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【安保関連法施行5年】集団的自衛権行使ゼロでも日米関係安定に貢献 米艦防護では抑止効果

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 自衛隊の役割を幅広く強化した安全保障関連法が施行されて29日で5年となる。成立や施行当時、最も注目されたのは集団的自衛権の限定行使だったが、行使に必要な「存立危機事態」は発令されていない。それだけ抑止が効いたとも解釈できるほか、良好な日米関係を維持する効果もあった。実任務では自衛隊が米軍艦艇の防護を頻繁に行っており、周辺諸国に日米同盟の結束を示している。

(杉本康士、大橋拓史)

 防衛省は2月19日、自衛隊が米軍などを守る「武器等防護」の件数が昨年は過去最高の25件だったと国家安全保障会議(NSC)に報告した。武器等防護は自衛隊法95条に基づき必要最小限の武器使用を条件に艦艇や航空機を護衛する活動だ。安保関連法の施行で米軍など他国軍も対象とすることが可能になった。

 安保関連法で可能になった活動のほとんどが発令されない中で、武器等防護では着実に実績を積み重ねている。平成29年の2件を皮切りに30年が16件、令和元年が14件で、令和2年分を含めると計57件に上る。

 安保関連法制定当時、与党協議会座長だった高村正彦元自民党副総裁は「日本の自衛艦が米空母を警護して動いている絵が世界に発信される。これは大変な抑止力だ」と語る。洋上だけではなく、航空自衛隊の戦闘機は米空軍爆撃機を護衛する形で東シナ海上空などをたびたび飛来しており、これが北朝鮮や中国などを牽制(けんせい)する意味も持つ。

 一方、集団的自衛権の行使が可能になり、日米関係の安定に貢献する側面もあった。同盟国の公平な分担を求める米国のトランプ前大統領が安倍晋三前首相と親密な関係を築いた基礎には、安保関連法があったとの見方が政府内には根強い。バイデン政権との関係でも政府高官は「法的な問題はすべて決着済みで日米間の懸案にはならない」と語る。

 「安保関連法がもしなかったとしたら、トランプ前政権の時代は大変だっただろうなとつくづく思う」

 公明党の北側一雄副代表は安保関連法の整備について「あのときやっておいて本当によかった」とも振り返る。当初は集団的自衛権行使に消極的な姿勢を示した公明党の幹部がこうした発言をするまでに至ったことに安保関連法の意義の浸透ぶりが象徴されている。

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