PR

ニュース 政治

日銀短観、コロナ不況、投資・雇用に厳しさ 景況感鈍い回復ペース

日本銀行本店=東京都中央区
日本銀行本店=東京都中央区

 日本銀行が14日発表した12月の全国企業短期経済観測調査(短観)は、代表的な指標である大企業製造業の業況判断指数(DI)が2四半期連続で改善したものの、新型コロナウイルス感染症の影響でマイナス圏が続き、コロナ禍前の水準には戻っていない。感染の再拡大もあり企業は設備投資や新卒採用といった先行きの企業活動に慎重な姿勢を崩しておらず、景況感の回復ペースは鈍い。

 中国などを中心とした輸出の持ち直しで、自動車など大企業製造業の景況感は前回9月調査と比べて、おおむね改善した。大企業非製造業も政府の業界支援策「Go To キャンペーン」による需要の創出効果もあり、運輸や宿泊・飲食サービスなどの景況感が改善された。

 しかし、先行きは慎重な見方が多い。3カ月後の景況感を予測したDIは、中国などの生産が回復してきた大企業製造業でも、マイナス8と2ポイントの改善を見込むに過ぎない。

 とくに、旅行や忘年会の中止といった移動や対面サービスの制約を受けやすい運輸や宿泊・飲食サービスなど、非製造業の回復ペースはより緩やかだ。

 大企業非製造業の先行きDIはマイナス6で、1ポイントの悪化を見込む。さらに飲食などの比率が高い中小企業の非製造業の先行きDIはマイナス20と8ポイントの悪化で、大企業に比べ落ち込みの幅は大きく、より厳しい経営状況が浮かび上がる。

 今回の短観は11月27日時点で7割を超える回答を得られており、その後の感染拡大を受け景況感がより悪化している懸念もある。

 先行きの厳しさを示すように、全規模全産業の今年度の設備投資計画は前年度比マイナス3・9%と、12月調査としてはリーマン・ショック後の平成21年以来11年ぶりにマイナスだ。企業業績の悪化を受け「不要不急の設備投資は先送りする傾向にある」(日銀幹部)ためだ。

 また、令和3年度の新卒採用計画もマイナス6・1%と、12月調査としては平成22年以来10年ぶりにマイナス。設備投資や雇用の悪化に伴い、景気低迷が長期化する恐れがある。

 改善しつつも、企業の景況感は「ワクチンの一般普及が始まるまで、本格的な回復は見込めない」(SMBC日興証券の丸山義正チーフマーケットエコノミスト)。それまで政府には、感染抑制や企業活動を支える政策が求められる。(大柳聡庸)

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ