千葉知事選、告示まで1カ月 ポスト森田に5新人名乗り
3月21日投開票の千葉県知事選の告示(同月4日)まで1カ月を切った。森田健作知事(71)の退任に伴い、12年ぶりに新人同士の対決となり、立憲民主党が支える千葉市長の熊谷俊人氏(42)と、自民党が推薦する県議の関政幸氏(41)を軸とした5氏による構図が見えてきた。新型コロナウイルスの影響で対面による政治活動が制約される中、各候補予定者はオンラインの活用などで支持拡大を目指している。
市長として3期12年の実積を強調する熊谷氏は、市内の新型コロナ対策に取り組みながら市外の有権者にもアピールするため、公務の合間に現地を訪れたり、オンライン上での会合を繰り返している。
知事選には無所属で出馬する意向だが、衆院選に向けて党勢拡大を目指す立憲民主党は県連レベルでの支持を決定。昨年12月に開かれた集会では、野田佳彦元首相をはじめとした同党衆院議員が駆け付けた。
今月2日には、日本維新の会とも県支部レベルで政策協定を締結。熊谷氏から働きかけたといい、リベラルな立民色を中和し、「県民党」として保守層への浸透も図るしたたかさを見せた。
一方、県議会最大会派の自民党が支え、政策通の弁護士でもある関氏は、地元議員の協力を得ながら県内各地を周り、現地の実情を把握。大票田の東葛地域では朝のラッシュ時に駅頭に立つなど、知名度の向上に努める。
新型コロナの影響で大規模な集会は開けないが、同党の強みである組織力を生かして各地にポスターが貼り出され、ちらしの投函(とうかん)も進んでいる。
4日には県議会の本会議で自らが立案に関与した「犯罪被害者等支援条例」の趣旨説明を実施。続く同党の代表質問では森田知事に新型コロナや防災対策、農林水産業の振興といった県政の諸課題を問いただし、事実上の後継者としての資質をアピールした。
このほか共産党が推薦する同党県西部地区常任委員の金光理恵氏(57)は、県民の生活向上や、陸上自衛隊木更津駐屯地への輸送機オスプレイの配備反対などを強調する。
元船橋市議の門田正則氏(73)や元県立高校校長の皆川真一郎氏(66)も、インターネットで有権者に主張を訴えている。