「ギロチンマッチ」でW杯に滑り込んだサッカー韓国代表 胴上げフライング? 本戦は諦めムード

スポーツ異聞
韓国(左)はウズベキスタンとスコアレスドロー。辛うじてW杯出場権を手に入れた(AP)

 体たらくな試合内容に早くも本番は期待できないと非難の大合唱だ。9月5日に行われたサッカーの2018年ワールドカップ(W杯)アジア最終予選最終戦で、A組の韓国代表(世界ランキング49位)は敵地で格下のウズベキスタン(同64位)に0-0のスコアレスドローで2位を確保し、辛うじて本大会へ出場を決めた。韓国ファンはさぞや9大会連続出場を喜んでいると思いきや、最近2試合で無得点というぶざまな試合内容や、競争相手国の結果を待たずにフライングで胴上げしたことに「恥ずかしい」などと批判が渦巻いているというのだ。宿敵・日本に一足早く出場権を得られ「うらやましい」と嘆息。韓国メディアの中には来年6月の本戦を「快く期待するのは難しい」と諦めムードが漂っている。

 日本時間の9月6日午前0時に一斉にキックオフされたA組の最終戦。中央日報によると、韓国は前半、1本も有効なシュートがなかった。8月31日の本拠地でのイラン戦でゴール枠に飛んだシュートが0本で、総シュート数が5本に過ぎなかった。昨年10月のアウェーでのイラン戦でも枠内シュートが0本で、散々、韓国メディアをにぎわせたが、これだけ繰り返すとなると一過性の問題ではない。根本的な得点能力不足といえ、インターネットには成績不振で今年6月に解任された「ウリ・シュティーリケ前監督の責任ではない」という書き込みがなされた。

 後半になると、ウズベキスタンは疲労から足が止まり、韓国は持ち味の細かいパスが通りやすくなり、前半より好機を演出した。ところが、シュートに正確性を欠き、相手GKの好守やゴールポストに阻まれて、無得点に終わった。

 朝鮮日報は、勝ち点2差で迫るライバル、シリアがアウェー戦で「引き分けたのが幸運だった」と指摘した。韓国メディアは負けたら終わりの今回のウズベキスタン戦を「ギロチンマッチ」と物騒な名称で呼んでいた。つまり、負ければ刑場に連れられていくほど重要な試合ということだと中央日報は説いていた。それなのに、スコアレスドロー。韓国は今回の最終予選で5回のアウェー戦を消化したが、2分け3敗を喫し「ホームでしか勝てないチーム」という汚名をつけられることになったと朝鮮日報は伝えた。

 お粗末なおまけもついた。最終戦までもつれただけに勝敗に加え、得失点差という細かな条件が取り沙汰された。韓国は引き分けて勝ち点1を得て、総勝ち点を15にした。シリアがイランに勝てば同15で得失点差が問われる。引き分けならば同13で韓国の2位が確定する。

 果たして、シリアは前半、1-0と主導権を握った。だが、イランが前半終了間際に同点とすると、後半に勝ち越し点を決めて2-1で3分間のアディショナルタイムに突入。ところが、韓国メディアによると、先に試合を終えた韓国が2位を確保したと思い込み、申台龍監督を胴上げしたという。

 原因はコーチングスタッフの伝達ミスで、選手らはアディショナルタイムの状況を把握していなかったという。現地の通信事情が悪く、シリアが試合終了間際に2-2の同点に追いついたことが分からなかったそうだ。韓国メディアは「幸いなことに、シリアはもはやゴールを入れず、韓国が本大会に進出した。もし劇的なゴールが出ていたら、恥ずかしい状況が演出されるところだった」と、一つ間違えば世界的な恥をかくところだったと批判した。韓国の一部メディアは胴上げを本大会出場が確定した後に行われたとも伝えている。

 韓国では確定前という報道が流布し、それを受けてネット上では「だいたい1点も取れなくて胴上げとは何だ」と激しく憤り、「恥ずかしくないのか」との書き込みもあった。

 今年12月1日に本大会の組み合わせ抽選が行われる。本番まで9カ月。残された時間は長くないが、申台龍監督は「韓国がどのように強いかをロシアW杯で見せたい」と意気込みを語った。もともと申監督は攻撃サッカーが信条。ウズベキスタン戦の後半でチャンスをつくり、相手を圧倒したことで手応えをつかんだ様子だ。

 しかし、W杯切符を手にするため負けないサッカーをするにしても、就任2試合で無得点。これまではアジアでパワーを発揮していても、いざW杯本戦では過去8大会で6回も16強進出に失敗している。アジア最終予選でも11得点に対し10失点。カタールの15失点に次いで中国と並ぶA組ワースト2位。アウェーで勝てない“内弁慶”。9大会連続出場している国は国際サッカー連盟211カ国・地域のうち、ブラジル、ドイツ、イタリア、アルゼンチン、スペインといずれもW杯で優勝経験があるが、韓国の勝率の悪さが際立つ。

 韓国メディアには、韓国サッカーが一段階さらに飛躍するためには「安定」より「挑戦」が必要だという申監督の意見は正しいと背中を押す意見もある。

 しかし、韓国のサッカーファンはより現実的で「ロシアでは3戦全敗は避けてほしい」「実力もないのにW杯に行くなんて申し訳ない」など悲観的な書き込みがなされていた。