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宇宙作戦隊 米中の人工衛星 5・6キロのニアミス解析

報道陣に公開された航空自衛隊の宇宙作戦隊=16日午後、東京都府中市の航空自衛隊・府中基地(植村光貴撮影)
報道陣に公開された航空自衛隊の宇宙作戦隊=16日午後、東京都府中市の航空自衛隊・府中基地(植村光貴撮影)
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 航空自衛隊が5月に発足させた「宇宙作戦隊」の訓練の様子が16日、府中基地(東京都府中市)で報道陣に初めて公開された。その中では、今月7日に米中の人工衛星が5・6キロの距離にまで接近した事例が紹介され、宇宙作戦隊による解析映像がスクリーンに映し出された。陸・海・空に次ぐ「新領域」に位置付けられる宇宙空間は、デブリと呼ばれる宇宙ごみを含め、さまざまな脅威にさらされている。

 「実際に宇宙で、どれほどの頻度で同じような事象が起こっているか。正確に把握するためにも、(さらなる)教育、訓練が必要だ」

 隊長の阿式俊英2等空佐は訓練後、記者団にこう強調した。

 宇宙作戦隊によると、7日に接近したのは米国の民間衛星と中国の地球観測衛星。アフリカ大陸上空で、最接近距離は5・6キロだったという。

 2008年には米国とロシアの人工衛星が衝突し、大量のデブリが発生する事故が起きており、衛星同士が衝突するリスクは高まっている。

 宇宙空間では通信衛星や測位衛星などが運用されており、こうした衛星は陸・海・空を問わず、自衛隊の作戦遂行上の基盤だ。人工衛星やデブリが衝突すれば、作戦遂行は困難になる。

 加えて、中国やロシアは人工衛星を破壊するための対衛星ミサイルや、アームで捕獲するなどして衛星の能力を奪うキラー衛星を開発しているとされ、宇宙空間の脅威は増している。

 防衛省が宇宙状況監視(SSA)システムの整備を急いでいるのもこうしたことが背景にあり、令和5年度の運用開始を予定している。

 空自が今年の10月から、米西部カリフォルニア州にあるバンデンバーグ空軍基地の多国間宇宙調整所に自衛官を派遣しているのも、SSA能力の向上を図る一環だ。

 現在は宇宙作戦隊が宇宙の状況を解析するために取り扱えるデータが米軍の公開情報に限られており、同調整所に連絡官を配置できれば、英国なども加わる他国の生データにアクセスできるというわけだ。

 防衛省は来年度に宇宙作戦隊を配下に持つ約70人規模の「宇宙作戦群」を新たに編成する考えで、阿式氏は「人材育成が喫緊の課題。本格的な運用開始に向けて万全を期したい」と話す。(政治部 大橋拓史)

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