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自民・世耕氏、コロナ・孤独問題で存在感

会見で記者団の質問に答える自民党・世耕弘成参院幹事長=16日午後、国会内(春名中撮影)
会見で記者団の質問に答える自民党・世耕弘成参院幹事長=16日午後、国会内(春名中撮影)

 自民党の世耕弘成参院幹事長が新型コロナウイルス禍で存在感を高めている。ワクチン接種をめぐる地方自治体の要望や、孤独に悩む人々の声を吸い上げて政府に対策を求めるなど参院自民の独自色を打ち出しているためだ。一方、野党は世耕氏が歴代の参院自民幹事長に比べ首相官邸や衆院の意向に従順だとの印象を持っており、「良識の府」の役割を果たせていないと不満げだ。

 「地方自治体の真剣な声に耳を傾け、ワクチンの円滑な接種に努めてほしい」

 世耕氏は9日、1012市区町村・団体などから寄せられたヒアリング結果を河野太郎ワクチン担当相に手渡す際、こう要望した。ヒアリングはワクチン接種の疑問点などを洗い出すために世耕氏が発案。「医師の数が足りず計画を立てづらい」(熊本県南関町)などの意見が寄せられた。

 世耕氏が座長を務める「不安に寄り添う政治のあり方勉強会」も精力的に活動。アンケートを通じて、コロナ禍の不安に関する1万3000件以上の声を集めた。世耕氏は16日の記者会見で「18日にコロナ禍の不安に関する緊急提言案を議論し、結果を関係各所に持っていきたい」と意欲を示した。

 参院自民関係者は、世耕氏について「官房副長官として長年、首相官邸で経験を積んだこともあってか政治的センスが高い。発信力もある」と語った。

 一方で参院の野党側には、首相官邸や衆院の「言いなり」(国民民主党参院幹部)といった厳しい見方がある。改正新型コロナウイルス特別措置法をめぐる与野党の修正協議は、衆院側の主導により刑事罰削除などで折り合った。

 「衆参2日ずつの審議」という異例のスピードで今月3日に成立させた日程も、参院への法案送付前に水面下で決まり、参院側には二院制の役割が果たせていないとの不満が募る。

 立憲民主党の参院幹部は「青木幹雄氏や村上正邦氏、吉田博美氏ら過去の自民の参院幹事長には『衆院や官邸の言いなりにならないぞ』という信念があったが、今は感じられない。参院全体として独自性を発揮できなくなった」と語る。

 野党側には、衆院議員へのくら替え話が絶えない世耕氏の下では参院の存在感は高まらないとの見方もある。「良識の府」のキーマンに上り詰めた世耕氏の今後の言動が注目される。(今仲信博、田中一世)

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