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首相、感染者3千人超で停止決断 関係閣僚に「全国で止めよう」 

菅義偉首相=15日午前、首相官邸(春名中撮影)
菅義偉首相=15日午前、首相官邸(春名中撮影)

 政府は15日、観光支援事業「Go To トラベル」を年末年始に一時停止する方針を決定したことについて説明に追われた。新型コロナウイルスの新規感染者拡大や、トラベル事業見直しを求める新型コロナ感染症対策分科会の提言などを理由としているが、今までの説明と矛盾する点も多く対応に苦慮している。

 菅義偉(すが・よしひで)首相は15日の自民党役員会で、トラベル事業について「(新規)感染者が(1日)3千人を超える中で年末年始に集中的な対策を取るべきだと考え、いったん停止することを決断した」と説明した。同席した党幹部は「首相は眠れないほど考えたと思う」と推し量る。

 首相は感染防止対策を取りながら経済回復も図る考えを示してきた。15日も周囲に「移動の自粛を求めたわけじゃない」と語っている。実際、11日午後までトラベル事業見直しには否定的だった。だが、11日夜に分科会がトラベル事業の見直しを求める提言を行って以降、状況は一変した。

 「全国で止めようと思う」

 首相は13日、官邸に集まった関係閣僚らにこう告げた。決断は前日の12日だった。厚生労働省幹部らから全国の感染状況の報告を受け、新規感染者が3千人を超えたことでかじを切った。閣僚の一人は「急転直下だった」と振り返り、政府高官も「今回は(事前に)知らなかった」と明かす。

 ただ、政府は分科会の11日の提言を踏まえ、トラベル事業の全国一斉停止に踏み切ったとも説明している。加藤勝信官房長官は15日午前の記者会見で12回も「提言」に言及したが、分科会がトラベル事業見直しを提言したのは11日が初めてではない。

 政府が分科会の提言にもかかわらず事業を継続してきたのは、分科会自体が「感染拡大の主因であるとのエビデンス(根拠)は存在しない」としていたからだ。現在もこの認識に変わりはないが、一時停止に踏み切った。政府は事業の見直しは地域の実態を知る都道府県知事と相談しながら決定すると説明してきたが、今回の決定を前に各知事と相談した形跡はない。

 政府高官は14日午前、医療体制に関して「私なんかは大丈夫だと思っている」と語っていた。それでも報道各社の世論調査では、政府のコロナ対策に厳しい評価が下されていた。自民党の佐藤勉総務会長は15日の記者会見で首相の決断について、こう語った。「高度な政治判断だと理解している」(市岡豊大、永原慎吾)

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