さながら「離党届受理係」の民進・大島幹事長 階政調会長とのジミで無色なコンビで大丈夫か

岡田浩明の野党ウオッチ
民進党の前原誠司代表(中央)が幹事長に指名した大島敦氏(右)。自身も認めているように、全国的には無名に近い=9月5日午後、東京・永田町の民進党本部(斎藤良雄撮影)

 新執行部人事の失敗に続き「離党ドミノ」と出足からつまずいた前原誠司代表(55)率いる民進党執行部の陣容を眺めると、野党第一党として迫力不足は否めない。山尾志桜里元政調会長(43)の不倫疑惑で幹事長ポストが回ってきた大島敦幹事長(60)は自らを「地味」と評し、階猛政調会長(50)も存在感が薄い。大島、階両氏とも政治手腕は未知数で、権謀術数にたけたベテランぞろいの自民党執行部に対峙できるのか-。

 大島氏は長年、民間企業でサラリーマン生活を送り、平成12年の衆院選で埼玉6区から民主党(当時)公認で初当選した。当選6回だが、当選同期で過去の年金記録問題の追及で脚光を浴び「ミスター年金」として知られる長妻昭選対委員長(57)に比べて明らかに知名度は劣る。長妻氏が党東京都連会長になった都連会合で、大島氏は「長妻さんとは同期なんですけど、ほとんど無名な大島です」と自虐的に自己紹介をしたほどだ。

 大島氏の幹事長就任は今回の党代表選で前原氏陣営の選対本部長を務めた論功行賞という見方がある。大島氏は9月5日、記者団に「私はコツコツやっていくタイプ。発信力は前原代表が発信し、私は代表の下で党をしっかりとまとめていくのが仕事だ」と抱負を語った。

 「発信力」というキーワードが気になったのか、こう続けた。「『Who is 大島?』というのが今の時点。でも、こんな感じでいいかなと思っている」

 さらに「地味だけど、発信力がないけれど…」と自身を評する大島氏は、記者団から「縁の下幹事長か?」と問われ、「そんな感じ。あまり記事にならなくてすいません」と述べた。

 「籠に乗る人、担ぐ人、そのまた草鞋(わらじ)をつくる人」。偉い人もその下で支える人がいなければ成り立たないという意味の言葉も持ち出した大島氏。その上で自身について「草鞋をつくる人ですね。ずっと、そういう仕事だった。コツコツやることじゃないですか」

 民進党関係者は「地味な大島氏は目立ちたがり屋が多い民進党内で珍しい存在だ。階氏も地味だし、もっといえば小難しい話を小難しく話すタイプ。結局、実務能力の高い枝野幸男代表代行(53)が幹事長、政調会長を仕切る形になるのでは…」と分析する。

 そんな大島氏の幹事長としての最初の仕事は離党予備軍に対する慰留だった。「これからも一緒にやっていきたい」と翻意を促しても、党勢回復が見込めず、共産党との共闘路線の是非も明確にならない民進党に愛想を尽かした離党予備軍を翻意させることは難しかった。

 5日の幹事長就任から10日間余りで受け取った離党届は、山尾氏(7日)、鈴木義弘衆院議員(13日)、笠浩史、後藤祐一両衆院議員(15日)からの4通に達した。さながら「離党届受理係」の様相だ。

 さらに泥舟から離脱する離党騒ぎは収まっておらず、昨年9月に蓮舫参院議員(49)が党代表になった瞬間、党内で足の引っ張り合いが激化した「お家芸」は前原執行部も継承しているようだ。

 大島氏には、党勢を左右する場面が今後いくつも待ち受けている。まずは28日召集予定の臨時国会で働き方改革関連法案など与野党対決型の法案にどう向き合うのか。単なる時間稼ぎではなく提案型の国会論戦ができるのか。

 その先には、10月22日投開票の衆院トリプル補欠選挙が待ち構える。共産党と共闘路線を維持するのか、見直すのか。選挙を仕切る幹事長として手腕が問われる。

 相手は自民党の二階俊博幹事長(78)、当選11回の重鎮だ。偶然だが、二階、大島両幹事長が9月13日夜、都内で開かれた「演歌の復活」を後押しする超党派議員連盟の会合にそろって出席した。

 同席した自民党の河村建夫元官房長官は会合後、記者団に、与野党が対決する秋の臨時国会を前にこう語った。「互いにお手柔らかにという感じだった」 (政治部 岡田浩明)