女王イ・ボミ、復活!! 280日ぶりに「久しぶりすぎる」 28歳最後の大会で完全優勝 

スポーツ異聞
CATレディースで280日ぶりの優勝。イ・ボミの笑顔がはじけた(高橋朋彦撮影) 

 今季の女子ゴルフで不振にあえいでいた、2年連続賞金女王のイ・ボミ(29、韓国)がようやく、初勝利を挙げた。

 神奈川県箱根町の大箱根CCで8月20日まで行われた国内ツアー、CATレディースで、“スマイル・キャンディー”ことイ・ボミが通算12アンダーで初日から首位を守る完全優勝。昨年11月の「伊藤園レディース」以来、280日ぶりのツアー通算21勝目を飾った。8月21日に29歳になったばかり。28歳最後の大会で復活を印象づけた。

 優勝賞金1080万円と優勝カップを手にしたブレザー姿のボミは「久しぶりすぎる優勝で頭が真っ白。この日を忘れない。一生記憶に残る優勝」とトレードマークの笑顔を振りまいた。この大会では恒例となっている副賞のショベルカーもゲット。さっそく乗り込んで、Vサインをするサービス精神を発揮した。

 CATレディースは3日間大会。18日の初日に、優勝した昨年6月の「アース・モンダミンカップ」以来、約1年2カ月ぶりの初日首位発進を果たすと、19日の2日目はボギーなしの3バーディーにまとめ、首位を堅持。20日の最終日は序盤で、大山志保にトップを明け渡したが、すぐに首位を奪回し、4バーディー、ボギーなしで69と伸ばした。

 悩めるボミを救ったのは、前週、日本女子プロゴルフ協会の樋口久子相談役(71)からもらった助言だった。前週のプロアマ戦で「バックスイングでの手の上げ方やウエートが右に乗らない」などの悩みを樋口相談役に打ち明けていた。

 樋口相談役からは「体の回転で手は後からついてくる。バックスイングを上げるときは右の腰を回し、ダウンスイングでは左の腰を速く回転させなさい」とアドバイスされた、という。

 この金言にボミは開眼。レジェンドの言葉に背中を押され、積極的なゴルフを思い出し、勇気を持ってピンを狙いに行けた。「樋口さんのお陰」と感謝しきりだった。

 今季は極度の不振に陥り、ここまで未勝利。3月の開幕戦「ダイキン・オーキッド・レディース」こそ3位だったが、CATレディース以前の国内ツアー17戦でトップ5に入ったのは、この1回だけ。トップ10以内も5回しかなく、予選落ちは3月の「アクサ・レディース」、5月の「ほけんの窓口レディース」、8月の「北海道meijiカップ」の3回も経験した。昨季までの絶対女王にはなかったことだ。

 関係者の話によると、どん底だったのは5月。「リゾートトラスト・レディース」で40位に終わり、韓国に一時帰国するため、関西空港へ向かう車の中で号泣。清水重憲キャディー(43)がこのまま日本に帰ってこないのでは、と不安がよぎったというほどだ。

 母国でリフレッシュできたのか、その後、日本に舞い戻ってきた。なかなか勝てない大会が続いたが、何とか這い上がった。

 今季は“セクシー・クイーン”ことアン・シネ、“スマイル・クイーン”ことキム・ハヌルといった韓流美女ゴルファーが話題を席巻。それでも、おじさん世代を中心に、根強いボミ・ファンが多数、存在。全国の居酒屋やゴルフ場などでは「ボミちゃん、どうしたんだろう」「何か悩み事でもあるのでは」と心配する声が上がったのではないか。そんな御仁をも、この1勝で、ホッとさせたに違いない。

 賞金女王争いは、すでに3勝しているハヌルが1億円の大台を突破し、1億180万1000円で首位を独走。8538万800円の鈴木愛が2位、7256万9000円のイ・ミニョン(韓国)が3位につけている。

 ボミは現在、3767万6800円で16位。高額賞金大会が今後残っており、ボミの実力なら逆転は不可能ではないはず。これからの逆襲に期待。また、とびきりのボミ・スマイルに癒やされたいものだ。(賞金などは8月27日現在)