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【正論1月号】政界なんだかなあ 社民党分裂に思う 産経新聞論説委員・政治部編集委員 阿比留瑠比

社民党の臨時党大会で、立憲民主党に合流するための離党を容認する議案に賛成票を掲げる代議員ら。壇上右側の左端から福島党首、吉田幹事長=11月14日午後、東京都内
社民党の臨時党大会で、立憲民主党に合流するための離党を容認する議案に賛成票を掲げる代議員ら。壇上右側の左端から福島党首、吉田幹事長=11月14日午後、東京都内

 ※この記事は、月刊「正論1月号」から転載しました。ご購入はこちらをクリックへ。

 かつて全学連主流派と行動をともにし、後に自らを「新・新左翼」と名乗った評論家、吉本隆明氏は平成六年に著した論文『わが「転向」』で、底の浅い知識人らをこう手厳しく批判している。

 「いまのようにロシア・マルクス主義を源泉とする『マルクス主義』が世界的な大敗北を喫している中で、徹底的な否定を潜らなかったら、理念の再生なんていうのはありえないんです。ところが、そのつっかい棒に対して一度も否定的批判をしたこともなくて、この大転換期を通り抜けようとする姑息な知識人ばかりがいる」

 「柄谷行人とか浅田彰とか、『週刊金曜日』の本多勝一から社会党護憲派の國弘正雄、上田哲まで全部同じで、一度もロシア・マルクス主義に対して否定的な批判をしたりしないで、またぞろ自分の理念を水で薄めれば通用すると思っているのです」

■没落は福島瑞穂氏だけのせいか

 それから二十六年がたち、社会党の理念を水で薄めてできた社民党が、ようやく滅びの時を迎えようとしている。旧世代の化石か亡霊のような反省なき政党が、よくもこれまで通用したものだと妙な感慨を覚えるほどである。

 国会議員四人のうち福島瑞穂党首を除く三人が離党する見通しとなり、希望する党員・地方組織の立憲民主党への合流が決まった十一月十四日の臨時党大会は、大荒れだった。

 中でも、照屋寛徳衆院議員による福島氏批判は、いかにも左翼の内ゲバらしく興味深い。照屋氏は福島氏について罵倒した。

 「あなたが社会民主主義や社民党宣言を語る資格は全くない」

 「上辺はいいが、秘めたる根性は最悪」

 特に、次の言葉にはいろいろと考えさせられた。

 「あなたが二〇〇三年(平成十五年)に党首になって十年間で、全国の社会党、社民党の党員、先輩方が築いた遺産をすべて食いつぶした。そういう自覚はないのか」

 社民党の没落は福島氏のせいだということだろうが、果たしてそうだろうか。福島氏をかばう気などさらさらないが、社民党が存在感をなくし、無用な存在と化したのは時代の必然ではなかったか。

 吉本氏が指摘したような「徹底的な否定」など考えもせず、ただ惰性で非現実的で空想的な平和主義ごっこを続けてきたことの当然の帰結ではないか。とどめとなった拉致対応 自民、さきがけと連立政権を組んだことで政党としての理念の浅薄さを露呈し、それまでも退潮傾向にあった社民党が、さらに決定的に崩壊していったきっかけは、拉致問題への姿勢にある。

 平成十四年九月十七日の初の日朝首脳会談で、当時の金正日総書記が小泉純一郎首相に日本人拉致を認めて謝罪した瞬間に、朝鮮労働党の友党であった社民党の正当性は雲散霧消していた。

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