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迫る開催、世論に神経尖らせる政府 準備の遅れにいらだちも

東京五輪・パラリンピックの新型コロナウイルス対策を検討する調整会議の第7回会合であいさつする杉田和博官房副長官(左から3人目)=28日午後、首相官邸
東京五輪・パラリンピックの新型コロナウイルス対策を検討する調整会議の第7回会合であいさつする杉田和博官房副長官(左から3人目)=28日午後、首相官邸

 夏の東京五輪・パラリンピックに向け、海外から受け入れる選手や大会関係者の新型コロナウイルス対策が固まった。政府は水際対策を徹底する姿勢を示すことで、開催に懐疑的な世論の支持を何としても取り付けたい考えだ。ただ、感染状況を明確に見通せず、準備の遅れも相まっていらだちも垣間見える。

 水際対策では、海外の選手本人だけでなく、選手と接触する可能性のある人がPCR検査を原則毎日受け、スタッフや報道関係者らの行動範囲も限定する。違反すればビザ(査証)として機能する参加認定証「アクレディテーション」を剥奪する“罰則”も課す。

 頭を悩ませるのは感染力が高い変異種の世界的拡大だ。3月には、約100万人とされた海外からの観客の受け入れを断念した。一方、最大約9万人と試算される選手や関係者の受け入れは開催の最低条件だ。

 政府や大会組織委員会は国内世論に神経をとがらせる。国際オリンピック委員会(IOC)なども含めた5者協議では、当初4月中に観客数の上限を判断するとしていたが、今回は、感染状況が読めないとして6月に持ち越された。組織委幹部は「今の段階でどれだけ観客を入れるなんて言ったら反対論が燃え盛ってしまう」と気をもむ。

 医療資源をどこまで大会に振り向けられるか、都の判断が遅れていることも不安要素だ。国は都への支援内容を固められず、観客数の判断にも影響を及ぼしている。

 国が医療体制に関する考えをただしたのは約2週間前だ。丸川珠代五輪相は27日の記者会見で都から返答がないとし、「主催者としての責任と医療現場を預かる責任をどう果たすのか」と苦言を呈した。

 政府関係者は「大型連休明けに示してもらわなければ間に合わない」と語る。ある閣僚は「世論が『反五輪』に傾きつつある中、小池百合子都知事は医療の話は受けが悪いと思っているのだろう」と不信感を抱く。

 開催を確実にするには準備を急ぐ必要があるが、コロナ対策より五輪を優先していると受け止められれば反発を招きかねない。政府の新型コロナ対策分科会の尾身茂会長は28日の衆院厚生労働委員会で、大会開催について「関係者が感染のレベルや医療の逼迫(ひっぱく)状況を踏まえ、議論をしっかりやるべき時期に来ている」とも述べた。(市岡豊大、坂井広志)

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