デザインを想像させるものまで許さない韓国の「旭日旗狩り」 世界で有名・高名な軍艦旗への嫉妬ではないか

野口裕之の軍事情勢
海上自衛隊の護衛艦艦尾に翻る自衛艦旗(旭日旗)

 「パラノイア(被害妄想・偏執狂)状態にある」(※5月22日にアップされた記事を再掲載しています) 

 「正気に戻すことが大事だ」

 米国の安全保障を背負う2人の重要人物の発言に驚いた。間違いだらけの対日歴史認識を抱き続け「加筆」を止められないとはいえ、いくらなんでも、軍事同盟を締結する韓国をここまで罵倒しなくても…と思ったら、勘違いであった。

 「パラノイア(被害妄想・偏執狂)」発言はニッキー・ヘイリー米国連大使、「正気に戻す」発言は来日した米太平洋軍司令官のハリス・B・ハリス・ジュニア海軍大将による、核・ミサイル開発成功へのばく進をやめない北朝鮮・朝鮮労働党の金正恩委員長に対する「診断」と「処方箋」であった。

 小生を勘違いへと導いた原因は、政権交代が行われた韓国の混乱振りが頭に刷り込まれていたためだろう。例えば、朴槿恵前政権が文在寅現政権に引き継ぐ資料が、大統領府にほとんど残っていなかった事態。朴政権は1100万件超の大統領関係記録を作成したが、大半が今月9日の大統領選までに国家記録院に移管。大統領記録物に指定されれば最長30年間、原則閲覧が不可能になる。文政権が責任追及の対象にしたい資料の多くが含まれているようだ。

 ああ…、と思う。慰安婦問題に関する朴前政権との間で結ばれた《日韓合意=2015年》の運命も、韓国の引き継ぎ資料のごとく雲散霧消するのであろう。《最終的かつ不可逆的》な解決を確認したはずの日韓合意に、現在の文大統領は選挙キャンペーン以降、見直しを主張、または示唆してきた。が、政権が交代しようとも国家自体は存続し、厳守すべき国際公約が存在する。しかし、韓国は国内外の混乱・不信に鈍感で、政権交代が内政・外交の断裂を誘発してしまう。

 「韓国政府の公式資料の埋葬」は過去にも“実績”がある。朝鮮戦争(1950~53年)時、韓国軍に自国女性の慰安婦を配属させ、派兵したベトナム戦争(1975年終結)では強姦・殺戮に飽き足らず、現地女性を集めて韓国兵向けの慰安所を開設した歴史を封印。代わりに、「日本軍が犯した従軍慰安婦の強制連行」という虚構を、国内外で言いふらしている。ウソを言いふらしている内に、何が真実かを見失い、「パラノイア=被害妄想」に陥る。結果、ソウルの日本大使館前や釜山の日本領事館前に慰安婦像を設置する。被害妄想は膨張に膨張を続け、間もなく「正気」を失い、病的「偏執」の塊と化し、国際法も視野に入らなくなる。

 そもそも、大使館・総領事館前の慰安婦像設置と支持者の集会は、接受国は、外国公館の《安寧の妨害又は威厳の侵害を防止するため適当なすべての措置を執る特別の責務を有す》とするウィーン条約の複数カ所に違反する。

ナイキやMジョーダンにまで矛先が…

 無礼千万は「地上の日本大使館」にとどまらない。「海上の日本大使館」たる海上自衛隊の護衛艦=旭日旗に対する欠礼は、国際法&国際慣行を踏みにじる極めて野蛮な作法だ。

 折しも、アジア・サッカー連盟(AFC)は、韓国での試合(4月)で、サポーターが《旭日旗》を掲げた行為を規定違反の「差別」に当たると問題視し、J1川崎フロンターレに厳しい処分を下した。誤った認識に基づく、不当な処分だが、韓国が仕掛ける国際社会でのデマ流布に影響された側面があったとすれば、国際社会に向けた反論や「秘密の暴露」について、わが国の努力はまったく足りない、ということになる。

 小欄で旭日旗にまつわる「輝かしい歴史」と「不動の国際上の地位」を説明し、名誉を回復しておく。

 まずは、韓国の反日分子に耳より情報を通報したい。米政府に抗議をしてはいかが? 標的は、かつて米空軍の大統領専用機エアフォースワンのカラーリングを手掛けた著名な工業デザイナー、レイモンド・ローウィ(1893~1986年)。ローウィは日本のビールメーカーの依頼で、大日本帝國海軍の軍艦旗=旭日旗を想起させるラベルをつくった、反日韓国人にとっては許し難き著名人だ。

 それにしても、売れ筋バスケットシューズ《エア・ジョーダン》の新作の靴底に“旭日旗的デザイン”があしらわれただけで激高するお国柄には唖然とさせられる。製造元の米ナイキ社長を含む役員8人と、あろうことかバッシュのコラボレーション相手でバスケットの神様とあがめられるマイケル・ジョーダン氏に対する抗議書簡を昨春送ったほど旭日旗がお嫌いなのだ。

 ナイキ社長やジョーダン氏は「???」だったに違いない。靴底にまで目を光らせ、販売中止に追い込める精神構造は不気味。しかもズレている。仮に靴底のデザインを“旭日旗”と認定するのなら、後述するが、主権と言っても過言ではない旭日旗を踏んづける無礼千万な所業であり、反日韓国人にとり喝采すべき事態ではないか。

 “旭日旗的デザイン”を発見すると感情が制御不能になるのなら、ホンモノの旭日旗を、しかも帝國海軍の末裔・海上自衛隊の護衛艦が掲揚していれば…。朝鮮半島危機が日に日に現実味を増す中、3万8000人もの在韓邦人の救出・保護・輸送は、想像するだけで恐ろしい。

 恐ろしいのは北朝鮮ばかりではない。韓国では自衛隊の入国を、反日的国民の顔色をうかがう韓国政府が拒否する可能性が高い。そればかりか、自衛隊に代わり米軍が救出・誘導した邦人を日本に輸送すべく出動する航空自衛隊機や海自艦の着陸・接岸さえ許可せぬ懸念も残る。韓国政府は、旭日旗を掲げた海自艦が釜山港に入る雄姿を想像し、今から戦々恐々としていることだろう。

 現に2016年初夏、海上自衛隊が潜水艦救難母艦と練習潜水艦を派遣した、韓国海軍主催の《西太平洋潜水艦救難訓練=パシフィック・リーチ》では、閉会式をめぐり、にわかには信じられぬ事態が起こった。韓国メディアの旭日旗批判に屈した韓国政府は、閉会式会場に指定していた済州島入港を中止し、別の軍港への回航を求めたのである。

 実のところ、日韓2国間共同訓練は公表ベース上、2015年秋以来途絶えているが、海賊対処訓練や捜索・救難訓練は一定の頻度で継続中。「洋上で関係者以外に目に触れぬのを幸い、韓国海軍の要望で公表していない」(防衛省筋)のが真相だ。

 西太平洋潜水艦救難訓練には大東亜戦争(1941~45年)で、日本と戦った米国や豪州の海軍も参加したが、敵だった米豪海軍が旭日旗に敬意を払い、日本だった韓国が旭日旗を侮辱する構図は、珍妙と言うほかない。

旭日旗に敬意を払わなければならぬ理由

 旭日旗に米豪海軍が敬意を払うのは当然だ。もともと、旭日旗は帝國海軍の軍艦旗=十六条旭日旗で、海上自衛隊の自衛艦旗として引き継がれた。軍艦は国家の延長とされ、国外にあっては不可侵権など大使館と同様の特権を持つ。大きな権能を有する軍艦の証が軍艦旗だ。国際法上は軍艦たる海自艦も当然、軍艦旗=自衛艦旗を掲げる義務を負う。軍艦に行き会った民間船は揚げる国旗を少し下げ元の位置に戻す、敬礼をせねばならぬ海の慣行もある。

 領海では各国の警察権が及ぶが、公海では伝統的に軍艦が“警察権”を担保してきた。この役割への敬意の表明だ。軍艦側も、敬礼を受けると同時に軍艦旗を少し下げて答礼する。軍艦同士も同様で、指揮官の階級の上下で敬礼のタイミングを計るのが互いに難しい。遅れや欠礼があれば艦は無論、所属海軍の体面にも傷が付く。軍艦旗とはかくも大きな権威を内包する。

 従って、ナイキ・バッシュの「靴底のスミを突く」反日韓国人の言動は逆。文字通り「主権を踏みにじる快挙」と喜ぶべきだ。なのに、バッシュ・クレーマーの首魁・韓国の女子大教授は、こう主張する。

 「旭日旗は軍国主義のシンボル」

 「日本の戦犯旗」

 「ナチスのハーケンクロイツ同様、戦争と侵略を表現する」

 教授は、反日活動を生業の一つとするのに国際法や歴史のお勉強が足りぬようだ。ここで説教を垂れてもよいが、国際オリンピック委員会(IOC)や国際サッカー連盟(FIFA)は事実上、旭日旗=日本の軍国主義といった韓国の主張を否定。《政治表現を禁止する規定には背かない》と公認している現実が全て。

 ところが韓国は「旭日旗狩り」を展開する。バッシュの靴底でも明らかだが、目の付け所は常人の及ぶところではない。何と、歴史的建造物のステンドグラスの中にも「軍国主義の亡霊」を妄想する。

 在米韓国人団体が2014年、米ペンシルベニア大学・芸術文化研究棟の学生食堂にあるステンドグラスの即時撤去を学長に要求した。棟が建てられた1928年ごろにはめ込まれたステンドグラスは、赤い太陽から扇の骨のごときシマ模様が延びているのだとか。韓国人学生がフェースブックに写真を掲載したのが発端だった。他に▽旭日旗の戦犯性認識▽「事件」に関する個人・団体への教育▽外部への要求受諾表明-を求めた。在米韓国人団体の会長は「知性が生まれる場に戦犯旗のデザインが飾られたのは衝撃」と述べている。

 ことほど左様に、韓国側は旭日旗自体に加え「デザインを想像させる」だけで腕まくりする。サッカー・体操の日本チーム向けユニホームやサポーターの応援旗のみに限ってもいない。以下に挙げる、つるし上げられた人物や組織・企業は当初「???」 次いで執拗さにゾッとしたと思う。

 ニューヨーク近代美術館展示の芸術作品▽韓国アイドルグループの東日本大震災向けチャリティーTシャツ▽日本のアイドルが発信したツイッター上のデザイン▽英ロックバンドのプロモーションビデオ▽米ミュージシャンのコンサート映像▽英企業のロゴ▽ニュージーランド企業のチョコレート広告▽イタリア製スマートフォンケース▽カナダ人総合格闘家の道着…

究極の意匠&知名度を備える旭日旗

 並べてみて見えてきた。90年も前にペンシルベニア大学のステンドグラスを手掛けた工芸作家や、著名な工業デザイナーのローウィと同様、世界中の研ぎ澄まされた感性が、きらびやかで、雄雄しい、動かしがたいライジングサンの芸術性に魅せられたのだ。 

 神社仏閣や観光地で、旭日旗をプリントしたTシャツで自己主張する外国人はすっかり日常の光景で《ライジングサン=昇る朝日》の知名度は群を抜く。「めでたさ」などの意味も有ると知れば、世界の旭日旗ファンは一層魅せられるはず。

 実際、帝國海軍の軍艦旗を、海上自衛隊が自衛艦旗として受け継ぎ、今も海自艦艇にへんぽんとひるがえっているいきさつは、旭日旗がいかに究極の意匠かを物語る。

 1954年の防衛庁・自衛隊創設前、旗章も全面的に見直される方向となった。まず海上自衛隊の前身・保安庁警備隊内で広く意見を集め、図案を募集した。学者や画家の意見も聴いたが、軍艦旗復活が大勢だった。

 一方で、戦後の左翼・情緒的反軍=平和の風潮が、復活を許さぬのでは、との危惧も浮上した。そこで▽直線的▽単色▽一目瞭然▽すっきり▽一見して士気を高揚▽海上部隊を象徴するに十分▽海上における視認の高さ-を条件に、新たな旗を考案する方針にいたる。

 方針を受け、東京藝術大学の意見を聴くと「軍艦旗は最上のもの。国旗との関連、色彩の単純鮮明、海の色との調和、士気の高揚など、全条件を満たしている」との回答を得る。

 図案研究は続き、米内穂豊(よないすいほう)画伯(1893~1970年)に図案作成を依頼した。画伯は悩み抜いた末「20枚ほど案を描いたが、どうしても自分の意に満たない。軍艦旗の寸法があれば参考にしたい」と要請。数日後、画伯は重大な結論を口にした。

 「軍艦旗は黄金分割による形状、日章の大きさ、位置光線の配合など実に素晴らしく、これ以上の図案は考えようがない。それで、軍艦旗そのままの寸法で図案を1枚描き上げた。お気に召さなければご辞退いたします。ご迷惑をおかけして済みませんが、画家としての良心が許しませんので」

 黄金分割とは、小部分の大部分に対する比を、大部分の全部に対する比に等しくなるべく分割する技法。ほぼ1対1.618。長方形は縦横の関係がこの比になるとき美観を与える。 

 “画伯の作品”は最終検討を経て庁議にかけられた。前述した予備的な意見聴取段階と同じに、庁議でもデザインではなく▽帝國海軍との関係▽創設する海上自衛隊への影響▽国民感情-などが焦点となる。結局、保安庁長官は裁可したが、もう一つハードルが。主がいない軍艦旗を惜しみ、日本外洋帆走協会(現・日本セーリング連盟)が国籍旗として正式に国際登録していた。防衛庁では協会に掛け合い、快くデザインを譲ってもらう。

 小生は、旭日旗や“旭日旗的デザイン”を前にすると発症する韓国の発作原因の一つを「ないものネダリの裏返し」とみる。無敵だった大英帝國海軍を撃破し、米海軍と互角の死闘を演じた帝國海軍や海上自衛隊を象徴する旭日旗はどこまでもきらびやかで雄雄しく、海に映え、世界で最も有名・高名な軍艦旗だと「公認」される。完全無比・完全無欠の旭日旗に比べ、韓国海軍の軍艦旗を知る人は、世界にどれだけいるだろう。日韓の軍艦旗は格も歴史も違う。哀れ、有名ブランドへの嫉妬なのである。

 自衛艦旗を承認した当時の吉田茂首相(1878~1967年)の言葉を、反日韓国人に贈る。説明を終始和やかに聞いた吉田は、こう語った。

 「世界中でこの旗を知らぬ国はない。どこの海にあっても日本の艦であることが一目瞭然で実に結構だ」

 韓国の大統領では絶対不可能な発言。こういう言い回しが、反日韓国人には一番シャクに障るのかもしれない。