「80点以上の合格点」に挑み続けるカローラ 日本品質を世界に広める〝伝道師”

カローラ半世紀(上)
1966年に発売された初代カローラ

 トヨタ自動車の「カローラ」が、20日に初代の発売発表から50年の節目を迎える。価格や維持費が手ごろで、なおかつ品質が高く、あらゆる面で「80点以上の合格点」に挑み続けた日本を代表する大衆車だ。世界累計販売は約4400万台にのぼり、トヨタの年間世界販売台数の4倍を数える。その存在は、今も日本製自動車の技術や品質の高さを世界に広める“伝道師”の役割を担い続けている。

 「ありがとうカローラ 生誕50年祭」

 全国的に久しぶりの晴天に恵まれた週末となった15、16日。全国のカローラ店の多くで50年を祝うキャンペーンが開かれ、日本における乗用車の普及と、トヨタ販売会社の業績に貢献してきた牽引役の功績をたたえる声が絶え間なく続いた。

 それもそのはず。昭和41年生まれのカローラは、過去49年間で36回もの国内年間販売首位という“金字塔”を打ち立てているからだ。

 しかも、50歳を迎える今もなお、年間販売ベストテンの常連となっている。現行モデル(11代目)の投入から4年が経過したにもかかわらず、平成28年度上期の車名別販売台数(軽自動車含む)は約4万2千台で、10位に食い込んでいる。

 半世紀を経ても支持を失わない理由について、11代目の開発担当を務めた安井慎一常務理事は「ブランドとして積み上げてきた安心感が背景にある」とみる。

 乗り心地や操作性などすべての面で落第点を出さない-。半世紀前から一貫して変わらぬ開発理念「80点主義プラスアルファ」の体現が、ブランド力につながっているというわけだ。

 その思想は初代から具現化されていた。エンジンには当時ライバルだった日産自動車の「サニー」より一回り大きい排気量1100ccの余裕あるタイプを載せた。また欧州車のように運転席横の床にレバーを配置し、軽量・省スペースなサスペンションを導入するなど、当時の先端技術を随所に取り込んだ。

 最新のクルマをサラリーマンの手が届く価格で提供するというコンセプトは、代々の開発陣に引き継がれた。初代以降も時代の要請に応じて排ガス規制や燃費性能向上に取り組んだ。ニーズに応じた派生車も多数そろえ、クーペ「レビン」などの名車も輩出した。

 積み重ねた歴史と伝統がブランドを鍛え「一度カローラブランドを買った人の多くが良さを知り、買い替えの際にも指名買いし、販売が増えていく」(3代目開発担当の佐々木紫郎氏)という好循環を生んだ。

 強みを磨き続けたカローラは、大衆車としての地位を不動のものとし、半世紀にわたりブランドを守った。次回は次代に向けた戦略を探る。