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「国際法上あり得ぬ」 日本抗議、控訴の考えなし 慰安婦判決

韓国地裁の元慰安婦訴訟の判決について、断じて受け入れ無いことを表明する菅義偉首相=8日午後、首相官邸(春名中撮影)
韓国地裁の元慰安婦訴訟の判決について、断じて受け入れ無いことを表明する菅義偉首相=8日午後、首相官邸(春名中撮影)

 韓国の元慰安婦らが損害賠償を求めた訴訟でソウル中央地裁が日本政府に賠償を命じた判決を受け、日本政府は8日、「極めて遺憾だ。断じて受け入れることはできない」(加藤勝信官房長官)として韓国側に抗議し、国際法違反の状態を是正するよう求めた。13日にも同様の訴訟の判決が予定されているが、日本政府としては、韓国政府の出方を見極めつつ、国際社会に韓国側の不当性をアピールするとともに、国際司法裁判所(ICJ)への提訴も含めた対応策を検討する。

 菅義偉首相は8日、官邸で記者団に対し、慰安婦問題について「昭和40年の日韓請求権協定で完全かつ最終的に解決済みだ」と重ねて強調。「韓国政府として国際法上、違反を是正する措置をとることを強く求めたい」と語った。

 外務省の秋葉剛男事務次官も同日、南官杓(ナム・グァンピョ)駐日大使を同省に呼んで直接抗議した。

 今回の判決は、国家は外国の裁判権に服さないとされる国際法上の「主権免除」の原則を無視しており、外務省幹部は「常識的にも国際法上もありえない」と非難する。

 加藤氏は会見で「控訴する考えはない」と述べた。日本側が反応すれば韓国側の論理にのることになりかねないためだ。政府は8日、駐韓大使に駐イスラエル大使の相星孝一氏を充てる人事を閣議決定しており、予定通り赴任させる方向だ。

 判決が確定し、原告が大使館など日本政府資産の差し押さえに動く可能性もあるが、外務省幹部は「ウィーン条約に違反し、できるわけがない」と強気の姿勢を見せる。日本としてはむしろ、いわゆる徴用工訴訟に続き、国際法を無視する韓国の姿勢が国際社会にあらためて浮き彫りになったとも受け止めている。

 両国間には、日本による韓国への輸出管理厳格化や韓国が開催を目指す日中韓首脳会談などの懸案がある。政府関係者は「韓国政府が対応しない限り、日本として前向きな動きをすることはない」と断言する。

 一方、与野党からは判決を批判する意見が相次いだほか、大使召還など対抗措置を求める声も出ている。慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的な解決」を確認した平成27年の日韓合意を結んだ岸田文雄元外相は「判決は到底受け入れられない。日韓関係に深刻な影響を与える」と非難。立憲民主党の泉健太政調会長は「日韓関係の悪化につながるような韓国側の対応は承服しかねる」と述べた。

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