女子ゴルフのメジャー全制覇「コリアスラム」近い? 強い韓国系選手に舞台裏ではこんなことも…

スポーツ異聞

 米女子ゴルフツアーで「韓国旋風」が例年以上に吹き荒れている。今季のメジャー4試合で韓国系選手がすべて優勝。9月14日開幕の最終戦、エビアン選手権(フランス)を制すれば、1年間でメジャー大会全制覇を「グランドスラム」と表現するのに例え、韓国・東亜日報は「コリアスラムが完成される」と報じ、韓国人の自尊心をくすぐる。しかも、24戦を消化した時点で韓国系選手は14勝。今季は10試合も残し、2015年の15勝を上回るのはほぼ確実で、同紙は「新しい偉業の達成は時間の問題だ」と、いかに世界最高峰舞台で韓国選手が成功しているかを再評価した。

 韓国系選手は今季、3~4月に開催されたANAインスピレーションでユ・ソヨン(27)が優勝すると、全米女子プロ選手権で韓国系米国人、ダニエル・カン(24)がメジャー初優勝。7月の全米女子オープンでは韓国ツアーの賞金ランキングで2位の経験のあるパク・ソンヒョン(23)が初制覇。今季すでに2勝を挙げているキム・インキョン(29)が全英リコー女子オープンで勝った。

 2015年に開幕から韓国勢が6連勝した際、「まるでKLPGA」(朝鮮日報)、「なぜこのように強いのか」(中央日報)と韓国メディアが報じた状況に近い。

 宮里藍が2勝するエビアン選手権。13年にメジャー昇格して以降、最近3年でキム・ヒョージュ(22)、リディア・コ(20)、チョン・インジ(23)で韓国系選手が連覇。レマン湖を見下ろす風光明媚な山岳コースで、東亜日報は韓国内のゴルフ場に似ているために適応している強みを分析。メジャー大会すべてを席巻する「可能性は高い」と評した。

 韓国では、1998年の全米女子オープンを優勝するなど米ツアーで活躍する朴セリに触発されてゴルフが脚光を浴びた。家族ぐるみで米国に渡り、一家の期待を背負う選手は厳しい練習に耐えて、台頭するという構図が有名だ。最近でもこの構図に変わりはなく、13年にメジャー大会を3勝した朴仁妃の登場で、遠くに飛ばすのではなく正確なショット、パッティング、そしてメンタル面の強さで十分に戦えることを証明し、「韓国選手は自信をつかんだ」(中央日報)という。

 ところが、強さが突出すれば、出る杭は打たれるの論理で、自国保護策が出てくる。全米女子プロゴルフ協会(LPGA)は08年8月、外国人選手に対し英会話の口頭試験を実施することを表明。意思伝達する能力が十分でないと判断された場合はツアー資格を剥奪するとしたが、米国の人権団体が「人種差別」と訴訟を検討するなど社会問題化し、すぐに撤回する前代未聞の事態となった。台頭する韓国や台湾などアジア人選手への対抗策とみられた。

 物議を醸すといえば、LPGAは今年7月、女子選手のドレスコードを厳格化。胸元の開いたトップスや、スカートや短パンは常に下着が見えない長さでなければならないなどの服装規制を制定した。違反者には1回につき1000ドル(約11万円)の罰金が科され、違反累積で倍増される。

 韓国系米国人のミシェル・ウィー(27)が今年3月、まるで水着のようなユニホームでプレーし、話題をさらった。LPGAは微調整を重ねながら、ファッショントレンドの変化に対応していく方針だ。

 強い韓国選手の台頭ばかりによって、 ゴルフ市場は韓国や中国へと舞台を移し、東南アジアでの大会開催が徐々に増えている。やはり、結果がすべてのスポーツで評価を得るには勝つしかない。エビアン選手権の行方が注目される。