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【主張】緊急事態宣言 再び危機感持ち抑え込め 雇用不安の回避に全力挙げよ

 菅義偉首相が新型コロナウイルスの国内感染拡大を受け、特別措置法に基づく緊急事態を宣言し、国民に協力を呼びかけた。

 宣言は昨年4月以来で、東京都と埼玉、千葉、神奈川の3県の首都圏が対象となった。期間は8日から2月7日までとなった。

 首都圏では感染増に歯止めがかからず、医療提供体制が崩れ始めている。遅きに失した再発令だが、この機に新型コロナを抑え込まなくてはならない。

 宣言が功を奏さなければウイルスは全国に広がる。日本全体の危機ととらえ、国民は協力してウイルスとの戦いを進めたい。人々の「行動変容」がカギとなる。

 ≪追加の対策ためらうな≫

 東京都の7日の新規感染者数は2400人超となった。全国でも最多を更新し続けている。

 政府の新しい対処方針は感染拡大防止を最優先に位置付けた。経済活動重視の方針から一時転換したものだ。

 飲食店などに午後8時までの営業時間短縮を求め、酒類提供は午後7時までとした。時短に応じる店への協力金の上限は1日6万円に引き上げた。感染リスクが高いとして飲食中心に講じた。

 不要不急の外出を控えるよう求め、特に午後8時以降の自粛徹底を求めた。出勤者数の7割削減を目標にテレワークやローテーション勤務の推進を掲げた。イベントは上限5千人を継続する。

 大阪府の吉村洋文知事は7日、政府に宣言発令を要請することを検討中だと明かした。京都府と兵庫、愛知両県も検討に入った。

 政府は、対策の強化や期間の延長、対象地域の追加をためらってはなるまい。

 昨年のように大幅な自粛が実現するかは不透明だ。専門家や知事会から出ていた首都圏との移動の抑制は明記されなかった。首都圏や大阪府、愛知県など大都市部とその他の地域との移動を抑えるべきではないのか。

 欧米諸国より感染者数が少ないことで日本が油断していた面は否めない。現場の医療従事者は必死に働いてきたのに首都圏では医療提供体制が崩壊し始めている。

 年末年始の1週間、入院先や療養先が決まらず自宅待機を強いられた感染者が都内でのべ3千人を超えた。他の自治体でも同様の例がある。

 これらは、特措法改正が間に合わなかったことを含め政府と自治体の失政だ。医療提供体制の立て直しに全力を挙げるべきだ。

 菅首相や知事ら政治リーダーの発信力の弱さも深刻である。それゆえに今回の協力呼びかけが十分に浸透しない恐れはある。

 昨年12月には会食問題で菅首相は謝罪に追い込まれた。飲食店の時短要請強化を政府が求めたのに東京都などが応じなかったとして、今年に入って政府と都が角突き合わせたのも見苦しかった。

 ≪医療めぐる失政挽回を≫

 時短要請が不十分だった首都圏の知事らに問題はあるが、自ら説得に乗り出さなかった菅首相ら政府側も批判を免れない。言い訳や責任転嫁を図るようなリーダー、政府では言葉の重みが失われることを肝に銘じてもらいたい。

 政府が経済活動の制約を求める以上、それで苦境に陥る人たちを支える安全網の整備に全力を尽くすのは当然の責務である。

 協力金が6万円では焼け石に水という受け止め方もあろう。これで十分かは絶えず見極めなくてはならない。中小・零細企業や個人事業主の多くはぎりぎりの経営を続けてきた。いよいよ息切れして経営がもたなくなる事例が相次ぐようなら、速やかに協力金を増やす柔軟さが必要である。

 コロナ禍で売り上げが落ち込んだ事業者らを支援する制度で、15日に申請期限を迎える持続化給付金や家賃支援給付金は存続させるべきである。宣言を発令した途端になくなるのでは、ちぐはぐな対応と言わざるを得ない。

 特に懸念するのが雇用不安である。昨年11月の失業率は5カ月ぶりに改善したが、雇用環境が回復に向かっているとは言い難い。その中で非正規社員らの雇い止めや解雇が相次げば不安が一気に高まりかねない。

 そうならないよう、企業の雇用維持を支える雇用調整助成金の特例措置は2月末の期限後も延長すべきである。景気が二番底に陥ることを回避するためにも、あらゆる手立てを講じてほしい。

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