錦織圭は「ツアーで最も壊れやすい選手」 仏有名スポーツ紙が衝撃の指摘

スポーツ異聞
ゲーリー・ウェバー・オープンを錦織は3年連続で棄権した(共同)

 テニスの四大大会、ウィンブルドン選手権(7月3日~16日、ロンドン)の前哨戦、ゲリー・ウェバー・オープン(ドイツ・ハレ)で、世界ランキング9位の錦織圭(27)は6月22日に行われたシングルス2回戦で、左臀部の痛みによって第1セットの途中で棄権した。芝コートのこの大会で3年連続の棄権となり、最近、錦織の棄権が多い印象をぬぐえない。仏有名スポーツ紙レ・キップは6月23日、錦織が過去10年の男子ツアーで24回も棄権しており「ツアーで最も壊れやすい選手」と報じた。米国人ジャーナリストもツイッターで錦織を批判したところ、気性が荒く暴れん坊として知られる豪州のニック・キリオス(22)がツイッターで擁護し、話題を呼んでいるという。(※7月6日にアップされた記事を再掲載しています)

 錦織にとって“鬼門”の大会なのか。ゲリー・ウェバー・オープンでは2015年に左ふくらはぎ痛、16年に左脇腹痛で棄権していた。今回も1回戦でなかなかエンジンがかからずフルセットの末で勝利。そして臨んだ2回戦。世界ランク38位のカレン・カチャノフ(21、ロシア)に対し第1セット、2-3とされた後にメディカルタイムアウトを取ってマッサージを受けた。しかし、自らがサーブ権の第6ゲームでプレーに力なく、棄権を申し入れたのだ。試合時間は34分だった。

 錦織は会見で、アンディ・マリー(30、英国)に1-3で敗れた全仏オープン準々決勝の疲れがあると推察しつつも、「芝というのも大きいのかもしれない」と自己分析した。テニスは瞬発系の動きを繰り返しながら長時間戦うスポーツだ。滑りやすい芝コートでは足腰で踏ん張らなくてはならない。しかもボールが弾まず、低く窮屈な体勢で強烈なストロークを打たなければならない。下半身に負荷がかかる状況だ。錦織は第5ゲームで体をひねる感じになって痛めたようだと推測し、対策として「トレーニングを積んでいくしかない」と正攻法の強化を強調した。

 180センチでも小柄と言われる男子ツアーで、178センチの錦織は文字通り小柄となる。豊富な運動量と粘り強いストロークで世界ランキング4位まで上り詰めた錦織だけに身体のどこかに負荷が掛かるのは否めないところだ。そのためなのか、プロデビューした07年以降、膝や腰、背中、手首など故障が多く、棄権がないのが07年だけ。今年もゲリー・ウェバー・オープンのほかにスペインのマドリード・オープンで棄権した。

 ゲリー・ウェバー・オープンの棄権を受けて、錦織は「2回戦でタオルを投げざるを得なかった」と報じたのがレ・キップである。同紙は男子ツアーのトップ10の中で「錦織は棄権の割合がはるかに高い」と伝え、棄権回数とシーズン平均のデータを提示した。

 それによると、過去10年で錦織は棄権が24回に及び、トップ。次いでツアー通算16勝のリシャール・ガスケ(31、フランス)の22回、通算6勝のガエル・モンフィス(30、フランス)の21回、08年全豪準優勝のショーウィルフリード・ツォンガ(32、フランス)の17回と続く。

 シーズン平均でも錦織は2.2回で、2位のドミニク・ティエム(23、豪州)の1.6回をはるかに上回り、断トツとなっている。

 錦織のゲリー・ウェバー・オープンの棄権を受けて、インターネットのテニス・ニュースサイト「tennis365.net」によると、米国人ジャーナリストがツイッターで3年連続の棄権を受けて「錦織はとてつもなく痛みに弱いと疑ってもいいんじゃないか」と投稿したという。

 すると、試合中に審判に暴言を吐くなど「悪童」と称されるキリオスがツイッターに「あなたが痛みに弱いかなんて言える立場に一切ないと思うけど。アスリートじゃないだろ」と錦織を擁護するつぶやきを投稿したという。母がマレーシア人のキリオスにとって、アジア系の錦織が隆盛な欧州選手に伍して健闘していることにシンパシーを感じ、錦織に対し何かと紳士的な態度を取るのではないかと類推するインターネットサイトもあった。

 今年12月には28歳を迎える錦織。過酷なトレーニングによって故障しにくい身体をつくるのが難しくなってくるのではないか。とはいえ、日本選手としてまだまだコートで躍動する錦織の雄姿を期待したいところだ。