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IT新法、楽天などに公平性や透明性確保迫る

 巨大IT企業に契約条件の開示などを義務付ける新法が2月1日に施行される。出店者との取引の公平性や透明性を高めるよう自主改善を促す内容で、対象になる楽天やヤフーなどは対応を急ぐ。IT企業への規制は欧米でも強まっており世界的な流れだ。規制が過剰になれば企業活動の制約となる懸念もあるが、規制が弱すぎれば実効性が確保できなくなる恐れも有り、今後の運用にはバランス感覚が求められる。

 「準備万端に備えたい」。楽天で主力のインターネット通販事業を担当する野原彰人執行役員は新法施行を控えてこう話した。

 新法は楽天のような大手IT企業が出店者に不利な契約を押しつけることなどを防ぐことが狙い。出店者との契約条件の開示や契約変更の際の事前通知などを義務付け、経済産業相への毎年度の取り組み状況などの報告を求める。守れない場合は社名公表や措置命令などの行政処分を科す。

 年間売上高3000億円以上のオンラインモールと同2000億円以上のアプリストアの運営会社が対象で、楽天やヤフー、アマゾン・コム、グーグル、アップルに適用される。このうち楽天は政府の要請に対応するための組織「コマース渉外室」を2月に設置。ヤフーは昨年12月までにネット通販サイトへの出店希望者の審査基準や検索結果の表示順位の決め方を公開した。

 IT企業への規制は世界の潮流となっている。販路をIT企業に依存する中小の出店者は立場が弱く、不利な契約を強いられやすいためだ。欧州連合(EU)は昨年7月にすべてのプラットフォーム事業者に情報開示を求める規制を施行。米国でも10月にグーグルなど「GAFA」と称される巨大IT企業の分割が議論されている。

 楽天の野原氏は国際的な規制の流れに「それだけ作業が増えるし、イチ民間企業として法律での制限は避けたい」と漏らす。日本の新法は検討過程で具体的な禁止行為を規定することも議論されたが、厳しすぎてビジネスや技術革新を損ねるとして見送られた。

 だが、バランスに配慮した分、規制の実効性を疑問視する声も上がる。ニッセイ基礎研究所の松沢登保険研究部研究理事は「透明化に着手したのは評価できるが、ルール整備の一里塚に過ぎない」と指摘。経産省の担当者は「実際に運用しながら実効性を検証する」と強調している。(万福博之)

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