熊本地震で懸念されるのはピース・ボートなど左翼団体の暗躍です

杉田水脈のなでしこリポート(4)

 4月14日に発生した熊本の震災で犠牲になられた方のご冥福をお祈りするとともに、被災者の方々に心からお見舞い申し上げます。

 私が27歳の時に阪神淡路大震災がありました。神戸の実家は全壊。すでに結婚して大阪に住んでいましたが、西宮市入所2年目で、未曽有の大被害を前に途方にくれたことを思い出します。

 それでも当時はまだ若かったので、文字通り「不眠不休」で働きました。お役所のやることはよく「前例踏襲」「横並び」といわれますが、踏襲する前例もなく、他県他市も経験したこともない事態。ベテランから若手まで、状況を見て現場で即判断、即行動、その繰り返しです。

 判断基準は「目の前の被災者の方にとって何が一番か?」。当然、責任は自分で撮る覚悟で腹を括らないといけません。のちにこの時の「心の葛藤」の事例を広く集め、神戸市の職員と京都大学のコラボレーションによって「クロス・ロード」というゲームが開発されました。現在、地域の防災意識を喚起するために全国で活用されています。

 また、この時に初めて、自衛隊の皆さんの活躍を間近に見ることができました。兵庫県知事からの支援要請が遅れたことと、当時はまだ自衛隊の車両は国道しか通行できないなど、動きに制限があった中でも彼らの働きは素晴らしかったです。救援物資を運ぶのも炊き出しを行うのも慣れた手つきでてきぱきと行われます。いつ起こるかわからない自然災害に備えて、自衛隊の皆さんは普段からいったいどれだけの鍛錬を積んでいらっしゃるのだろう。そう思っただけで胸が熱くなりました。

 今回の震災でも全国から集まった自衛隊員は命がけで住民救助活動を行いました。どれだけの命が自衛隊員の手で救われたでしょう。21年前を思い出してまた感謝の気持ちが膨らみました。

 私が震災経験者としていつも言っているのは、初動態勢の時はそれぞれのプロに任せるべきで、素人の県外ボランティアは現地入りを控えたほうがよいということです。私が働いていた西宮市の現市長、今村岳司氏もおっしゃっています。

 例えば急にボランティアで駆けつけて「お手伝いできることはないですか?」と言われても、被災地自治体に「その人の対応をする」という仕事を増やしてしまいます。

 例えば被災地に突然何かを送っても「置き場所を確保するなどの対応」という仕事を増やしてしまいます。被災地はたいへんな混乱の中で、被災地行政職員を中心に不眠不休の対応をとっております。「混乱を収拾する」ことこそが最大の仕事になっています。被災地に「人命救助」を最優先させてあげてください。

 「被災地を混乱させないこと・仕事を増やさないことが今できる最大の支援」(今村岳司西宮市長フェイスブックより)なのです。

 それでも、被災地に向けてなにかしたいと思っている方もたくさんいらっしゃると思います。今私たちにできること。それは、「今やるべきことを一生懸命やること」です。

 仕事かもしれません。勉強かもしれません。子育て中のお母さんはお子さんにいっぱいの愛情を注いであげてください。介護をしていらっしゃる方は親御さんを大切にしてあげてください。それが被災地支援につながります。

 よく「自粛モード」ということで、イベントなどを中止するところがありますが、私は予定通りにやった方がよいと思います。

 日本の一地域が被災して全く機能しない。これをその他の地域でカバーしなくてはいけません。また、これから復興には多大なお金がかかります。大事なのは経済活動です。被災地の分も私達が頑張って回していかなくてはなりません。

 イベントを中止して損失を出すより、予定通りに実施して、少しでも被災地に為に寄付をした方がいい。そして、イベントの冒頭に黙祷を行って犠牲者の方々のご冥福を祈りましょう。

 被災地で愛する人や土地を失った方々のことに思いを馳せ、そして不眠不休で任務に当たっていらっしゃる自衛隊や消防、救助隊、行政の方々に「お願いします!」の思いを胸に今日もお仕事、頑張りましょう!

 さて、ここからはその被災地に押し掛ける困った人の話をしたいと思います。

 宮城県石巻市に視察に行ったとき、案内をしてくださった自民党の市会議員さんから聞いた話です。ピースボートという団体が仮設住宅の自治会に入り込んで、自立しようという被災者に対して「いや、自治体にこんな要求をしたら、お金がもっと取れますよ」とレクチャーしており、現地の良識ある被災者や行政担当者はとても迷惑しているというのです。

 阪神淡路大震災の事例も引っ張り、「神戸の仮設住宅に入っていた被災民の話を聞きに行きましょう」とお金を出して神戸まで連れて行っているそうです。

 阪神淡路大震災が起きた頃は、生活支援法が無かったので、自立再建するしかなかった。自己資金でみんな再建したのです。今は支援法もあって、お金も貰っているのに自立しようとせず、被害者利権を振りかざす。交通事故の時に最初はそうでもなかったのに周りの人からいろいろ入れ知恵されてどんどん要求がエスカレートするなんてことがあります。それに似ています。その指南を左翼団体が行っているのです。生活保護の受給をあっせんするなどというこれまで培ったスキルを駆使して、言葉巧みにお金を貰うことだけを吹き込むのが左翼です。

 このピースボートとは、全国の店舗などにポスターを貼っている地球一周船の旅のピースボートです。私は、衆議院議員時代、震災復興委員会でこのことを取り上げて質疑を行いました。このピースボートという団体の欺瞞性を暴き、その上で石巻の現状を問いました。すると「このピースボートとそのピースボートは違います」みたいな答弁が返ってきたんです。民進党の辻元清美氏が学生時代に始めたというみなさんおなじみの世界一周のピースボートと、石巻に入り込んだピースボートとの関連性は認められませんという答弁です。

 同じ名前を使っているし、そもそも船旅のピースボートのホームページを見たら、石巻へボランティアに行きましょうと記されています。それなのに「別団体で登録されています」といって、うまく逃げられました。

 復興庁としては、こちらの追及も交わしたいわけです。私の言っていることを認めて「これはそうですね」と言ったら次は「なんとかします」となる。そんなこと言ったら、自分の仕事が増えるだけだから「なんとかします」という答弁はしたくないわけです。

 その結果、どうなったか?

 すでに熊本にピースボートが乗り込んでいます。自然災害に対する左翼の動きはとても速いです。西宮市職員時代、水害が出た地域に泥出しボランティアで行ったことがありますが、いち早く共産党の議員が来ていました。本当に共産党は一番に現地入りします。何をしているかというと一軒一軒とインターホンを押して「何か困ったことないですか。困ったことがあったらここに来てください、電話してください」ってビラを配っているのです。別に長靴履いて泥出しをしているわけではありません。人の不幸につけこんで政治活動やっているわけですが、共産党をはじめとする左翼の人たちはそれを徹底的にやります。

 少しでもこの実態を明らかにして、彼らが震災利権に食い込むのを止める。それも我々良識ある保守派の使命だと思っています。

■杉田水脈(すぎた・みお) 昭和42年4月生まれ。鳥取大農学部林学科卒。西宮市職員などを経て、平成24年に日本維新の会公認で衆院選に出馬し、初当選。平成26年に落選後は、民間国際NGOの一員として国際社会での日本の汚名をそそぐために活動を続けている。好きな言葉は「過去と人は変えられない。自分と未来は変えられる」。