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自民の学術会議提言案 軍事スタンス素通りなどに不満も

日本学術会議提言案をまとめた自民党・内閣第二部会政策決定におけるアカデミアの役割に関する検討PTで発言する塩谷立座長=9日午前、東京・永田町の自民党本部(春名中撮影)
日本学術会議提言案をまとめた自民党・内閣第二部会政策決定におけるアカデミアの役割に関する検討PTで発言する塩谷立座長=9日午前、東京・永田町の自民党本部(春名中撮影)

 日本学術会議の在り方を検討する自民党のプロジェクトチーム(PT、座長・塩谷立元文部科学相)は9日、党本部で会合を開き、政府に対する提言を大筋で了承した。学術会議を会員の次期改選期の令和5年9月までをめどに政府から独立した法人格を持つ組織に改変することが望ましいとし、政府に1年以内に具体的な制度設計をするよう求める内容だ。軍事研究に否定的なスタンスなどは素通りし、党内には「手ぬるい」との不満もある。

 提言では、学術会議について「期待される機能が十分に発揮されているとは言い難い」と指摘した。組織形態として独立行政法人や特殊法人、公益法人などを例示。ガバナンス(統治)機能の強化と組織の透明化のため、第三者機関の設置が必須だとした。科学的な提言機能や情報発信力の強化も求めた。

 菅義偉首相が「現在の会員が後任を推薦することも可能な仕組みだ」と問題視した会員選考の手続きをめぐっては、複数段階での投票など透明で厳格な運用を求めた。若手研究者の積極的な登用も訴えた。

 運営費として国から年間約10億円が支出されている財政については、独立後も当面は運営費交付金などの予算措置を続ける必要があると指摘。先進国のアカデミーが国費以外の財源を持っていることも踏まえ、学会からの会費徴収や民間からの寄付など、自主財源を持つよう促した。

 一方で、学術会議が昭和24年の設立から一貫して軍事研究に否定的な立場を崩さなかった点については明記されなかった。井上信治科学技術担当相が学術会議側に研究成果が民生と軍事の両面で使われる「デュアルユース」(軍民両用)も念頭に入れるよう求めているのとは距離がある。党内にある「完全民営化」の意見も反映されていない。

 保守系議員は「踏み込み不足だ。今の自民党の曖昧さがよく出ている文章だ」と批判。別の議員は「『学問の自由』論争に巻き込まれて組織の見直しができないほうがよくない。仕方がない」と理解を示した。

 塩谷氏は週内にも井上氏に提言する予定だ。(沢田大典)

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