豊洲無害化撤回「専門的・科学的で妥当な対策を講じる」

小池知事定例会見録
定例記者会見で質問に答える東京都の小池百合子知事=21日午後、都庁

 《21日午後2時から都庁会見室で》

【知事冒頭発言】

 「今日、私からご報告するポイントが4つございます。まず、来年度に向けていよいよシーズンが始まります。それは計画、それから予算、組織定数にかかる検討、そして調整を本格化させるというシーズンであります。そこで、このたび、これらの基本となる方針といたしまして、『人が生きる、人が輝く東京へ 重点政策方針2017』を策定いたしましたので、まずそのお知らせでございます」

 「まず、策定と位置づけでありますけれども、都は『2020年に向けた実行プラン』に掲げます3つのシティを実現するために、そして新しい東京を創り上げていくため、現在は全庁挙げまして積極的に施策を推進しているところでございます。この動きを一層加速化させて充実させる、それとともに喫緊の課題などを踏まえて重点的に取り組むべき分野について、全庁横断的に創意工夫を凝らして、そして政策を立案していくということが必要でございます。

そこで、私の目指す都政の要諦でございますけれども、人に焦点を当てた政策を大義と共感の下に展開していくことといたします。やはり、人の持つ活力こそが東京の課題を克服して持続的な成長をもたらすものである、これが全ての基礎となります。この観点から、この方針には人に着目をいたしまして、妊娠、出産、そして子育てなどのライフステージに応じた政策を重点的に展開していくことを示しております」

 「この方針でありますけれども、政策のベストミックスによります相乗効果を狙っていきたい。そのために4つの視点に立って、さらには、8つの戦略を示したところでございます。資料をご覧いただければおわかりだと思いますけど、まず戦略1では、『結婚・妊娠・出産・子育てへの切れ目ないサービス』を掲げておりまして、誰もが安心して子供を産み育てることができるまち、当たり前なんですけれども、これができる東京ということにする。そして、みんなで子育てを応援するまち、そういう東京を目指してまいります」

 「その政策の方向性といたしまして、結婚、出産を希望する人への支援などを示して、右下の欄には、『こんなこともあったらイイナ』と、さらに先を見据えたアイデアを掲載したところであります。方針の本文をお配りいたしておりますけれども、このパワーポイントでは、戦略2以降について、その概要を、ちょっとかいつまんで説明をさせていただきます」

 「戦略2でありますけれども、『利用者ファーストの視点に立った保育サービスの魅力と質の向上』といたしまして、利用者満足度の高い保育サービスの提供などを挙げまして、それから戦略3では、『介護サービスや保育サービスを提供する場の整備促進』として、既存のストックの有効活用ということを掲げております。戦略4では、『福祉サービスを支える意欲ある人材の確保・育成』といたしまして、働きやすい魅力ある職場づくりの支援などを述べておりまして、そして戦略5では、『支えられる社会から、誰もが元気に支え合う社会』を目指して、健康寿命の延伸、支え合いで高齢者の暮らしをサポートしていくことなどを挙げております」

 「それから戦略6と7では、格差と段差のないまち・東京といたしまして、『誰もが夢や希望を実現』、また、『まちや心のバリアフリー』などを掲げております。戦略8でありますが、『未来の東京・日本を支える人づくり』として、個を大切にした教育環境の整備、そして国際社会に相応しい人づくりなどを掲げております。これからは、これらの8つの戦略の実現に向けまして、全庁横断的に検討を進めます。そして政策化・予算化することによりまして、具体的な展開を図ってまいります」

 「この8つの戦略の8という数字ですけれども、これを横にしますと『∞』、無限大になると、かなり凝ったんですけれども。ということで、さまざまな視点から創意工夫を凝らした政策を展開するということで、東京が有している無限の可能性を引き出して、希望あふれる未来の東京を実現してまいります」

 「そして、次に、『2020年に向けた実行プランの政策のブラッシュアップ』についてお伝えをいたします。3つのシティを実現して、新しい東京を創り上げていくために、重点政策方針2017の下で、実行プランに掲げる政策を一層充実・洗練させていくことが必要ということで、その基本方針となります、改めて人に着目した戦略の重点的な政策化、政策目標の新規設定・上方修正など、5つのポイントから実行プランの政策にさらに磨きをかけていく段階に入ります」

 「次に、『平成30年度予算見積方針』についてお答えいたします。同時に、『平成30年度組織定数方針』でございます。予算の見積もり方針のポイントは3つございます。1つ目のポイントは、先ほどの8ではありませんが、東京の持つ無限の可能性を引き出す施策を積極展開をすること。それから2つ目のポイントは、ワイズスペンディングで、都民ファーストの視点に立った取組を推進する。3つ目が、東京2020大会の開催準備にかかる取組を着実かつ効果的に進めることであります」

 「メリハリのうちのメリの部分でありますけれども、これは客観的事実に基づくエビデンス・ベースによる評価ということを新たに実施することといたしました。このエビデンス・ベースによる評価とは、片仮名がまた並んで恐縮なのですけれども、これまでの政策立案では、都庁内の経験とか予測など、ある種、限られた情報に基づく分析、これがエピソード・ベースというもので、エビデンス・ベースというのとエピソード・ベースという、2つありまして、これまでがエピソード・ベースによる分析が行われて、それで計画途中で、事業費が大幅に増加するなどのケースがまま見られたわけです。豊洲の例なども、1つそれのケースかもしれません。最初、もしくは全く別のケースでも、最初は小さく産んで大きく育てるというか、まずは事業を始めて、そこからどんどん、いつの間にか増えてしまうといったようなことがままあるわけでございます。これは自治体のみならず、企業においても、時にはそういうこともあるわけでございます」

 「そこで、計画段階から、他の民間とか他の自治体との比較や分析をもっと強化していくということで、事業費の適正化を図っていくというのがエビデンスに基づいたもの、エビデンス・ベースによる分析ということになります。また、既存の施策についても、聖域を設けないでスクラップを徹底することで、ワイズスペンディングを一層推進してまいります。それによって、また予算を確保するということにもなります」

 「それから、最後に、30年度の組織定数についてでありますけれども、ここは創意工夫を行いまして、ただ人を増やせばいいというのではなくて、増員に依拠することなく、スクラップ・アンド・ビルドによる効率的な執行体制の構築を進めていくという考え方でございます。これら方針を述べさせていただきましたけれども、まず計画・予算・組織定数が一体となって、都庁全体としての総合力を発揮することによりまして、喫緊の課題の解決、それから成長に向けた政策を生み出して、積極果敢に展開をしていこうというものでございます」

 「かつて私、自民党内に『いい国勉強会』というのをつくって、『女性が暮らしやすい国はみんなにとっていい国だ』と言うので、そして女性政策をばっとまとめて、そのいくつかが今実施されているところでありますが、これは女性という観点で見て、さっきの結婚・出産・子育てという、こういう人を中心にしたものですよね。第二弾も考えていたのですけれども、それは今度は『男性が暮らしやすい国はみんなにとっていい国だ』にしよう。その次は、シニアにとって、その次、子供にとって、その次、障害者にとって、全部、人から見るということが重要じゃないかということで、『みんなにとっていい国だ』という、やたら長いテーマ、タイトルを、『女性が暮らしやすい国はみんなにとっていい国だ特命委員会』と、いいくに鎌倉幕府じゃないですけれども、そういうふうにしました」

 「これは何かと言うと、大体、役所でというか、それぞれ政策などの議論する部会なども全部、省庁の都合の縦割りになっているのです。厚労省とか国交省とか。だから、空き家問題と少子化対策としての空き家活用というと、これ、なかなかそうはうまく予算の取り合いとかもあって、現実にはうまくいかないことって多々あるのです。だから、『それは霞が関の都合でしょう』という話になって、だからこそ、人を中心にして考えると、そこでその人のライフステージで必要なことを考えていくというのが、本来の行政のあり方ではないかと私は常々思っております」

 「よって、今回、人ということを中心にして考えて、それによって全関連する局、全庁横断的でそうすることによって、例えば、こちらで同じようなことで予算を取って、こちらでまた似通った予算を取って、ダブってなどということは、しばしば起こることなんですが、むしろ人を中心に据えることによって、よりワイズスペンディングで、かつ、その人自身にとって、その家族にとって、むしろ有効な施策になるのではないか。そういう考え方がベースにあるということを、ちょっと頭に残しておいていただければと思います。ごめんなさい、最初がちょっと長うございましたけれども、これが1つ。詳細は、政策企画局、財務局、総務局にお聞きください」

 「それから次。島でありますけれども、島しょ地域でEVを活用するという案であります。前にお知らせしましたように、今、島しょ地域、私これまでもほぼ回ってまいりましたけれど、まだ残念ながら伺っていないところがございます。そこで、7月29日の土曜日に新島村を訪問いたします。新島村は新島そして式根島になるわけですけれども、島の景色、それから宝物を実際に私は宝探しに行って、島民の皆さんとの交流を深めていきたいと考えております」

 「それから、新島と八丈島。八丈島は例の天候によって最後行けなかった八丈島ですけれども、今回は、以前もお伝えしたと思いますが、島しょ地域における電気自動車普及モデル事業をいよいよ始めます。島しょ地域というのは自動車での移動距離が、島が小さいですからそもそも短い。それから、ガソリン代がこちらと比べまして、島部分は運賃が嵩む分、高いわけです。ということが特徴でございますので、ここはまさしく電気自動車にぴったりと。活用するメリットが大きいわけでございます」

 「そこで、導入のメリット、そして効果的な使い方の検証などを目的とした、二つのモデル事業を行うというご報告であります。

まず一つ目ですけれども、8月下旬に大島支庁新島出張所に庁有車として電気自動車を1台、試験導入いたします。日常業務で利用しながら、経済性や業務への支援の有無、その他、非常用電源としての活用などを検証するというのがございます。導入する電気自動車のイメージは、ご覧のとおりでございまして、庁有車としてだけでなくて、地域のイベントなどの際には島にお住まいの皆さんにも実際に体感していただく機会を設けたいと思ってます。デザインはサーフボードということになっております」

 「二つ目が、同じく電気自動車の普及に向けた実証実験でございまして、9月の下旬から八丈島で実施をするというものであります。今年度は、宿泊施設を拠点といたしまして、電気自動車3台のカーシェアリングを実施いたします。そして、宿泊施設の事業者、そして観光客など、多くの方に利用してもらって、電気自動車の使い勝手、経済性を検証していくというものであります。今後は、タクシーであるとかレンタカーなど、他の業種への実証実験を行いまして、電気自動車の安心感とお得感をわかりやすく提示をいたしまして、この島々におけます事業者への普及拡大につなげていきたいというものでございます。詳細は、総務局にお聞きください」

 「3番目が、これもお知らせでありますけれど、東京2020大会のガイドブックができたということでございます。これは組織委員会との共同で作成したものでございまして、大会概要をわかりやすく取りまとめております。競技や会場計画、パラリンピック、それから復興を後押しする取組とか、大会関連のイベント、ボランティアなどについて、幅広く紹介をしている冊子になります」

 「多くの方々に大会に関する理解を深めていただいて、大会関連イベントへの参加、そして競技の観戦、ボランティアなどの大会にかかわるきっかけとしていただければと考えております。これは、来週24日月曜日に都民広場で3年前イベントを開催するわけでありますけれども、それを皮切りといたしまして、大会関連イベントにご参加いただいた方々であるとか、都内や全国の自治体などに配布をしてまいります」

 「ここに書いてある内容ですけれども、大会準備の進捗に合わせて更新して、また充実させていくこととなります。まず、日本語版、それから英語版を作成しましたけれども、今後必要な他の言語も作成をしていくという考え方でございます。詳細は、オリンピック・パラリンピック準備局にお聞きください」

 「それから、最後に、日本橋の高速道路を地下化してしまうという取組でありまして、これは国と連携して行うものでございます。日本橋は言うまでもございません。大変歴史ある橋であります。そして、何よりも日本橋というのが五つの街道の起点として江戸の中心であったという場所であります。現在の橋ですけれども、これは1911年に建設されたもので、国の重要文化財になっております。この日本橋の上空に、64年の際の東京オリンピック開催に間に合わせるということで、都心部の交通の流れをよくするために、首都高がつくられているわけであります」

 「近年、老朽化が進む一方で、日本橋周辺の景観を損なっているという声も多く聞かれてまいりました。たしか小泉純一郎首相のときも、『この日本橋の首都高を取れ』ということを何か仰っていたのをいまだによく覚えております。そういう中で、これまでいろいろと、どうすればできるのかなどを精査をしてきたということと、それから、地域の方々との話なども進めてまいりましたけれども、こういう状況、こういう中で、平成26年6月の段階ですけれども、首都高速道路株式会社から日本橋周辺の区間を含めた更新計画が発表されて、また、昨年の平成28年の5月に日本橋周辺の三つの地区が国家戦略特区の都市再生プロジェクトに追加されておりまして、さらに、それに今度は国際金融都市、まさにスマートシティの実現に向けたまちづくり、これまでずっとそういう流れがあったということでございます。

この二つの取組、同時に進められようとしている、この地区の現在の状況でございますけれども、まちづくりと連携を図りながら、首都高の地下化を具体化するチャンスではないかと。そして、この機会を捉えて、東京都と国と首都高速道路株式会社、共同で周辺のまちづくりと連携をして、首都高の地下化に向けて取り組むことといたしまして、今後、具体的な計画案というのを検討してまいるというお知らせでございます」

 「首都高の地下化によりまして、国際金融都市にふさわしい品格のある都市景観の形成、それから、歴史、文化、さらには水辺を生かした日本橋の顔をつくっていくということ、また、沿道環境の改善など、さまざまな効果が期待できるものでございます。特に都といたしましては、日本橋周辺地域において、先ほど申し上げましたように、金融のビジネス交流拠点を形成するということに取り組んでおりますので、こうした取組をハード面からも後押しするものではないかと思います。都として、歴史と伝統のある日本橋地域にとってよりよい計画になりますように取り組むとともに、国にしっかりと支援もしていただいて、今朝ほどは石井国交大臣の方も、これについて会見されていると思います。そして、首都高速道路株式会社には知見や技術力を存分に発揮してもらうということで、一つのこの首都高の地下化ということを進めていきたい」

 「私、無電柱化もそうなのですけれども、いわゆる『見えない化』をしていく。これで日本橋が一層引き立つこととなるのではないかと思います。関係者が力を合わせて、100年後にも誇れる東京の姿を未来に残していきたいということでございます。つまり、情報等、都政は『見える化』をする。それから、インフラについては、できるだけ『見えない化』をするという、この真逆のようでありますけれども、これによって都政、そして東京都の価値を高めていきたい、このように考えている具体例でございます。詳細は、都市整備局にお聞きください。ということで、以上、私の方からのご報告で4点でございました」

 【質疑応答】

 --幹事社からは、先ほど開かれました豊洲市場の移転問題に関連して、関係局長会議が開かれました。そこでいくつかの新しい方針が示されました。無害化について方針転換だとは思うんが

 「この無害化でありますけれども、私はかねてより、害が無であるというのはなかなか難しいということをお伝えしてきたかと思いますが、これまでの都政においては、また都議会での答弁におきましては、無害化という言葉が使われ、また、環境基準ということについては、何度も答弁などでも盛られてきたところであります。しかしながら、まずは、環境基準を達成できていないという現状については真摯に受け止める必要があると、また、反省しなければならない点もあるかと思います」

 「その上で、まず、専門的・科学的で妥当な対策を講じるということ、それから、地下水管理システムの適切な運用で、中長期的に水質の改善を図るということ、それから、正確な情報発信を徹底して行っていくこと、この三つのポイントが必要なのではないかと思っております。新たな方針に基づいて、さまざまな対策を一つ一つきっちりと進めて、都民の皆さんの理解を得ていきたいと考えております。また、都議会も新しい構成にはなりましたけれども、都議会の皆さんに対しましても、この点については理解を求めていきたいと考えております」

 --ということは、専門家会議で認められた追加対策を完了すれば、豊洲市場は安全であるという考えか

 「まず、専門家会議で示された工法、まず、これをきっちりと進めていくということでございます。また、それに、専門家会議の方々にも工事後もきっちりと点検をしていただくということなど、皆さんの安心感を得られるために、しっかりとした専門的で科学的な、相応しい対策を講じていくということでございます」

 --続いて、豊洲市場の開場時期について。環状2号線の完成を平成32年3月末を目途としたが、完成させるためには、ここがデッドラインだという時期があるのか

 「まず、先ほども申し上げましたように、専門家会議の提言に基づいた追加工事など、必要なお金がかかります。その経費に関しての予算措置が必要。それから、契約の準備がございます。それから、関係各局が横の連携を密にして、これらのことを速やかに進めていくということで、移転に向けた環境を早期に整えてまいりたい。このことを今日は9局長会議で確認をしたわけでございます。今日の議論を踏まえまして、移転時期も、お尋ねの移転時期も含めて、市場関係者との調整は早急に本格化させていきたいと思っております。デッドライン云々の話ですけれども、市場関係者のご理解をしっかりと得られると、真摯に対応していくことによってご協力いただくと、それに尽きるのではないかと思っております」

 --「来年5月の連休を目標に」という話も出ていたが

 「工事をいつ始めるかによって、それはもちろん変わってまいります。5月云々の話は、物理的に可能な時期ということであって、実際には市場の関係者のご協力をいただかないとできないわけでございますので、それが独り歩きされても困ると思っています。ただ、早急に進めることによって、築地のあの土地を有効に活用する。また、道路の建設についても、どういう道路になるのかということは、それによって変わってくるということであります」

 --豊洲の賑わい施設の千客万来施設だが、事業者に説明を既にしたのか、これからであれば、どのような説明をするのか

 「千客万来施設については、豊洲地区に賑わいを創出するということで、今後も計画どおりお進めいただきたいと考えております。そして、この千客万来施設事業に対しましては、誠意を持って丁寧にご説明をして、理解を得るように指示をいたしているところでございます。これまで豊洲の安全性であるとか、それから、ここに至るまで、千客万来の皆さん方には、しっかり連携をとっていたかというと、その部分は薄かったと思います。反省すると同時に、また、しっかりとご説明をし、そしてまた、ご納得いただけるように努力を重ねたいと思っております」

 --千客万来との整合性を図りつつ、築地を食の拠点として、どう整備するのか

 「築地については、申すまでもなく、食のブランド力というのは世界に類のないものがあります。そこを生かしていくというのは、これは今後の築地の再開発の大きな核となるものでありますが、それだけではなくて、これから民間のアイデアをどんどん募ってまいります。それによって、よりさまざまな施設が考えられます。これについては、今後、食のブランド力をどう生かすか。フィッシャーマンズワーフなど、サンフランシスコにございますけれども、ちょうど水辺があって、そしてこちら側に浜離宮があってということでございますので、都心の一等地であることには変わりはございません。そして、むしろ民間からさまざまなアイデアをこれから募っていくということでございますが、その際は、千客万来施設の皆様方が、むしろ、それと相乗効果が出るぐらいの、そういった考え方を進めていく必要があろうと思っております。こっちができて、こっちがポシャるというような話にはならないように、むしろ、それを全体で引き上げていくということをしていきたいと思っています」

 --新国立競技場の建設現場で働いていた23歳の男性が、1カ月に200時間の時間外労働の後、失踪して自殺したという事案が起きた

 「はい。こうした事態が起きたこと自体、大変残念なことでございます。まだ23歳と伺っておりまして、お亡くなりになられた、この方のご冥福、心からお祈りをしたいと存じます。そして、新国立競技場の建設の主体は基本的にはJSCの方かと思いますけれども、これから都のさまざまな公共施設の建設が佳境に入って。佳境というか、これからまた進んでいくことになります。そして、既にもう工事に入っているところもあります。新国立以外のところ。改めて、労働条件で、労働環境がどのようになっているのか、現場の状況を確認をいたしまして、このような不幸な事態が起きないように、法令遵守の徹底を既に指示をしたところでございます。これによって、むしろ、これから都の関連する工事がますます増えてまいりますので、この不幸な出来事を念頭にしながら、類似のことがないように、注意を払っていきたいと考えております」

 --首都高の地下化について、は金額や、技術的な問題があるとされるが、どのように乗り越えてるのか

 「はい。首都高が重なっているところというのは、他にも多々ございますけれども、先ほど申し上げましたように、日本橋というのは、非常に歴史的にも、橋そのものの持ついろんな意味などを考えますと、そこを首都高が覆っているというのは、考えようによっては、全く歴史とか文化とか、それらを無視した形で、これまで利便性のみを追求してきた、言ってみれば、これまでのインフラの悪しきモデル。ここまで言ってはあれですかね。私とすれば、あまりイケてないモデルだったのではないかと思います。これまでも、事業費については、いろいろな提言書が出て、いろいろな数字が飛び交っているんですが、これから精査をいたしますが、結構複雑な工事になるのではないかということが予想されております」

 「併せて、費用分担ですけれども、国と首都高などの関係者との調整が必要ということになろうかと思います。一つ、これによって、将来的に、このまちづくりにしても、インフラにしても、先ほど、できるだけインフラも見えない化ということを申し上げましたけれども、そういったまちの景観ということなども含めて、今後の設計等々、まちづくりの設計というところで、大いなる刺激になればと思います」

 「ただ、これは、具体的な計画の策定と工事の実施を含めますと、大体10年から20年単位のビッグプロジェクトになります。これから線形とか構造などの技術的な検討を進めますと、その周辺のまちづくり計画に合わせて熟度を高めていくことになりますけれども、要はオリンピックには間に合わないということですけれども、東京都がこれからも持続可能なまちであり続けるための一つのメルクマールになるのではないかと思っております。いずれにしましても、事業費につきましては、できるだけコスト縮減をして、そして、かつ安全な工事であるといういくつかの要件を満たすような、そのことに対しての対応を求めていければと思っております」

 --時差ビズについて評価と課題など

 「はい。今回、キックオフということで、スタートの日から最後まで、いろいろ企業によっては物品を配布してくださって、盛り上げてくださってということで、これを一年中やってるわけにもいかないのですが、でも、時差ビズとは、基本的に一年中やるものだと思うのです。ですから、今回は盛り上げということで期限を切りましたけれども、期限にかかわらず、それをある種のライフサイクル、ライフスタイルにしていただければと思っています」

 「やはり皆さん、快適だということを体感なさると、これは続くものではないのかなと思っております。それから、今回、こういうのを、時差ビズであるとか快適通勤などと言うと、大体みんな、『そんなの無理だよ』とか、『できないよ』とか、『まあ、日本とは何てネガティブな国なんだろう』、『どうしてみんなもっと幸せになりたいと思わないのかしら』と、私はそちらの方が不思議でしようがないのです。クールビズのときも、みんな、耐え忍ぶことになり過ぎている国民の皆さんは大変だなと思っておりまして、ですからクールビズも、『今回、今年は何月何日から』と仰ったりするのだけれど、役所的にはやっぱりぴちっと決めたいところでしょうけれども、暑ければ取ればいいし、寒ければ何か工夫すればいいのになと思って、この時差ビズも、何か日本の意識改革そのものではないかなと思っています。だから、そのきっかけになるためには、良いスタートになったのではないかと思っております。年中やっていただきたいと思っています」

 --日本橋の件で費用分担についてはこれから精査するということだが、都も応分の負担はするということか

 「その辺りも含めて、3者で協議をしていきたいと思います。やはり都の重要な地域でもございますので、何らかの関わりが生じるものではないかと考えております」

 --時差ビズで鉄道側の取組等については、今後、どう都が働きかけていくか。来年以降、どういうふうに進めていく構想があるのか

 「今回も、鉄道会社11社の皆さんがご協力いただきました。最も効果的な時間に増便をしていただくという、具体的な協力をいただいたところもあります。それから、小田急に至っては、複々線にするとか、これはもう単に時差ビズに合わせるというよりは、どうやって快適にお客様をお乗せするかという発想だと思います。これからも鉄道会社の皆さんには、もう前から申し上げていますけれども、いろいろな技術革新も含めてご協力いただくことによって、本数を増やすとか、それから、もう1両増やすとか、それは各社の経営状態にもよるかと思いますけれども、是非鉄道会社のご協力を賜ればと思っております」

 「結局、動くパイが一緒であるならば、時間帯をずらしていくということは可能ではないかと思いますし、そのためにも、前も申し上げたように、例えばこの東京都が有しているいろいろな財産がありますけれども、その財産の一つがデータです。データによって、メトロとか、営団地下鉄とか、東京都が何らかの形で関与しているところについてのデータ、これをオープンデータにすることでアプリケーションができ、アプリが生まれていく可能性もあります。

既にもうあるかと思いますけれども、それによって、ナビもそうであります、車のナビもそうですけど、真っ赤なところがわーっと示されていたら、どうやって他の道を行くかというのは、人間というのは合理的に考えるものであります。ですから、余程その時間に行かなくてはいけないという職種などは別ですけれども、そうやって選べるような職種の方々には、それらの役所が提供するデータで、民間企業がそういうのを立ち上げて、そのアプリケーションの競争が起こって、そういうまたベンチャーが生まれていくというのは、私は良い流れにつながっていくのではないか。それを活用することによって快適な通勤ができていくというのは、理想的な流れになるのではないか」

 「この例が、先ほどもボリス・ジョンソンさん、前のロンドン市長であり、そして現在はイギリス外務大臣、彼との話も、いかにして自分自身、ロンドン市長として、「時差通勤ならぬ、オリンピックのときの大会に、『この期間はあまり都心に来ないでね』というのを、車内放送で自分でやったら効き目があり過ぎました」と仰っていました。いろいろな方法があると思いますけれども、とにかく満員電車から解放して、皆さんの生産性も上げる、そして会社に行くだけでへとへとになるというのは、もう高度成長時代の、そして大量生産、大量消費の昔の話にしていきたいと思っております。

もっと夏の怪談をすれば、人口が減っていくと乗る人が少なくなるという、もっと恐ろしい話が来ますので、それでは東京都は、持続可能ではないというふうになります。ですから、そういう受動的に、結果的にそうなりましたというのではなくて、むしろ積極的に、そういったITなども駆使した形で、知恵を絞って、そして皆さんが生産性を高めて、そして日本の競争力の高めるには東京都の競争力を高めることも重要ということ、そういう発想でいきたいと思っております。ありがとうございました」