韓国サッカー代表が「珍記録」 2分でオウンゴール2発 守備が完全崩壊 W杯への危機増大

スポーツ異聞
わずか2分でオウンゴール2発。韓国代表は守備の崩壊からロシア戦で失点を重ねた(ロイター)

 サッカーの韓国代表は10月8日に行われたロシア代表との国際親善試合で2-4で敗れた。2018年6~7月のワールドカップ(W杯)ロシア大会への出場決定後初めての試合で、ロシアW杯へ向けた本格的スタートを切る重要の試合だった。ところが、後半に2分間で2つのオウンゴールを拠出するという守備が崩壊する体たらくぶり。しかも「代表監督を引き受ける用意がある」と語っていた日韓W杯で韓国を4強に導いたフース・ヒディンク元監督(70)が自らの都合で役割を果たせないと断ったという。韓国協会は申台龍監督(47)の続投を明言するが、W杯へ危機感ばかりが膨張していく。

 韓国は今回の遠征で韓国プロサッカーリーグ・Kリーグの日程を考慮して全代表23人を海外組で編成。W杯アジア最終予選の終盤2試合でスコアレスドローだったことから攻撃面に重点を置いて臨んだ。代表を率いる申台龍監督の持ち味が「攻撃型サッカー」という点もあり、監督自らも会見で「サッカーは得点しなければいけない競技」と意欲をのぞかせた。中央日報はロシア戦の位置づけを「申台龍号の未来が懸かる」「競技力と結果が非常に重要となる」と指摘していた。

 国際サッカー連盟(FIFA)ランキングで51位の韓国は前半、同64位のロシアに対しカウンター気味にゴールの迫る場面はあった。ところが、シュートの精度を欠き、GKと1対1でもゴール枠を捉えきれない。相手GKの好守もあり、0-0で進んだ前半45分、守備の乱れを突かれた。ロシアの右CKで、ゴール正面に位置したロシア選手をフリーにし、頭で先制点を決められてしまう。

 後半に入ると10分、ロシアの右CKを相手選手と競りながらゴール前に入ったキム・ジュヨンが体に当ててオウンゴールしてしまった。今季から中国リーグの河北に所属するが、出場機会に恵まれていない。2014年から代表に選出されるが、16年は招集歴がない。すると、その1分後、左サイドを突破され、ゴール前へのスルーパスを阻止しようとキム・ジュヨンが左脚を伸ばしたが、ボールの進路を変える形となり、GKが反応しきれずにゴールに吸い込まれた。

 2分間で2オウンゴールに韓国民間通信社のニューシスは「珍記録」と揶揄し、韓国ネットユーザーは「(2-4の結果に対し)キム・ジュヨンが2ゴールを入れたので引き分け」などと皮肉る書き込みをした。申台龍監督も完敗の要因を2度のオウンゴールと決定力を欠く攻撃力に挙げていた。

 中央日報は「韓国代表の守備が完全に崩壊した」と批判。W杯まであと約8カ月で守備補強という宿題を抱え込んだと怒りが収まらない。しかし、同紙はロシア戦の直前で韓国代表に最も必要なのは「ゴール」だとも指摘した。決定力のない攻撃がファンの不評を買っており、ロシア戦で得点できなければ申台龍号は「奈落に落ちるかもしれない」とし、とにかく攻撃力を重視していた。

 もともと視点がずれた批評といえる。韓国はアジア最終予選10試合で11得点し、A組で1位。しかし、失点は10もあり、6チームのうち最下位だったカタールの15失点に次ぎ、5位の中国の10失点と並んでいた。自然と強化ポイントは攻撃ではなく守備なのが分かる。申台龍監督は「Kリーグの選手なしでチームを運営してみると、守備でしっかりした組織力を期待するのが難しかった」と釈明した。

 代表監督の資質を疑わせるコメントだが、韓国協会は代表監督を続投させる意向だ。というのも、代表監督を受けてもいいと突如表明したヒディンク氏が10月6日の韓国協会との会談で、ロシアW杯期間中に他の仕事を引き受けて韓国代表の公式の役割を実行できないことを明らかした。韓国メディアが一斉に報じた。放送の解説を引き受ける約束をしたと伝えられると中央日報は報じた。いかにも拍子抜け。

 申台龍監督の解任もささやかれると伝える一部のサッカー・メディアもある。実際、10月11日のモロッコとの親善試合では1-3で敗れ、2連敗。朝鮮日報は「『事実上の2軍』が出場したモロッコに敗戦」と嘆くしかなかった。

 ただ、申台龍路線で行く限り、残り時間で明確なサッカーを見せてくれなければ世論の力を受けられなくなり、W杯の準備で代表に大きな悪材料が作用する見通しになる-とニューシスが報じた論評が早くも的を射ることになりそうだ。