内閣不信任案「提出できず」は月内の緊急事態宣言中 立民幹部が釈明
菅義偉(すが・よしひで)内閣に対する不信任決議案について「現状では提出できない」とした立憲民主党の枝野幸男代表の10日の発言について、立民幹部が12日、新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言期間に限った話だと釈明し、「今国会で提出しないという意味ではない」と強調した。
安住淳国対委員長は記者団に「本人に確認したが、5月31日までの緊急事態宣言中は様子を見たいということだ。6月以降は全くニュートラル(どうするか決めていない)」と述べた。
蓮舫代表代行も記者会見で、現在は宣言が延長され、感染リスクが高い変異株が拡大しているとして「選挙ができる環境にあると思わない。その前提で『今、出せない』という客観的な判断だと思う」と述べた。
枝野氏は10日、記者団に「現状で衆院解散をできる状況ではない。提出はできないと思っている」と述べた。「今は政治空白を作るべき状況ではない」との従来の認識を独特のひねくれた言い回しで説明した格好だが、一部では「提出見送り」と受け止められ、野党内でも「政権交代のカードを自ら手放すような発言だ」「対決姿勢が足りない」とひんしゅくを買っていた。
不信任案については、菅内閣のコロナ対応の「失敗」などを理由に提出することも検討しており、6月16日の会期末前に感染状況を踏まえて判断する方針。