PR

ニュース 政治

安保対策の土地規制法案 公明難色で閣議決定先送り 私権制限で反発警戒

 政府は安全保障上の重要な土地の買収対策として検討している土地利用規制法案について、目標としてきた9日までの閣議決定を見送った。公明党が過度の私権制約になりかねないとして、自民党に慎重な対応を求めているためだ。公明には、拙速な議論が同党支持層の反発を招き、近づく東京都議選や次期衆院選に影響を及ぼしかねないとの懸念がある。(力武崇樹)

 「いろいろ検討すべきことがある。しっかりと協議を尽くし、(自公)両方の共通認識を得ていく必要がある」

 公明党の山口那津男代表は9日の記者会見で、法案の扱いは与党が足並みをそろえるべきだと重ねて強調した。この日は政府が閣議決定の期限に設定したはずだったが、自民の「安全保障と土地法制に関する特命委員会」委員長の新藤義孝元総務相と公明の北側一雄副代表による協議は、今月始まったばかりだ。

 協議の遅れは、新藤氏が新型コロナウイルスに感染したこともあるが、自民が2月18日の関係部会で法案を了承して以降も、公明内で慎重論が渦巻き続けてきたことが大きな要因だ。

 「そもそも『事前届け出』はなぜ必要なのか」

 北側氏らベテラン議員が同日の党部会で懸念を示したのは、自衛隊や海上保安庁の施設周囲や国境離島の中でも特に重要な土地として指定する「特別注視区域」についてだった。法案は一定面積以上の売買当事者に氏名や住所、土地の利用目的などの事前届け出を義務付けるためだ。

 虚偽の届け出に懲役を含む罰則を科すなど厳しい内容で、公明には「自由な経済活動を制約しかねない」と修正を求める意見もある。ただ、重要施設への侵入や機能の妨害を企てる不審者をあぶり出すのが本来の狙いで、「事前届け出は法案の肝」(自民関係者)ともいえる。法案の骨格部分で自公の溝は大きい。

 届け出をめぐって罰則を科されても、不審者に所有権は移ってしまうことにも、公明内からは疑問の声が上がる。「私権を制約する以上は、実効性のある内容でなければならない」(ベテラン)との指摘だ。

 公明の懸念は、迫る都議選や衆院選への影響にも及ぶ。中堅・若手には「法案はバランスがとれている」との賛意もあるが、同党の支持層は私権制限への警戒が強いとみられ、幹部は「選挙への影響は無視できない」として慎重な姿勢を崩さない。

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ