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政府「短期集中」強調も延長含み 変異株で戦略に狂い

衆院厚労委員会で答弁する菅義偉首相=23日午後、衆院第16委員室
衆院厚労委員会で答弁する菅義偉首相=23日午後、衆院第16委員室

 政府は23日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、3度目となる緊急事態宣言の発令を決めた。17日間の「短期集中」で感染を押さえ込む構えだが、多くの専門家は期間が不十分だとみており、早くも「期限延長」との言葉が飛び交う。前回の宣言解除から1カ月余りしか過ぎていない。大型連休にもかかわらず、国民生活は再び先行き不透明なトンネルに入る。

 「このまま手をこまねいていれば、大都市における感染拡大が国全体に広がることが危惧される」。菅義偉(すが・よしひで)首相は発令決定後の記者会見で、感染状況に強い危機感を表明した。3度目の発令に至ったことに関しては「心からおわびを申し上げる次第でございます」と神妙に頭を下げた。

 リバウンド(感染再拡大)を防ぐ政府の戦略を狂わせたのは変異株だ。大阪では重症者向け病床がパンク状態となり、政府の新たな対策には「(コロナ以外の)一般医療の制限」まで盛り込まれた。23日の政府有識者会議では「災害医療」という言葉が飛び交った。

 「災害医療はとにかく目の前のことをしなくてはいけないので一般医療は後回し。それを了承しないといけない状況が今の大阪だ」

 会議後、川崎市健康安全研究所の岡部信彦所長は記者団にこう説明した。全国知事会長の飯泉嘉門徳島県知事は、関西と比べて東京では変異株への認識が不十分だと指摘し「東京が大阪のようになったらもう止めようがない」と語った。

 政府は今回、飲食店への休業要請など昨春の最初の宣言にもなかった強い対策メニューをそろえた。首相は会見で「短期集中」と強調し「できることは全て、全力を尽くしてやり抜く」と語気を強めた。

 一方で、強い対策は経済や国民生活へのダメージも伴う。百貨店への休業要請は人出を抑える狙いだが、業界は「百貨店でクラスター(感染者集団)は出ていない」と反発する。酒類提供店への休業要請は「路上飲み」を誘発する懸念があり「苦肉の策だろう。効果があるか現時点では評価できない」(コロナ分科会メンバー)との指摘もある。

 大型連休中は検査件数が減り、正確な感染状況の把握も難しくなる。焦点は解除基準だが、首相は会見で「その時の状況を総合的に見た上で総合的に判断する」と述べるにとどめた。一方、分科会の尾身茂会長は「5月11日までに(感染状況が宣言解除の目安となる)ステージ3になっていなければ延長もありうる」と記者団に述べ、短期集中を強調する政府にクギを刺した。(千葉倫之)

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