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デジタル法案、衆院委で可決 個人情報保護、マイナ、人材確保で課題山積

デジタル庁設置法案が賛成多数で可決された衆院内閣委員会=2日午前、衆院第1委員室(春名中撮影)
デジタル庁設置法案が賛成多数で可決された衆院内閣委員会=2日午前、衆院第1委員室(春名中撮影)
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 菅義偉首相の看板政策であるデジタル庁創設を柱とするデジタル改革関連5法案は2日、衆院内閣委員会で一部修正して可決した。来週中に衆院を通過する見通しで、政府・与党は4月中の成立を期す。首相は社会のデジタル化に道筋を付け、政権浮揚を図りたい考えだが、国会審議を通じて個人情報保護や民間人材の活用の在り方に課題も浮かんだ。

 法案はデジタル庁に他省庁への勧告権を含む総合調整機能を持たせ、国や地方の行政手続きのオンライン化やマイナンバーカードの利活用を促進して国民の利便性を高めるのが狙い。民間、行政機関、独立行政法人の3つに分かれている個人情報保護法は一本化する。

 関連法案のうち個人情報保護法改正案について、一部野党は本人の同意がないまま個人情報が国に集約されて国の監視が強まる「デジタル監視法」だなどとして懸念を示してきた。

 首相は3月31日の衆院内閣委で「法案は個人情報保護の水準の向上を図るものだ。個人情報全体を集中管理するものではないため、『デジタル監視法』との指摘は当たらない」と理解を求めた。しかし、立憲民主、共産両党は2日の採決で、保護強化を求める修正が与党に受け入れられなかったとして同改正案に反対した。

 デジタル政策で重要な役割を果たすマイナンバー制度も課題がある。首相はマイナンバー制度に関する国費支出が累計約8800億円に上ると明かした。それでもマイナンバーカードの普及は2割台と低迷。立民の後藤祐一氏が「コストパフォーマンスが悪すぎる」とただすと、首相も「確かに悪すぎる」と同調せざるを得ず、利便性向上に取り組む姿勢を強調した。

 情報技術(IT)に精通した人材確保にも厳しい目が向けられる。デジタル庁は職員約500人のうち100人規模を民間から登用する予定だ。共産の塩川鉄也氏は、民間から出向し非常勤の国家公務員として働く一方、出向元企業から給与が補填(ほてん)された場合、「公務の公正性に疑念が生じる」と訴えた。

 平井卓也デジタル改革担当相は、民間出身の職員がシステム調達に関わる場合は所属企業の入札制限をかけるなど透明性の確保を強調したが、具体的な運用方法は今後の検討事項だ。

 首相は目標とするデジタル庁の9月創設について「進める自信はある」と強気の姿勢を示すが、残された時間はそう長くはない。(長嶋雅子)

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