25歳コーチと女子高生が創った“バブリー・ダンス”に世界も注目「バブル時代の音楽はカッコイイ」(akaneさんインタビュー動画あり)

 
大阪府立登美丘高校ダンス部 第10回日本高校ダンス部選手権で「バブリーダンス」を披露する府立登美丘高校ダンス部 =8月17日午後、横浜市のパシフィコ横浜(永田直也撮影)

 この夏に横浜で行われた高校ダンス部選手権(主催・産経新聞社ほか)の結果を英文ニュース・オピニオンサイト「JAPAN Forward」が動画を交えて紹介したところ、準優勝となった大阪府立登美丘(とみおか)高校(堺市)のバブリー・ダンスが米国の人気ネット・タレント番組から招待を受けるなど、世界が注目し始めた。バブリー・ダンスを考案したのは、25歳の同高ダンス部コーチ、akaneさんだ。JAPAN Forwardとのインタビューに応じ、どのようにバブリー・ダンスが誕生したのか、その“秘密”と将来の夢を語った。

(JAPAN Forward編集長 内藤泰朗)

 鮮やかな色彩の衣装にタイトスカートをはいた女子高生のダンサーたちがワンレングスのロングヘアをかき乱しながら踊る-。ダンスには、コミカルな振り付けやバブル時代を彷彿とさせる演出がちりばめられ、そのどぎつい化粧や表情に至るまでユーモアが満載。まるでコメディー・ショーを見ているようだ。

 アップテンポな荻野目洋子さん(48)のヒット曲「ダンシング・ヒーロー」にピタリと合った、切れのよい踊りは、見る者の目をくぎ付けにする。

 産経ニュースのダンス動画再生数はこれまでに400万回を超え、ダンスに使われた1980年代のヒット曲「ダンシング・ヒーロー」もいきなりビルボード・チャートの2位に入るなど、大きな反響を呼んでいる。

 さらに、JAPAN Forwardが英語でこの動画を発信したところ、「なんてクールなんだ」「こんなに楽しく、切れのいい踊りを見せてくれてありがとう」など、英語のほか、韓国語や中国語でも多くのコメントが寄せられた。JAPAN Forward編集部には、登美丘高校に出演依頼の橋渡しをしてほしいといった米人気エンタメ番組からの問い合わせも舞い込んだ。

 取材班が登美丘高校を訪ね、インタビューを開始、そんな海外からの反響を伝えると、akaneさんは、「エー、驚きとうれしさと、なんて言っていいか…」と信じられない様子。だが、「米国だと学校を休むことになり、とても出演するわけにはいかない」と残念そうに語った。

 そうしたインタビューの合間にも、国内のテレビ出演に向けて振り付けの映像を撮影するなど忙しい。この夏の選手権で準優勝となったのは、「悔しいけれど、(ダンスにはかつてない)大きな反響があり、結果的によかった」とさばさばとした様子だ。

 そのうえで、「私たちは、唯一無二の作品づくりを目指しています。去年は大阪のおばちゃん、一昨年はレオタードがテーマでした。常にオンリーワンの作品で観客を驚かせたいと思ってやっています。今回、皆さんを楽しませる作品ができたのは大きな収穫。来年、再来年は優勝を狙います」と笑った。

 そんなバブリー・ダンスはどのように生まれたのか-。「80年代の音楽がメチャクチャ好きで、かっこよく感じるんです。キラキラしているというか。インターネットもない時代に、よくこんな曲ができたなと思うんです」。

 80年代のバブル時代にはやっていた音楽はもちろん、化粧や髪形、しぐさから表情までネットで徹底的に研究した。人気お笑いタレント、平野ノラさんの芸などを参考に踊りを作り上げた。「タイトスカートにワンレングスで踊るのは本当に難しい。最初は、完成できるかどうか不安でした。でも、誰もやったことのないものをつくり出すのは非常に楽しい」と話す。

 ダンスを始めたのは、3歳のとき。保育園で楽しそうに踊るakaneさんの姿をみて、母親が大阪南部、岸和田のジャズダンス・スクールに通わせたのがきっかけだ。以来、ダンスを続け、登美丘高校でも活動。東京の体育大学でダンスを専攻する傍ら、母校のダンス部で振り付けを担当し、去年、一昨年と連続で、コーチとして母校を高校ダンス部日本一の栄冠に導いてきた。

 練習では、顔つきが変わる。「怖い顔になり、鬼のようになって怒る」こともある。だが、子供たちが部活をやめていかないのは、チームをつくるため、オンリー・ワンのダンスづくりをするため、怒っているということを、みんなが知っているからだ。

 「バブリー・ダンスはバブル時代を経験した私たちの親か、それより上の世代には懐かしく、バブルを経験したことがない若者には新鮮なのです。両方の世代にダンスを見てもらえたんだと思います」。バブリー・ダンスがヒットした理由を、akaneさんはこう説明した。

 今後については、「まだ、いろいろなアイデアがある」と微笑む。来年の選手権では、さらにパワーアップして「観客を驚かせ、楽しませたい」とやる気満々だ。「自分が、がんばってプロの振付師として活躍することが、後輩の高校生たちに夢を与えることになる」と強調した。

 2020年の東京オリンピック・パラリンピックには、世界の人々のまなざしが日本に注がれる。「日本で生まれたダンスを、ぜひ見てほしい。想像するだけでも楽しいですね。これが私たちにとってのスタートだと思っています」。

 創作意欲あふれる日本発オリジナル・ダンスの挑戦は始まっている。

     

 大阪府立登美丘高校ダンス部(TDC) 今年の高校ダンス部選手権全国大会では準優勝だったが、昨年、一昨年と二連覇を達成。「ダンスの強豪校」として知られる。同校のOGで、ダンス部コーチを務める振付師のakaneさんによると、現在90人を抱える部員は来年、100人以上になる予定だという。