畑正憲 動物たちとの心の交流を科学的に解明

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畑正憲(ムツゴロウさん)(佐藤徳昭撮影)

「ムツゴロウのゆかいな動物図鑑「よ~しよし」の科学SP」(BSフジ30日午後7時)

 動物の話題になると、大きな黒縁眼鏡の奥の目尻が下がる。傘寿(80歳)を過ぎたが、「ムツゴロウさん」の愛称で親しまれてきた、その雰囲気は何一つ変わらない。

 昭和55年から平成13年にかけ、フジテレビ系で放送されたドキュメンタリー特番「ムツゴロウとゆかいな仲間たち」。草食動物から猛獣までさまざまな動物に「よーし、よしよし」と語りかけ、手で触れ、独特の距離感で触れ合うその姿は、多くの視聴者の記憶に残り続けている。

 「実はね、自分の手のひらには特別な能力があるんじゃないか。そう思っていたこともあったんですよ」

 確かに、ムツゴロウさんになでられると、動物たちは穏やかになり、なついてしまう。まるで“魔法”のように…。

 今回の特番では、ムツゴロウさんと動物たちとの心の交流を見つめ直し、その不思議を科学的に解明していく。

 「私の『よーし、よしよし』には、しっかりと科学的な根拠があるんですよ。動物の体をなでてやると、声を聞かせると、脳内にオキシトシンという物質が分泌される」

 ストレスを軽減して幸福感を高める効果があるといわれる物質だ。人間にも分泌され、近年では「幸せホルモン」「愛情ホルモン」などとも呼ばれ注目されている。

 番組では、過去に放送された映像をふんだんに使い、オキシトシンの力を“検証”していく。そこに登場するのは、ムツゴロウさんが愛した動物たちだ。北海道・嶮暮帰(けんぼっき)島のヒグマ「どんべえ」、アフリカ・ケニアのアフリカゾウ「エレナ」…。

 「僕のしてきたことは学問じゃない。学問なら例えば、ヒグマを5頭集めて比較する。でも、私は1頭の動物の心の中に突き進んでいった。命がけで生き物の中に入っていった。体力がなくなったから、野生のゾウの群れに突っ込んでいくなんてことは、もうできないけれどね…」

 今回の特番は集大成でもある。

 「一生をかけて追い求めてきたことなので、うれしい」

 だが、まだ不十分だという

 「僕が寝そべると、愛犬が体の上に乗ったままずっとリラックスしている。そのとき、僕の手がどう動いて、どこをなでているのか、分析してみたいな。第2弾でやりたいね」

 好奇心は尽きない。(文化部 玉嵜栄次)