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接種記録、新システム運用開始…デジタル庁の試金石に

 高齢者の新型コロナウイルスワクチン接種が12日から始まるのに合わせ、政府は接種記録に関する新システム(VRS)の運用を開始する。接種状況を即時に把握し、ワクチンの効果を検証する事業は自治体との連携が不可欠で、菅義偉政権の看板政策であるデジタル庁の成否を占う試金石としても注目される。

 「思った以上に入力は早かった。画面のボタンを押すだけなので間違えようがない」。河野太郎ワクチン担当相は6日、接種会場を想定した実演を終えると記者団にこう感想を述べた。

 VRSは、自治体側があらかじめ予防接種台帳や住民基本台帳から対象者の氏名や生年月日、接種券の番号、マイナンバーといった情報を入力し、VRSのデータベースに登録する。

 接種券には18桁の数字などが記載され、接種を受ける人は接種券を会場や医療機関で示す。担当者が端末で読み取り、接種記録を入力するとVRSに記録される。これまでは予防接種台帳に反映されるまで2~3カ月かかっていたが、瞬時に把握できる。

 システム開発は1月20日付で河野氏の補佐官に就任した小林史明衆院議員を中心に官僚や民間、自治体からの出向者のチーム約15人でスタートした。各者が連携するVRSは「今後のデジタル庁が担う業務」(小林氏)の一角となる。

 一方で約1億人の国民が短期間に2回接種する今回の事業は自治体に負担も強いる。住基台帳や予防接種台帳のシステムから住民情報の初期登録を行う必要があるほか、多くの自治体が並行して自前の接種予約管理システムの運用も行うからだ。今回は厚生労働省のワクチン流通管理システム「V-SYS(ブイシス)」への対応もある。

 小林氏はテレビ会議などで自治体にVRSの必要性を訴え、質問にも丁寧に対応し、デジタル庁への地ならしにも余念がなかった。

 内閣官房の情報通信技術総合戦略室に出向し、システム開発に携わった千葉県船橋市情報システム課の千葉大右(だいすけ)課長補佐は「入力作業は増えるが、接種業務全体としてはむしろ効率化されるという国の説明は理解できる」と語る。

 大阪府門真市ICT推進課の坂本貴士課長補佐も「開発段階で自治体の声に耳を傾けてもらえる手法はありがたい」と評価する。政府は運用のノウハウを9月発足を目指すデジタル庁に生かす考えだ。

 (長嶋雅子)

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