静岡県が行政代執行 沼津鉄道高架用地の看板など撤去 反対派は無言の抗議
撤去費などは元地権者の負担となり、県側から費用の納付命令を通知する。高架事業は総事業費約2千億円で、工事着手からも10年以上かかる見込み。
鉄道高架事業をめぐっては、県が元地権者に今月5日までに土地を明け渡すよう戒告書を送付したが、応じなかったため、代執行に踏み切った。一方、元地権者らは県などを相手に事業認可取り消しなどを求めて提訴。請求を却下・棄却した昨年12月の静岡地裁判決を不服として控訴している。
■JR沼津駅付近の鉄道高架事業をめぐる経緯
平成
15年1月 鉄道高架事業の都市計画決定
26年7月 川勝平太知事が高架事業の推進を表明
28年9月 事業に反対する地権者らが事業認可の無効確認などを求め静岡地裁に提訴
令和
2年4月 静岡県と沼津市の申し立てに対し、県収用委員会が土地明け渡しを裁決。最終期限を11月に
6月 市が県収用委の裁決に基づき補償金計約9500万円を払い、土地の所有権を取得
11月 明け渡し期限に元地権者1人が応じず、市などが行政代執行を請求。県側は履行期限を2月5日と設定
12月 静岡地裁が事業認可無効確認の請求を却下・棄却。元地権者側は控訴
3年2月19日 行政代執行。看板や立ち木などを撤去