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原発事故で見送られた新増設を議論 エネルギー安保の視点を

 次期エネルギー基本計画に向けた議論が本格化してきた。政府は、東京電力福島第1原発事故後、原発の新増設を認めない方針に転換。菅義偉政権も新増設に言及しない。だが、菅首相が掲げた「2050年カーボンニュートラル」の実現には、原発の有効活用は避けて通れない。24日の産業界からの聞き取りでは、原発の新増設を含めた現実的な対応を迫られた。

 「原子力は確立した脱炭素電源で、将来に向けた重要な選択肢。政策方針への(原発の)リプレース(建て替え)、新増設の盛り込みが必要だ」(経団連の越智仁副会長)

 「(原発の)早期再稼働、リプレース・新増設、核燃料サイクルなどの課題に国が前面に立って責任をもって推進してもらいたい」(日本商工会議所の三村明夫会頭)

 この日の会議では参加者から、新計画で原子力の位置づけを明確にすべきだとの声が相次いだ。

 経産省は、2050年の脱炭素化実現に向けた電源構成の議論のため、再生可能エネルギーの比率などにより、いくつかの電源構成のシナリオを示す。同時に、2050年時点で再稼働可能な原発をすべてフルに近い形で稼働できたとしても、全電力量の1割程度しか賄えないとの試算も出している。メーンシナリオの一つである「原子力の割合を2割」とする場合、新増設や建て替えが必要になるのが現状だ。

 2010年に策定されたエネルギー基本計画では、20年までに9基、30年までに14基以上の新設、増設を行うとの方針が明示された。計画は、既存原発の老朽化に伴い30年前後にリプレースの需要が高まるとも指摘した。

 しかし、原発事故を受け、当時の民主党政権は新増設を認めない方針へ転換。自民党中心の政権となっても、2回の計画見直しがあったが、新増設方針は盛り込まれなかった。

 今冬は厳冬による電力需給逼迫にも見舞われた。最適な電源構成や電力の安定供給、そしてエネルギー安全保障の視点から、原発新増設の議論の先送りはもう許されない。(那須慎一)

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