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逆風の首相 挽回狙い発信増 周囲反対押し切り記者会見で感染対策訴え

記者会見に臨む菅義偉首相=25日午後、首相官邸(春名中撮影)
記者会見に臨む菅義偉首相=25日午後、首相官邸(春名中撮影)

 菅義偉首相は25日、前回から3週間後というタイミングで再び記者会見を開いた。首相の周囲には、内閣支持率が下落傾向にあるなかで、厳しい質問を不用意に浴びやすい会見に否定的な意見もあった。だが、首相は新型コロナウイルス対策への「発信不足」との批判をかわす狙いもあり、1時間近くに及ぶ記者会見に臨む道を選んだ。

 「私自身、新型コロナウイルス対策で国民への説明が十分ではなかった。今後、国民と丁寧にコミュニケーションにとることに努めていきたい」 

 首相は記者会見の冒頭、率直に反省の弁を述べた。首相肝いりで進めた観光支援事業「Go To トラベル」が28日から全国で一斉に停止になることに関し、「説明不足」や「判断が遅すぎる」といった批判が起きたことが念頭にある。

 首相は官房長官時代から感情を表に出さずに淡々と会見をこなすスタイルを通してきた。首相周辺は「実務家らしく政策を『国民との約束』として丁寧に話したいという思いによるものだ」と説明するが、一方で「国民に危機感が伝わりにくく、メッセージ性に欠ける」という批判も集めた。

 だからといって、新型コロナ対策を雄弁に語った安倍晋三前首相も、会見が支持率上昇につながったとはいえない。官邸内には会見で批判を招くことへの警戒感もあった。今回は首相が官邸のエントランスホールでメッセージを語った後、2、3問の質問を受け付ける「ぶら下がり」形式で済ませる案も検討された。

 ただ、首相を取り巻く環境は逆風だらけだ。トラベル事業への批判に加え、首相が全国一斉停止の決断を下した14日夜に、自民党の二階俊博幹事長らと大人数でステーキ店で会食したことが「国民に大人数の会食を控えるよう求めながら甘い」(立憲民主党幹部)と指弾され、謝罪にも追い込まれた。

 政府関係者によると、官邸には「首相が年内に会見すべきだ」という意見が多く寄せられた。首相周辺は「開いても開かなくても批判されるなら、発信の機会は多いほうがいい」と会見を決断した背景を語る。

 ただ、会見終了から約2時間後、官邸で新型コロナ変異種の感染者が国内で確認されたことについて、対応を尋ねられた首相は記者団に自ら歩み寄ってきたものの「これから田村憲久厚生労働相が会見する」と述べるにとどめた。今後は緊急時の発信強化が課題となりそうだ。(大島悠亮)

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