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感染症法改正案 与党の大幅譲歩でスピード成立へ 

新型コロナ特措法などの改正案が可決された衆院本会議=1日午後、国会(春名中撮影)
新型コロナ特措法などの改正案が可決された衆院本会議=1日午後、国会(春名中撮影)

 1日の衆院本会議で可決された新型コロナウイルス対策強化のための特別措置法と感染症法の改正案は、参院での審議を経て3日の成立が確実となった。衆参計4日間の審議でスピード成立を可能としたのは、感染症法に盛り込んだ刑事罰を撤回した政府・与党の大幅譲歩だった。ただ、罰則が行政罰にとどまり、感染を防ぐ抑止力となり得るかどうかの懸念もあり、実効性のある法運用が課題となる。

 「感染症が広がる前に対応できる仕組みが出来上がることは非常に良かった」

 改正案をめぐり野党との修正協議を担ってきた自民党の森山裕国対委員長は1日、記者団にこう述べ、法改正の意義を重ねて強調した。だが、政府・与党が目指していたのは、当初の感染症法改正案に盛り込んだ入院拒否者に対する「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」などの刑事罰による強力な罰則だった。収束の見通しが立たない中、自治体首長からは実効性の高い法改正を求める声が高まっていたからだ。

 政府は1月22日に特措法と感染症法の改正案を閣議決定したが、立憲民主党などは「到底、容認できない。行き過ぎだ」(枝野幸男代表)と反発を強めた。自民幹部は「懲役を外すことは検討しなければならない」と最終的な落としどころにする可能性を示唆していたが、刑事罰自体の撤回そのものには否定的だった。

 潮目が変わったのは、26日に与党幹部が緊急事態宣言下の都内で深夜にクラブを訪れていたことが発覚したためだ。立民は予算委員会で「自分たちが守らないのに国民が守らないと罰則を科すというのはめちゃくちゃだ」(徳永エリ氏)と一気に攻勢を強めた。

 さらに、厚生労働省が27日に公開した15日の厚生科学審議会感染症部会の議事録が追い打ちをかけた。議事録には「過料ではなぜ不十分かが見えてこない」などと刑事罰を疑問視する意見が多数明記されていたが、自民側には一切報告が上がっていなかったという。党幹部の一人は「厚労省は本当におかしなところだ」とうめいたが、後の祭りだった。

 現行の感染症法や検疫法には危険度の高い感染症の拡大を招きかねない行為に刑事罰を設けており、法体系のバランスにも課題を残す。だが、政府関係者は「実効性の確保ということでは進歩だ。足らないところはまた考える」と語り、今後のさらなる法改正にも含みを残した。(永原慎吾)

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