛けたのが、10月の欧州遠征だ。国際サッカー連盟(FIFA)ランキングで当時51位の韓国は同64位のロシアに2分間でオウンゴール2発と完全に守備が崩壊する形で2-4の敗戦。続くモロッコにも1-3で敗北した。

 これで申台龍監督が就任してから韓国代表の成績は2敗2分け。不甲斐ない結果に怒った熱狂的なファン5人が、韓国代表が帰国した10月15日に仁川国際空港へ詰め寄せた。そして、掲げたのが「韓国サッカーは死亡した」という過激な横断幕だった。現場は一時騒然となり、空港で予定された監督の会見は急遽中止され、ソウル市内のサッカー協会に場所を変更せざるを得なくなったと、中央日報、SBSテレビなど韓国メディアが一斉に報じた。

 このファンは(1)サッカー協会長と執行部の総辞職、さらにフース・ヒディンク氏(2002年日韓W杯で韓国を4強に導いた監督)の招聘(2)申台龍監督と技術委員長の辞任(3)文化体育館省のサッカー協会の監査-を要求した。空港に詰め掛けたのは5人だけだったが、約2000人の会員を要するサッカー・ファンの組織の一員という。他の会員もこの意見に賛同し、インターネットで追随しているという。

 ファンの希望、期待は見事に裏切られる形となり、「恨」を募らせたうえでの行動だろう。成績不振は国際ランキングに影響し、最近ランクで韓国は62位に下がり、57位となった中国に史上初めて抜かれ、「W杯に行くこと自体が恥ずかしい」などと韓国ネットユーザーは書き込み、「恥」を強調した。

 この状況を受けて、サッカー協会の鄭夢奎会長は10月19日に会見し、代表チームの不振などを謝罪。W杯までの代表チームの強化、コーチングスタッフの補強、協会組織の改編を約束した。

 世間の批判に真摯に対応した姿勢をうかがわせるが、中央日報は鄭夢奎会長が就任から4年で「期待は絶望に変わった」とし、弊害を説いた。鄭会長は1000億ウォン(約100億円)のサッカー協会の予算を2000億~3000億ウォン(約200億~300億ウォン)に拡大すると公約したが、実際は800億ウォンに減り、さらにスポンサーも減ったと指摘。代表とKリーグのテレビ中継を連携させる方針も、Kリーグの中継は地上波から減り、代表戦の視聴率も落ちているとした。A代表の競技力だけでなく、各年代の代表の成績も落ちているそうだ。

 サッカー協会が組織としてうまく機能していない結果と推測される。その一端として、韓国代表は11月に国際親善試合を2試合予定するが、中央日報は10月17日付で「日本は早くからベルギー、ブラジルとの強化試合を決めている。韓国はまだ何も決まっていない」と論評した。この6日後の10月23日に韓国協会は国際ランク13位コロンビア、38位セルビアとの対戦を発表した。

 就任3カ月で土俵際に追い込まれた感のある申台龍監督だが、10月15日の会見では「強化試合でうまくいって浮かれてW杯で全敗するより、今むちで打たれるほうがいい」などとし、「準備段階」を強調した。これぞ、根拠のない自信ではないだろうか。