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土地利用規制法案、公明に目立つ慎重姿勢

 安全保障上、重要な土地の買収対策として政府が検討している土地利用規制法案をめぐり、公明党に慎重姿勢が目立ってきた。事前調整では「バランスの取れた法案」(党関係者)という意見もあったが、態度が変化した背景には、今秋までに行われる衆院選を前に、支持者の視線が厳しくなったことが影響しているようだ。

 「米軍基地の多い沖縄など自治体や関係者の意見は聞いているのか」

 18日に開かれた公明党の部会では、政府案に対して根本的な説明を求める声が複数上がった。

 政府案では、調査対象として自衛隊や米軍などの防衛施設、海上保安庁施設、原子力発電所などの重要インフラ周辺のおおむね1キロ以内と国境離島を「注視区域」に設定。国籍などの所有者情報や利用実態について所有者に報告を求めるなどして一元的に把握する。

 特に重要な土地は「特別注視区域」として、一定面積以上の売買当事者に事前届け出を義務付ける。妨害電波を発するなど不適切利用が確認されれば土地の利用中止を命令できる。虚偽申告や命令違反には罰則も設ける。

 もともと私権制限や経済活動への配慮から自民党にも慎重意見はあった。そのため、政府は規制する行為を「売買」ではなく「利用」に限定。公明の強い要請に応じ、外国資本だけでなく国内資本も対象とする「内外無差別」の原則も盛り込んだ。

 先月まで与党には「大きな対立はない」(内閣府幹部)とされていたが、自民の要請で調査対象に海保施設を入れたことをきっかけに、「これほど広範囲の私権制限は行き過ぎだ」などと公明ベテラン議員らの反発が表面化し始めた。

 背景には、緊急事態宣言下の東京・銀座での深夜会合が発覚し、1日に議員辞職に追い込まれた遠山清彦元幹事長代理の存在がある。遠山氏は検討会座長として反発を抑えていたが、党を去った後、慎重意見が噴出するようになった。

 次の衆院選が迫る中で遠山氏の不祥事が発覚したこともあり、支持母体の創価学会員が党に向ける視線は厳しくなっている。これが法案への慎重論を急加速させた。ある政府関係者は「公明党内の問題だ」と指摘するが、目標とする3月上旬の閣議決定の直前まで、ギリギリの調整が続きそうだ。(市岡豊大、力武崇樹)

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