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米軍、台湾侵攻に深刻な危機感 日本などと対中抑止強化へ

23日、米上院軍事委員会の公聴会で証言するアキリーノ太平洋艦隊司令官=ワシントン(ゲッティ=共同)
23日、米上院軍事委員会の公聴会で証言するアキリーノ太平洋艦隊司令官=ワシントン(ゲッティ=共同)

 【ワシントン=黒瀬悦成】米インド太平洋軍の次期司令官に指名されたアキリーノ太平洋艦隊司令官が「中国による台湾侵攻は大多数が考えるより間近だ」とした上院公聴会での証言は、中国の軍事的脅威が高まっていることに対する米軍の深刻な危機感を反映している。米軍は、日本など地域の同盟諸国との連携を強化して対中抑止力の向上を図っていく考えだ。

 アキリーノ氏は、中国による台湾への軍事侵攻はインド太平洋地域における「最も危険度の高い懸念だ」と述べた上で、中国がインドとの国境紛争や香港での民主派弾圧、ウイグル問題で「私たちが想定するよりも早期に攻撃的な行動をとってきた」と指摘した。 

 台湾に関しても、中国の侵攻の時期については「見方に幅がある」としつつ、切迫感をもって迅速に対応する必要性を強調した。「日付変更線以西で同盟・パートナー諸国と連携して即応部隊を展開することが重要だ」とも訴えた。

 デービッドソン太平洋軍司令官は9日の上院公聴会で、中国が向こう6年以内に台湾に侵攻するとの見通しを示していた。米軍事専門家などの間では、ロシアが2014年2月のソチ五輪が終了した直後にクリミア半島に侵攻したことを例に、中国も来年2月の北京五輪終了後の春に台湾を侵攻する恐れがあるとの見方が出ている。

 アキリーノ氏は、この点に関し聞かれると、天候などを勘案すれば軍事的には春が侵攻に「比較的適した天候だ」としつつ、実際に侵攻に踏み切る可能性については言及を避けた。

 米国が軍事戦略的観点から中国による台湾の武力統一を重大視するのは、台湾が海上交通の要衝に位置していることに加え、米国が中国の台湾統一を許せば、日本などインド太平洋地域の同盟諸国からの信頼を失いかねないためだ。

 アキリーノ氏は、仮に中国軍が台湾に基地を前進配置させた場合、軍事的な影響範囲が拡大し、「フィリピンを含む同盟・パートナー諸国を脅かし、地域全体に挑戦を仕掛けてくるようになる」と警告した。

 一方、中国の海軍力が「このままでは米軍を上回る」(デービッドソン氏)と指摘されていることに関しては「米海軍は地球上で最も強力だ」と指摘した上で、中国への対抗に向け、現行の296隻体制を51年までに405隻体制にする昨年末公表の新建艦計画を支持する立場を示した。

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