【菅首相記者会見詳報】(5)時短要請「クラスターの可能性がある場所に的絞った」
--今回の緊急事態宣言で、営業時間の短縮要請の対象を飲食店に絞り、映画館やパチンコ店は「働きかけ」にとどめた。
菅義偉首相「私たびたびと申し上げてますけど、この1年間でコロナの感染状況について、政府もかなり学んできています。そういう中で、先ほど(政府分科会の)尾身茂会長もお話ありましたが、東京の約6割の感染経路が不明なところ。そうしたことには大部分が飲食店ということであります。ですから、そうした対象にしっかりと的を絞って徹底して行う。そうしたことが大事だというふうに思っています」
首相「そういう姿勢で今回は緊急事態宣言をさせていただきましたので、今までクラスター(感染者集団)が発生した場所とか、発生する可能性がある場所に的を絞って、今回行ったということであります」
尾身氏「飲食関係になぜ比較的重点を置いているかというご質問だと思うんですけど、実は飲食が重要だという理由がかなりはっきりした。クラスター解析をかなりこの1年近くやり、その中で3つのことがわかってきました。1つは、昨年10月頃だったと思うが、5つの場面というのを何度も申し上げました。あれを見ていただくと5つの場面のうち2つは食事のことをその頃から申し上げている。クラスターの解析をつぶさにしますと、当時から食事に関するものが重要な感染のルートの1つだったということが分かっています」
尾身氏「それからもう1つ重要なことは、飲食のことがあるんですけど。数自体は全部の8割ということではありませんけど、これが起点として、これはデータとしてはかなり明らかになっていますけど。飲食を中心にしたものが、それを起点にして、時間差でですね、職場に行ったり家庭に行ったり高齢者、ということの感染の起点としてのいわば原因と結果ですよね。家庭内感染、大変重要でこれは何とか防ぎたいですけど、むしろ家庭内感染は、食事を介しての感染の結果だと、そういう認識。そういう意味で重要だということ」
尾身氏「それから先ほど首相の方から、東京6割の方はリンクが追えないと言いますけど、東京がリンクを追えない理由は2つあると思っています。1つは感染者の数が多い。これは当然ですよね。もう1つは、東京における人々の匿名性。地方に行くと、どこに行ったというのが比較的わかりやすい。匿名性があるということで、地方の方が明らかにリンクを追えている。クラスターがはっきりしているんです。追えている。地方のデータを詳細に見ますと、いわゆる高齢者施設とか医療機関を除くと、数だけを見ても、これは3割から4割が食事に関係しているということはもうわかってます」