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入管法改正断念、衆院選と都議選への影響懸念 自民内から不満も

自民党・森山裕国対委員長=18日午後、国会内(春名中撮影)
自民党・森山裕国対委員長=18日午後、国会内(春名中撮影)

 政府与党が18日、外国人の収容や送還のルールを見直す入管難民法改正案の今国会成立を断念したのは、野党が対決姿勢を強める中で採決に踏み切れば、会期末にかけての国会運営だけでなく、近づく東京都議選や次期衆院選にも影響が出かねないためだ。ただ、野党の思惑通りの展開となったことで、政権の「実行力」には疑問符が付き、自民党内では不満もくすぶる。

 「(入管施設収容中だったスリランカ人女性の死亡事案について)真相を究明しなければならない。今国会でこれ以上審議を進めないことも一つの選択肢だ」

 自民の森山裕国対委員長は18日、改正案の採決を見送る理由をこう説明した。女性の施設内での様子を撮影した映像開示を求める野党との対立激化は、他の法案審議にも影響を及ぼす。衆院での採決が国民に「強行」と映れば、参院での審議で野党側が抵抗の度合いを強めることも目に見えている。

 森山氏は前日の17日まで立憲民主党の安住淳国対委員長と落としどころを探ったが、立民は最後まで強硬姿勢を崩さなかった。立民側にも、憲法改正手続きに関する国民投票法改正案に賛成したことなどで、党内外に「対決姿勢が足りない」との不満が高まっており、妥協する選択肢はなかった。

 与党公明党からも、同党が重視する都議選への影響を懸念する声が上がっていた。改正案を審議する参院法務委員会の委員長は公明の山本香苗参院副会長で、都議選を間近に控える会期末に批判の矢面に立たされかねないためだ。公明幹部は「結果的にはよかった」と胸をなでおろす。

 だが、改正案は本来、長期化が問題となっている入管施設での収容の適正化を目指すのが狙いだ。これまで「むしろスリランカ人女性のような事案を繰り返さないための法案だ」(与党幹部)と改正案の必要性を強調していたにもかかわらず、成立を断念したことに、あるベテラン議員は「選挙のことばかり気にしている。世論に負けてしまった」と嘆いた。(永原慎吾、力武崇樹)

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