安倍前首相側、「桜」前夜祭 差額補填認める 答弁矛盾、秘書が虚偽報告と説明
安倍晋三前首相の後援会が「桜を見る会」の前日に主催した夕食会で、会場となった東京都内のホテル側への支払総額の一部を安倍氏側が補填したものの、政治資金収支報告書に記載していなかったことが24日、分かった。安倍氏周辺が明らかにした。安倍氏は国会答弁で補填を否定したが、事務所の秘書が安倍氏に虚偽の報告をしたという。
夕食会をめぐっては、野党などが1人5000円の会費が安すぎると指摘し、総額と参加者から集めた会費との差額を安倍氏側が補填したのではないかといわれてきた。
安倍氏周辺によると、昨年末、安倍氏が国会答弁に備えるため、秘書に「5000円以外に事務所が支出をしていないか」と尋ねた。秘書は「払っていない」と虚偽の報告をした。この秘書は「(補填を)政治資金収支報告書に記載すべきなのにしていない事実を知っていた。(補填はないという)答弁をしてもらう以外ないと勝手に判断した」などと話しているという。
この問題では、安倍氏側が補填していれば公職選挙法が禁じる有権者への寄付にあたる可能性があり、収支報告書にも記載がないとして、全国の弁護士らが安倍氏や後援会代表の公設秘書ら計3人を東京地検に告発。同地検特捜部は関係者を任意聴取した。この秘書は特捜部の調べにも、安倍氏に虚偽の内容を伝えた旨を話したという。
この秘書は23日に安倍氏に報告したという。安倍氏は24日、国会内で記者団に「事務所としては全面的に協力している。それ以上は今の段階では答えられない」と述べた。